「後継者難倒産」が深刻…建設業はワースト1位

会社づくり

建設業でも多い「後継者難倒産」

後継者難倒産」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。

「倒産」というと一般的には売り上げが上がらず、金銭的に苦しい…というイメージを抱きがちですが、水面下で深刻化しているのがこの後継者難倒産。

これは、後継者不足という人材面の理由により、やむを得ず倒産を選ぶことを指します。

この記事では、国内全産業、また建設業の人手不足倒産問題について、データをもとに考えていきます。

後継者難倒産は全産業で408件

画像出典:帝国データバンク

後継者不足による倒産は増加傾向にあり、最新データである2022年では、1月~10月までの期間で408件と、過去最高クラスの水準で推移しています。

後継者難倒産は、代表者の病気や死亡により事業継続がままならないケースが多いですが、近年ではコロナ禍で自社事業の先行きを見据え、事業を自分の代でたたむ決断をくだすケースもあります。

また、後継者の経営手腕・資質を当代社長が認めない、先代からの従業員や取引先との意思疎通が円滑に引き継がれないといった理由で、承継後早期に経営が行き詰まった企業も存在します。

建設業は後継者不在率63.4%でワースト1位

画像出典:帝国データバンク

産業別に見た後継者不在率では、全国平均が57.2%に対し建設業は63.4%。他産業と比較しても最も高く、建設業は最も後継者が決まっていない業界ということになります。

ただし、2016年~2020年では建設業の後継者不在率は70%を超えていたことから、改善の傾向もみられています。

全国的に見ても後継者の不在率は改善の傾向がみられ、2016年から2021年の6年間60%台を推移していた後継者の不在率が、2022年では50%台にまで改善しています。

後継者を見つけて存属するか、自分の代で廃業か

このような状況下で、多くの社長が会社の今後について悩んでいます。

自分の代で廃業というのも一つの考えではありますが、会社の歴史や従業員のことを考えると、やはり「会社を残したい」と考える方が多いのではないでしょうか。

後継者は親族以外へ


事業承継について、経営者との関係性ごとに割合をまとめた表を見てみると、2022年では「同族継承」が34.0%で最も高いものの、「内部昇格」も33.9%とほぼ同族継承と同じ割合に達していることがわかります。

2018年からの推移では、「同族継承」は下降傾向にあるのに対し、「内部昇格」「M&Aほか」の割合は増加しています。

事業承継は脱ファミリーの動きが鮮明となっており、第三者承継は自社社員かM&Aなど他社との吸収・合併によるものに二極化しています

息子や娘に後継者を任せる時代は終了?

会社の存続を願う場合、「自分の息子が継いでくれたら…」と親族に継がせることをお考えの方も多いかと思いますが、そのような事業継承は年々減っています。

したがって、会社の存続を願うのであれば、親族以外に会社を継いでもらうことを考え、内部での人材育成または他社との合併等の方法も検討しなければなりません。

まだまだ現役!と思えるうちに、会社の今後を考えておく必要があります。

参考資料

帝国データバンク:後継者不在率、初の 60%割れ~ 後継候補「非同族」が初のトップ、事業承継は「脱ファミリー」化が加速 ~

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