建設業の給与平均は550万円!規模別・都道府県別データは?

会社づくり

建設業の給与平均は

厚生労働省は今年5月に令和2年集計分の賃金構造基本統計調査を発表しています。

この調査は民間企業の給与実態を調査しているもので、サラリーマンの給与平均を確認することができます。

データによると、建設業の給与平均は月給にして36.9万円*。平均年収に換算すると550.7万円*です。

この記事では建設業の給与平均について、企業規模別、男女別、都道府県別、年齢別に給与平均のデータを確認しつつ、他業種との比較やボーナス平均額などもご紹介し、より実態に即したデータをお伝えしていきます。

自分の給料が平均と比べてどうか、様々な角度から確認してみてください。

*データの計算方法:令和2年賃金構造基本統計調査より、「きまって支給する現金給与額」と「年間賞与その他特別給与額」から計算して算出。(データは企業規模別5~9人、10~99人、100~999人、1,000人以上の4データを平均して算出)小数点第二位以下は四捨五入して表記。

*本記事でご紹介している給与平均はすべて、基本給のほか職務手当・精皆勤手当・家族手当および時間外勤務・休日出勤等超過労働給与を含んだ金額で算出しています。

給与平均はどう算出されているか

冒頭で紹介した建設業の給与平均550.7万円について、自分の給料や知人・友人のお給料と比較しどのような感想を抱いたでしょうか。

このデータは従業員数5人~9人の小規模企業から従業員数1,000人以上の大企業まですべて含めた平均ですので、自分の給料が平均と比べてどうであるかを考えるのであれば、もう少し細かく分けて集計したデータも覗いてみることをおすすめします。

企業規模別建設業の給与平均・賞与平均

では、建設業を企業規模別に分けた給与平均・賞与平均を確認してみましょう。

【建設業の企業規模別給与平均と賞与平均額】

A.月給平均(万円)B.年間ボーナス平均(万円)C.平均年収(A×12ヶ月+B)
5人~9人31.543.1420.8
10人~99人32.762.4454.2
100人~999人37.0133.0576.2
1000人以上46.4194.7751.6
全規模平均36.9108.2550.7

企業規模別のデータを見ると、5人~9人規模の企業の平均年収が420.8万円なのに対し、1,000人以上の規模の企業の平均年収は751.6万円と、同じ建設業というくくりでも300万円以上も開きがあることが分かります。

冒頭の建設業の給与平均550.7万円は、従業員数1,000人以上の企業がかなり平均を押し上げていることがわかり、先ほどまでとはまた違った見え方になりますね。

男女別建設業の給与平均

次は、さらに細かく、建設業を男女別に分けた給与平均・賞与平均を確認してみましょう。

【男性版/建設業の会社規模別給与平均】

A.月給平均(万円)B.年間ボーナス平均(万円)C.平均年収(A×12ヶ月+B)
5人~9人32.744.3436.9
10人~99人33.863.9469.6
100人~999人38.6139.6602.5
1000人以上48.6204.7787.6
全規模平均38.4113.1574.2

建設業で働く男性全体の平均年収は574.2万円です。

次に、女性のデータです。女性のデータには男性の同データとの比較を加え、男女で給与平均にどの程度の差があるかを表の右端に追記しています。

女性版/建設業の会社規模別給与平均】

A.月給平均(万円)B.年間ボーナス平均(万円)C.平均年収(A×12ヶ月+B)D.平均年収の男性比較
5人~9人24.135.8325.574.5%
10人~99人24.451.9344.373.3%
100人~999人27.390.4417.569.3%
1000人以上31.4125.4502.263.8%
全規模平均26.875.9397.470.2%

建設業で働く女性全体の平均年収は397.4万円です。

男女別の比較では、女性の給与平均は男性の給与平均の70.2%ですので、およそ3割ほど女性の方が給与平均が低いということが分かります。

女性の給与が低い要因は、事務職など技能職に比べ給与が低い職に就く女性の割合が多いことや結婚・出産による早期退職が考えられます。

また、男性との給与の格差は、従業員規模が小さい会社ほど格差が大きく、従業員規模が大きい会社ほど格差が少ないことがデータからわかります。規模の大きな企業ほど性別での格差が少なくなる要因として考えられることは、女性が長期で勤続しやすい土台が整っていることやキャリアプランがしっかりと示されていることなどが影響しているのではないでしょうか。

建設業の給与平均は他業界に比べて高い?

