OLでも独学で受かった!第二種電気工事士技能(実技)試験|コツやおすすめ工具も紹介

特集

第二種電気工事士の技能(実技)試験に独学で合格したOLの勉強方法記録。

電気の知識ゼロのOL2名が第二種電気工事士を受験した結果、2名とも筆記試験を突破。技能試験は2名中1名が合格という結果になりました

この記事ではこれから第二種電気工事士の技能試験を受験する人向けに、

技能試験の概要

おすすめ工具テキスト動画サイト

試験当日までの具体的な練習方法

技能試験突破のコツ・注意点 などを紹介します。

また、技能試験に落ちてしまった筆者視点での、不器用でも資格を取りたい方向けのアドバイスも紹介しています。

これから第二種電気工事士の技能試験を受験予定の方は、ぜひご覧ください!

◆ 筆記試験の勉強方法について知りたい方は、OLでも受かった第二種電気工事士の勉強方法|勉強時間、使用テキスト等全部公開!の記事をご覧ください!

◆ 受験記を最初から読みたい方は過去の記事もご覧ください!

※ この記事は2020年受験時の内容をアップデートし、2024年現在受験を考えている人にも参考になるよう試験情報等は最新のものを掲載しています。

第二種電気工事士の技能(実技)試験ってこんな感じ!

第二種電気工事士の技能試験概要
筆者(右)と筆者の上司(中央)。私たちが受験しました!

まず、第二種電気工事士技能(実技)試験の出題方法や難易度、合格基準について簡単にお伝えします。

「もう知ってるよ!」という方はこのページは飛ばして、勉強方法の紹介から読んでください!

技能(実技)試験の難易度はそれほど難しくなく、合格率も高め

第二種電気工事士は、筆記試験の合格率が例年60%程度技能(実技)試験の合格率は60~70%程度です。

例年、筆記試験の合格率よりも技能試験の合格率のほうが高い傾向にあります。

技能試験は電気工事の実作業を行うので、どれくらい難しいと感じるかは人によって様々です。

合格率のデータから判断すると、難易度は「それほど難しくない」試験であると言えます。

出題形式 ・出題内容・合格基準

第二種電気工事士の候補問題
実際の候補問題の例(画像出典:電気技術者試験センター)

事前に公表されている13個の試験問題の中から、1問が出題されます

どの問題が出題されるかは、会場によって異なります。

作業時間は40分。欠陥がなければ合格です。

候補問題は電気技術者試験センターのホームページからも確認することができます。

勉強方法の紹介

第二種電気工事士技能試験の勉強方法

OL2名がどのように第二種電気工事士技能(実技)試験の勉強をしたか、詳しく解説していきます!

技能(実技)試験の勉強方法を紹介する人のプロフィール

まずは、第二種電気工事士の技能(実技)試験に挑戦した2人のプロフィールを紹介します。

技能試験に受かった人(Iさん/写真中央)

第二種電気工事士技能試験に合格したOL。文系で工事経験は一切なしの、筆者の上司です。

これから受験する皆さんは、受かった人の勉強法方法を詳しく知りたいはずなので、この記事ではIさんの勉強方法やコツを中心にご紹介していきます。

技能試験に落ちた人(筆者)

