ツイートひとつで取引停止も…SNS教育は万全ですか?

会社づくり

本当にあった、情報漏えいの怖い話

2017年ごろの事例です。とある施工業者が住宅の工事を行っていました。そこで、作業員の1人が撮影したお客様宅の外観を知らないうちにツイッターにアップしていたのです。後々、それが発覚し「情報漏えい」だと大問題に。建築会社から今後の取引停止処分を下される…ということがありました。

投稿1つが会社経営を揺るがす、SNS時代。もはやSNSに関する教育とルール設定は必須と言えるでしょう。本記事では、SNSに関する基礎知識の紹介と、危険がともなう現場での例を交えながら、これからの時代に沿った「工事現場でのSNS教育」について考えていきます。

スマホが苦手な人のためのSNS入門

ツイッター、フェイスブック、インスタグラム…インターネットを利用したさまざまなサービスが普及し、スマホ1台あれば世界中と繋がる時代になりました。

「若い人のやってることはよくわからない…」という方もいらっしゃるかと思いますので、ここで一度、SNSの基本的なサービスについておさらいしてみましょう。 「自分はバリバリ使いこなしてるよ!」という方は、この項目はスキップしてください!

そもそも、SNSって?

SNSとは、Social Networking Service(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の略称です。インターネットを通じて、知人あるいは全く知らない人と繋がり、交流を楽しむサービスです。

SNSにはどんな種類があるの?

代表的なSNSを4つご紹介します。

◆ LINE(ライン)

指定した相手とメッセージのやりとりや通話ができるサービスです。撮影した写真や動画を送ることもできます。今までは電子メールで行われていたやりとりを、今ではラインで済ますという方も多いです。

◆Facebook(フェイスブック)

最近の出来事や写真などを自由に投稿できるサービスです。 フェイスブックを利用している他のユーザーの投稿を見ることもでき、コメントやリアクションをすることで交流が楽しめます。実名での登録が原則のため、もともとの知人や友人と交流することが多いです。

◆ Twitter(ツイッター)

短い文章や写真などを自由に投稿し、共有するサービスです。ラインは指定した相手にのみ情報を送りますが、ツイッターの場合は、基本的にインターネットを利用する全ての人が投稿した情報を見ることができます。フェイスブックとの違いは、匿名性が高いことです。好きなニックネームを付けて発信ができるので、知り合い以外にも趣味が合いそうな利用者を探して交流することができます。投稿のことは「ツイートする」と言います。前項に書いた取引停止処分が発生した事件では、この「ツイート」にお客様の画像をつけたことが問題となってしまいました。

◆ Instagram (インスタグラム)

画像の投稿に特化したサービスで、撮影した写真を共有して楽しみます。近年では「インスタ映え」という言葉も生まれるほどにブームを巻きおこし、インスタグラムにおしゃれな写真を投稿したいという思いから、流行りの場所に出かける若者もいます。

SNSを楽しみ、ビジネスを守るために

SNSを利用することで多くの楽しみが生まれます。しかし、インターネットに投稿した情報は仲間以外の人も見る可能性があるということをしっかりと認識したうえで利用しなければいけません。特に仕事に関わる情報が発信されてしまうと、情報漏えいが起こってしまう危険性もあります。経営者としては、引き受けた仕事の情報厳守を徹底するため、社員に対してSNSに関する教育の実施と、一定のルールの設定をしておくべきでしょう。

あれも危ない!現場での情報漏えいリスク

では、実際にどのような行為が情報漏えいの原因になってしまうのでしょうか?現場での例を交えながら、考えていきたいと思います。

◆ ケース1:施工写真の撮影は新人の役目。「自分の携帯のカメラで撮って、職長にメールで送っておいて!」と指示した。

×ここが危ない施工写真には、現場を特定する情報が多く含まれています。万が一、新人さんが個人SNSに投稿すると、情報漏えいに発展してしまいます。

これで解決!:できれば個人の携帯で撮影することはせず、写真撮影用の携帯やカメラを会社で用意するのがいいでしょう。そうは言っても台数が足りない!という場合は、撮影した写真を会社PCなどに保存したあと、個人の携帯からはデータを消去するように指示を出しておくのが無難です。

◆ ケース2:今日工事をするのは、実は有名人の家。いったいどんな家なんだろうと社内でも話題はもちきり…

×ここが危ない:「有名人の家を手掛けた」「今日の現場、こんな変わった造りだった」など話題性のあることはSNSに書きたくなるのが人間の心理です。SNSにお客様の情報を書き込んでしまい、そのことがお客様や協力会社に知れてしまっては、会社の評判は地に落ちてしまいます。

これで解決!:「現場で知ったお客様の情報や写真は、インターネットに投稿しない」というルールをしっかりと共有してください。口頭での注意だけでなく、マニュアルの配布や社内の目立つ場所への掲示など、目につくところでいつでも注意喚起できるようにしておくとより効果的です。

◆ ケース3:SNSに対する注意はしっかり共有した。もうすぐ休憩だしみんなの分の飲み物を買ってこよう。「ちょっと俺の分の荷物見といて!」と荷物番を任せた。

×ここが危ない:SNSへの投稿へ注意喚起をするのはもちろん大事ですが、携帯やパソコンなどの通信機器自体の管理にも気をつけなくてはなりません。情報のつまった機器が盗難・紛失の被害にあうと、重大な情報漏えいに繋がります。

これで解決!: 通信機器は肌身離さず持ち歩き、置き忘れのないように注意しましょう。作業車や荷物置き場に置く場合は、盗難のおそれがないようにきちんと鍵をかけて下さい。また通信機器にはパスワードを設定し、万が一他人の手に渡っても、操作ができないようにしておきましょう。

ルール制定に役立つ!セキュリティガイドライン

一般社団法人日本建設業連合会では、「建設現場におけるスマートデバイス利用に関するセキュリティガイドライン」を発行しています。このガイドラインには、スマホやパソコンなどの通信機器からの情報漏えいを防ぐため、制定するルールの例や取り組み例が細かく記載されています。 また、作業員の方、協力会社の方に情報漏えい事故防止を呼び掛ける簡易的なパンフレットも上記リンクからダウンロードできるので、自社でもすぐに役立てることができます!

まとめ: SNSに関する教育・ルール決めをして、情報漏えいを防ぎましょう

SNSに現場の情報漏えいのリスクがあるからと言って、「ウチの会社は、SNSの利用は全面禁止!」といっても従う人はいないでしょう。ルールを決めて、情報漏えいが起こらないよう、正しい利用をしてもらうことが大切です。今回紹介した例やガイドラインも参考にして、ぜひ一度社内でSNSの利用ルールに関するお話をしてみて下さい!

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