次は建設業の給与平均と国内の全業種の給与平均の比較です。

【建設業と国内全業種の給与平均比較】

A.月給平均(万円)B.年間ボーナス平均(万円)C.平均年収(A×12ヶ月+B)
建設業*36.4104.1540.3
全業種平均*33.190.6487.2
全業種との給与平均比較(万円)+3.3+13.5+53.0

*建設業・全業種平均ともに従業員が10人以上のデータで比較。

国内のすべての業種の給与平均と比較すると、建設業は給与平均、賞与平均ともに給与が高い業界であると言うことができます。

いくつかの業種をピックアップして、建設業と比較してみました。

【建設業と主要な産業の給与平均比較】

A.月給平均(万円)B.年間ボーナス平均(万円)C.平均年収(A×12ヶ月+B)
建設業*36.4104.1540.3
製造業*32.3103.6491.7
運輸業,郵便業*32.464.0452.3
金融業,保険業*39.9134.6612.8
宿泊業,飲食サービス業*26.635.3354.9

*全業種ともに従業員が10人以上のデータで比較。

身近な業界と比較してどうでしょうか。建設業界のことだけなく、他の業界の給与平均を知っておくことも、職業を選択するうえで大切なことですね。

都道府県別、建設業の給与平均

ここまで従業員規模別・男女別と建設業のデータを細かく分けてみてきましたが、働く都道府県によっても給与に大きく差が出ています。

建設業の給与平均を、地域ごとに見てみましょう。

【地域別/建設業の平均年収(万円)*】

北海道東北関東※参考
首都3県
中部関西中国四国九州・沖縄
453.3425.6547.9603.1510.4528.0501.3449.4427.1

*全エリアとも従業員が10人以上のデータで集計。

各地域区分の中で建設業の給与平均が最も高いのは関東エリアです。首都圏の給与平均が高いため、平均で見ても一番高いという結果です。

なお、各都道府県ごとの建設業の給与平均とボーナス平均は以下の図でご確認ください。

【都道府県別/建設業の平均年収*】

A.月給平均(万円)B.年間ボーナス平均(万円)C.年収平均(A×12ヶ月+B)
北海道31.278.4453.3
青森28.761.9406.8
岩手28.465.3406.6
宮城33.784.1488.8
秋田28.364.1404.2
山形28.160.7397.7
福島31.967.0449.5
茨城33.884.5490.2
栃木32.653.9445.4
群馬33.782.9487.5
埼玉36.575.8513.3
千葉42.4119.0627.8
東京41.8162.3663.4
神奈川41.5110.1607.9
新潟30.468.3432.7
富山35.5100.5526.8
石川33.089.4485.7
福井32.684.8476.1
山梨36.6112.6551.5
長野34.580.3494.0
岐阜35.479.4504.2
静岡35.775.1503.4
愛知39.6143.6619.3
三重35.590.7516.8
滋賀33.178.6476.1
京都33.287.0485.8
大阪41.8132.0633.5
兵庫36.4102.2538.6
奈良39.299.0569.7
和歌山34.264.7475.3
鳥取31.3138.5513.9
島根28.663.1406.2
岡山34.5110.1524.2
広島37.9106.0560.7
山口33.1104.8501.7
徳島30.999.0469.6
香川31.876.0457.1
愛媛29.660.3415.0
高知30.985.6456.1
福岡35.4105.1530.0
佐賀27.661.4392.4
長崎28.266.0403.8
熊本30.069.2429.5
大分29.161.2410.1
宮崎27.477.1405.5
鹿児島31.362.0437.1
沖縄30.838.5408.2

*全都道府県従業員が10人以上のデータで集計。

各都道府県のうち最も給与平均が高いのは東京都で663.4万円。最も給与平均が低いのは佐賀県で392.4万円と、地域によって最大270万円の開きが出ていることがわかります。

建設業の給与平均が600万円を超えているのは東京都、千葉県、神奈川県と愛知県、大阪府の5地域です。5地域ともに栄えた都市であることが特徴ですが、首都圏や都市部には大企業が集中することや物価と連動して賃金が上昇していることなどが給与平均が高くなる要因として考えられます。

年齢別建設業の給与平均

最後に、建設業の給与平均を年齢ごとに集計したデータをご覧ください。

【年齢別/建設業の給与平均】

A.月給平均(万円)B.年間ボーナス平均(万円)C.平均年収(A×12ヶ月+B)
  ~19歳20.810.5260.4
20~24歳25.546.3352.7
25~29歳29.784.5440.7
30~34歳32.895.2488.3
35~39歳36.2101.5535.6
40~44歳38.7118.3583.0
45~49歳42.1139.7645.1
50~54歳42.7138.4650.9
55~59歳42.7136.2648.4
60~64歳36.183.6516.9
65~69歳30.448.7413.4
70歳~26.738.9359.0

*全年齢従業員が10人以上のデータで集計。

建設業の給与平均は、10代が最も低く平均年収は260.4万円最も高いのは50~54歳で平均年収は650.9万円です。

54歳以降は歳を取るにつれ平均年収が下降していきます。

これから先お給料が上がっていくのか気になる10代・20代・30代の若手の方には特に、今後の自分の年収を予想する一つの指標にもなるデータと言えるでしょう。

給与平均を知ることで社員/自身の価値を知る

もし、この記事をご覧になっているのが経営者様であれば、自社の規模や所在地に合わせた平均を知ることで、より適切な給与評価を行うことができます。

また、労働者側であれば自分が実力に見合う賃金をもらっているかを判断するひとつの指標になるでしょう。

給与平均を一つの軸として、自社/ご自身のお給料についてお考え下さい。

参考資料

令和2年賃金構造基本統計調査

□■採用のお悩みを解決したい方は、工事士.comへ■□

◆ 関連記事をチェック!

コメント

タイトルとURLをコピーしました