青山OLが受ける第二種電気工事士シリーズを書いてきた張本人。筆記試験は合格したものの技能試験で不合格となりました。

文系、工事経験一切なし。手先が器用な方ではありません。

この記事では「もっとこんな勉強をしておけばよかった」という失敗談などを紹介しつつ、これから受験する方が同じ道をたどらないよう勉強方法を伝えていきたいと思います。

勉強時間・勉強開始時期

・Iさん(合格した人):勉強時間40時間程度勉強期間3週間程度

・筆者(落ちた人):勉強時間40時間程度勉強期間1ヶ月と1週間程度

※ 筆記試験の勉強時間は除外。あくまで技能試験の勉強にかけた時間です。

※ 上記勉強時間とは別に、複線図作成の復習をIさん3時間、筆者6時間ほど行っています。

技能(実技)試験の勉強時間は2人ともそれほど変わらず、Iさん、筆者ともに40時間程度でした。

私たちの受験日は2020年12月13日でした。受かったIさんは、技能試験の勉強に着手したのが11月26日で、そこから毎日2時間ほど勉強したそう。

落ちた筆者は、11月の第2週ごろから材料を切ることや基本の輪づくりの練習を始めました。平均すると1日1時間ほどの練習です。

受かったIさんの方が短期間にまとめて集中して勉強していたということになります。

おすすめ工具

第二種電気工事士技能試験のおすすめ工具

使用工具はホーザン(HOZAN) の電気工事士技能試験工具セット 基本工具一式を購入しました。

Iさん、筆者2名とも同じ工具を使用しています。

特に困ったことはなかったので、初心者の方にもおすすめの工具です。

おすすめテキスト

使用したテキストは、オーム社の「ぜんぶ絵で見て覚える 第2種電気工事士筆記試験すい~っと合格」シリーズです。

2020年当時、Iさんは会社に資料としてあった2018年版、筆者は新たに購入した2020年版を使用しました。

試験問題が変わっていなければ、数年前のテキストでも問題なく使用できます。コストを抑えたい方は過去のテキストを先輩に借りてもいいかもしれません。

このテキストは写真による解説が多く、テキスト内のQRコードをスキャンすると動画の解説も見ることができます。独学でも実際の映像から学ぶことができるため、とても便利でおすすめです。

おすすめ動画サイト

2人とも、テキストの解説に加えて動画の解説を利用していました。おすすめの動画を紹介します。

第二種電工試験の虎

合格したIさん、落ちた筆者ともに利用していたのは、第二種電工試験の虎というサイトの動画です。

このサイトは、工具メーカーのホーザン株式会社が運営しています。結線作業や施工方法などの単位作業に加え、技能(実技)試験の候補問題ごとに最初から完成まですべての手順を学ぶことができます。初心者や独学で試験勉強をしている方には非常におすすめのサイトです。

筆記試験の解説も充実しており、私たち2人は筆記試験の時からお世話になっていました。

「すい~っと合格」テキスト特典の動画

筆者がよく利用していたのは、使用テキストでご紹介した「ぜんぶ絵で見て覚える 第2種電気工事士筆記試験すい~っと合格」内に掲載されている、QRコードから飛ぶことのできるYouTubeの動画解説です。

購入者特典動画のため、ここでURLを紹介することはできませんが、テキストを見て気になった作業があればすぐにQRコードから解説動画に飛ぶことができるので、便利でおすすめです。

補足:動画学習は必ず行おう

独学の方は、テキストの写真を見て作業を覚えるよりも、映像で覚えた方がコツがつかみやすいです。静止画では細かい動きがわからず、それを指摘してくれる人がいなければ間違ったまま覚えてしまう危険もあります。

ここで紹介した動画でなくとも、何かしら動画を見て練習することをおすすめします。

私たちは動画を見ながら練習し、わかりにくい手の動きがあればその場面に戻して繰り返し動画を見て、やり方を覚えていきました。

試験当日までの練習方法

第二種電気工事士技能試験の練習方法

私たちが実際に行っていた練習を時系列ごとに紹介します!

【事前学習】まずは複線図の復習から!

Iさん(合格した人):候補問題の複線図作成を3周(3時間程度)

・筆者(落ちた人):複線図の理解から勉強し直し、その後も日々の練習前後で1日10分複線図を書く練習(6時間程度)

2人とも、実作業の練習をする前に取り掛かったのが複線図の勉強です。

技能(実技)試験は、まず候補問題を見て複線図を作成し、その後実際に施工を行う流れで進みます。

なかには複線図を書かないという方もいますが、よほど練習しない限り複線図を描かずに作業を進めることは難しいので、素直に勉強しておいた方がいいでしょう。

複線図は筆記試験の際にも勉強しますが、筆者は理解があやふやなまま技能試験まで来てしまったので、基本を理解することから始めました。

【基本の勉強】技能(実技)試験の勉強方法・練習量

Iさん(合格した人):候補問題2周+前日に出そうな問題を予想し、追加で2問練習

・筆者(落ちた人):候補問題2周+苦手な単位作業の練習

第二種電気工事士技能(実技)試験の候補問題は、全部で13問あります。

これらの候補問題を繰り返し練習することが、基本的な勉強方法となります。

どの問題が出るかは当日までわかりません。最低でも各問題2周は練習することをおすすめします

ちなみに、私たちは1周分の材料しか買っていなかったため、慣れてきたらケーブルを短めにするなどして材料を節約しながら練習していました。(ケーブルのみ追加で調達しました)。

