「辞めたい」と言われた時の対応集【慰留・時期相談・円満退職】

会社づくり

退職を相談されたら

社員から退職の相談を持ちかけられた時、どのように対応しているでしょうか。

「そうか、わかった」と意志を尊重する場合も「もう少し頑張ってみないか」と引きとめる場合も、とにかく避けたいのはその後のトラブル。

今の時代、退職相談を穏便に対処できなければ元社員からネットの口コミに悪い評判を書かれてしまったり、職人のツテで噂が広まって新しい人材がはいらなくなる…というような事態になりかねません。

社員に「辞めたい」と言われた時の、引きとめ方やスマートな話の進め方はぜひ知っておきたいところです。

初動が肝心!まずは受け止める

まず、必ず実施して頂きたいことがあります。

それは「退職の相談をされたら、その場の感情で話さない」ということです。

相談されるのは直接の場合やメールの場合など様々なケースが考えられますが、どんな手段にしろNGなのは、その場で「辞めてしまえ!」と感情に任せた返事をしてしまうことです。

社員も悩んだ上で相談してくるのですから、まずはその意思を受け止めることが必要です。

その場では一旦退職の意志を受け止め、別の日に改めて話を聞くようにしましょう。

◆ 模範回答:気持ちは分かった。詳しく話を聞きたいから、明後日の仕事終わりに話さない?

話を聞く場の設定

次のステップは、社員が「会社を辞めたい」と思っている理由を聞くことです。

個別に話ができる場所を選んで、話を聞きましょう。

この時、相談を持ちかけられた人と辞めたい社員が1対1で話すようにして下さい。

引きとめたいからといって別の社員を呼ぶと「相談をバラされてしまった」と思われてしまい逆効果です。

場所は、落ち着いて話せる所であれは社内でも社外でも構いません。

事務所が小さく、事務所で話すと他の社員に知られてしまう場合は社外の方がいいでしょう。

辞めたいと相談してきた社員に確認の上、場所を決めて下さい。

◆ 模範解答:事務所だと他の社員に聞こえてしまうかもしれないから、駅前の喫茶店で話すのはどうかな?

社員はなぜ辞めたいのか尋ねる

個別に話せる場所に着いたらいよいよ社員に話をききます。

まずは「なぜ辞めたいと思ったのか」ということを聞きましょう。

緊迫した雰囲気にせず穏やかなトーンで話し、社員のホンネを引き出すことを心掛けて下さい。

社員から出る話に「それは違う」と思うことがあっても、さえぎらずに最後まで話をききましょう

◆ ポイント:退職理由はホンネじゃないかも

社員から出た話が必ずしも本当に辞めたい理由とは限りません。ホンネと言うのは話しにくいものです。もしも退職理由に釈然としないところがあったら「他に会社のことや上司のことで困ったことはなかった?」「待遇に不満はなかった?」と質問し、どこに本当の退職理由があるのかを探ることが必要になります。

会社の状況別・話のすすめかた

辞めたい社員に向けて、会社がとりたいアクションはおよそ3つかと思います。

慰留(引きとめること)」か、「時期の相談」か、「承諾」のどれかです。

相談者が人事に対する決定権をもっている場合は、3つのうちどの方向性で進めるかを判断してこの後の話を進めましょう。

相談者が人事の決定権を持っていない場合は、辞めたい社員から聞いた退職理由を持ち帰り、人事担当者や代表に相談しましょう。

慰留(引きとめ)の場合

「辞めたい」という社員と「まだ居て欲しい」という会社で意見が分かれているので、最も慎重に話を進めなければいけないパターンです。

慰留を行う際のポイントは「社員が辞めたいと思った原因を早急に解消すること」です。

「聞き出した退職の原因を解消するから、もう少し一緒に頑張ってみないか」と、退職を考えている社員の味方になる姿勢を示して下さい。

無理な引きとめは逆効果です。もう少し頑張ってもらうためにどうしたらいいかを考え、提案しましょう。

◆ 模範解答1:人間関係を理由に辞める社員を慰留する場合

「先ほど話していた『上司の△△さんと合わない』という点については会社も充分に配慮する。今の現場は来月終わるよね?そしたら次からは△△さんとは別の班になるように調整するよ」

◆ 模範解答2:残業が多すぎるという社員を慰留する場合

「現場に負担をかけていて申し訳なかった。実はいま人員を増やして、少しでも社員の負担を解消しようとは思っているんだ。早急に現場を増員できるように調整してみる。残業が減れば、もう少しがんばってくれそうかな?」

時期の相談をしたい場合

辞めることは承諾しつつも、会社の都合で「○月まではいて欲しい」とお願いするパターンです。

まずは社員の希望の退職時期を確認し、それよりも長くいてもらいたい場合は理由と合わせて「何月まで働いて欲しいか」を伝えましょう。

◆ 模範解答1:わかった。でも、今担当してもらっている現場は●●さん主導で進めてもらっていたから、できればあの現場が終わるまで頑張ってもらいたい。○月まで働いてもらうことはできないかな?

◆ 模範解答2:●●さんにはたくさんの仕事を引き受けてもらっていたから引き継ぎをお願いしたい。それそれの案件で後任を決めて時間をとるから、あと2ヶ月頑張ってもらえないかな?

承諾の場合

辞めることを受け入れるパターンです。退職時期について社員の希望を確認しましょう。

就業規定を確認し「退職は1ヶ月前までに連絡すること」などと記載がある場合は規定に沿った提案をするのがベストです。

退職が決まっても、どうせ辞めるからと言ってその社員をぞんざいに扱うのはNGです。

転職サイトに会社のクチコミを書かれることも多い時代ですから、丁寧に対応しましょう。

◆ 模範解答:わかった。就業規定では退職は1ヶ月前までに連絡してもらうことになってるから、1ヶ月後の○日まで頑張ってもらう形でもいいかな?引き継ぎについては後日相談しよう。

退職は穏便に

突然の退職相談。残される側としては「なんでこんな時期に!?」と正直腹を立ててしまうような場面もあるかと思います。

しかし、円満退職だったかそうでないかで辞めていった社員の会社に対する印象は大きく変わります。

狭い業界。元社員といつか現場でばったり会う可能性もゼロではありません。できる限り穏便に対処し、会社の評判を守りましょう。

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