【試験直前】試験が近くなったら時間の計測を!

・試験1~2週間ほど前からは作業時間を計り、40分以内に収める練習を行う

2人とも、試験の1~2週間前からは作業時間内に候補問題を完成させる練習を行いました。

試験時間は複線図作成の時間も含めて40分。直前になったら本番を想定した練習を行いましょう。

なお、本番では緊張から想定外の事故が起こることもあります。Iさんの場合、本番で手から出血するケガをしてしまったそうです。

トラブルのリカバリーも想定して、余裕をもって作業を完成できるようにしましょう。

技能(実技)試験突破のコツ・注意点

第二種電気工事士技能試験のコツ・注意点

第二種電気工事士技能(実技)試験に合格するためのコツや、不合格にならないための注意点を紹介します!

欠陥の判断基準を知っておこう

・欠陥が1つでもあったら不合格になることに注意!

練習で候補問題を作ったら、欠陥に該当する箇所がないか細かく確認を!

・独学の場合、正しい自己判断ができる力を身に着けよう

技能(実技)試験を受けるにあたって絶対にやるべきことは、欠陥の判断基準を知ることです。

試験で作る候補問題は、欠陥の判断基準に1つでも引っかかっている所があれば不合格となります

技能試験のテキストを買えば、どういった場合に欠陥と判断されるか写真で解説されています。練習で候補問題を作ったら欠陥に該当する箇所がないか、1回1回細かく確認するようにしましょう。

欠陥の判断基準を知らなければ、自分の作品が合格に値するのか、そうでないのか判断がつきません。とにかく、写真で覚え、文章を読み、頭に入れましょう。

私たちが独学で特に難しいと感じたのは、欠陥がないかを自己判断しなければならないことでした。

難しければお金を払って外部の講習会に通うという手もありますが、決して安い金額ではないので、独学の方は迷いどころだと思います。

苦手な単位作業は繰り返し練習しよう

ランプレセプタクルの結線は繰り返し練習することがおすすめ!

難しい単位作業、不得意だと感じる単位作業については個別に練習する必要があります。

Iさん、筆者ともに繰り返し練習した単位作業はランプレセプタクルの結線。この作業は、本番でも多くの候補問題に組み込まれており出題される確率が高いため、繰り返し練習しておくことをおすすめします。

毎日の練習時、候補問題に取り組むのとは別に、1日1回ランプレセプタクルの結線を練習しておくのもおすすめです。得意な方は、別の苦手な作業を練習してください。

女性受験者の注意点

第二種電気工事士は男女問わず合格が目指せる試験です。ですが、特に女性の場合、手が小さい、筋肉量が少ないなどの理由から、作業に時間がかかってしまうこともあるかもしれません。

基本的には繰り返し作業を行い、慣れていくしか解決方法はないのですが、場合によっては工具が自分の手に合っていないことも考えられます。

どうしても苦手な作業があれば、使っている工具を見直してみることも1つの手段です。

不器用でも資格を取りたいあなたへ

不器用でも第二種電気工事士技能試験に合格するためのコツ

試験に落ちてしまった筆者の視点で、不器用でもなんとか第二種電気工事士の資格を取得したい方へアドバイスをまとめました。

第二種電気工事士技能(実技)試験・不器用な方へのアドバイス

なるべく通しで勉強する時間を増やそう

受かったIさんと落ちた筆者。勉強時間や工具、使用サイトは同じなのにどうして結果に差が出てしまったのかを考えたところ、1つ決定的な差があったことがわかりました。

Iさん(合格した人):練習を始めた最初の段階から通しで練習していた(難しい単位作業については単体でも練習)

・筆者(落ちた人)最初は輪づくり、結線など部分的にしか練習せず、後半になって通しでの練習を始めた

振り返ってみると、最初から通しで練習を行った方が作業時間を意識して進めることができ、本番により近い形で経験を積めるので、最初から完成まで通して練習する時間を多く設けた方がいいように思います。

もちろん、最初は制限時間内に完成させることはできません。

Iさんの場合、最初に作った候補問題は完成までに2時間かかったそうです。

タイムは繰り返していくうちに縮んでいくので、最初は完成させることだけを意識して練習しましょう

どうしても独学が無理な人もいる

・独学は厳しいと思ったら、外部講習を受験することも視野にいれよう

正直に言うと、技能(実技)試験は得意・不得意にかなりの個人差があり、必要な練習量も人によって異なる試験だと思いました。

こんな風に言うと、心配になってしまう方もいるかもしれません。ですが、事実としてこの試験は1人で頑張ってもどうにもならない人が存在する試験だと思います。

「あなたは不器用か?」と聞かれて、「不器用だ」と即答できる方に言いたいのは、「素直にお金を払って講習会に行きましょう」ということです。

思い返せば筆者は、日常生活において物をよく落とす、家庭科の授業でまっすぐに布を縫うことができない、図工の授業の後、作品が飾られるのが恥ずかしい…など、手先が器用でないことによるたくさんの苦い思い出があります。

似たような方であれば、おそらく候補問題を5問ほど解いた時点で「自分は1人でこの試験を突破することは難しい」と悟る瞬間が来ます。その時点で、講習会を予約しましょう。

とはいえ、第二種電気工事士の技能試験は毎年6~7割程度の方が合格している試験です。自分が独学で合格を目指せるのか、それとも外部に頼るべきなのかを判断するためにも、練習は早めに取り掛かりましょう。

まとめ

独学で第二種電気工事士技能(実技)試験の合格を目指すために重要なことを4つおさらいします。

・テキストに加え動画の有効活用が大切。動画を何度も見てコツをつかもう!

・最初は時間にとらわれず、後半は時間を意識して完成まで候補問題を作ることを繰り返そう

・欠陥は一発不合格。練習中も自分の作ったものに欠陥がないかを細かく確認しよう

・練習は早めに取り掛かろう。独学での合格が難しいと感じたら、外部講習を受講するのも手です

合格発表後すぐに、Iさんの家には合格通知が届きました。

筆記試験、技能試験と2つの試験を突破してつかんだ合格はとても嬉しいもの。

これから受験される方、勉強は計画的に行い、ぜひ合格をつかみ取ってください!

◆ 技能試験を受験する前には、技能試験の持ち物について解説した記事をご覧ください!

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◆ OLが受ける電気工事士シリーズ(シーズン1:筆記試験編)

第1弾第2弾第3弾第4弾筆記持ち物準備編筆記試験の勉強方法まとめ

◆ シーズン2(技能試験編)

第1弾第2弾技能持ち物準備編第3弾

コメント

  1. 匿名 より:

    この記事に触発され2022年第二種電気工事士上期試験を受けました。先日、技能試験も終わり結果を待つのみです。
    自分の本業はソフトウェアなので、特に技能試験の練習目安など参考になりました。
    1周目は40分超えで自信なかっのですが、2周目は複線図も頭てイメージでき20-30分で作れるようになりました。

    • 電工魂 編集部 より:

      コメントありがとうございます。
      技能試験の際に当記事を参考にしていただけたとのこと、うれしい限りです。
      試験がいい結果であることをお祈りしております。
      みなさんの役に立つ情報を発信していきますので、今後とも電工魂をよろしくお願いいたします。

  2. 自分不器用ですから より:

    うーん、難しい…。
    複線図分からない、工作もテキスト見ても分からないんですよ…💧。
    北陸地方では、希望の日時に技能講習会も無いですし…。かなり焦っていますね。