ここがおかしい建設業界!業界人の不満を調査

会社づくり

建設業界はおかしいと思う業界人多数

インターネットで建設業界について検索すると、「建設業界はおかしい!」という意見がたくさん見つかります。

建設業界は人材不足が深刻であり、働く人たちが抱える業界への不満を知っておかなければ会社に人は集まりません。そこで建設魂では「建設業界のおかしいと思うところ」のアンケート調査を行いました。

「建設業界はおかしい」と思う理由

インスタグラムにて、建設業界で働く方に「建設業界のおかしいと思うこと」について自由に投稿していただくアンケートを実施しました。アンケートで見えてきた、建設業界がおかしいと思う理由をご紹介します。

※ いただいた回答を参考に、文章は一部編集を加えています。

職種で上下関係があるのがおかしい

・昔から電気の立場が弱い。すべてを網羅して把握しているのは電気なのに

・電気屋は建築の一番下に見られているのがおかしい

・電気がなかったら仕事ができないのに電気屋へのあたりが強い

建設魂は電気工事業界で働く読者が多いため、このような意見は他にも多数寄せられました。

モノづくりという一つの目的で協力していく立場にも関わらず、特定の職種の立場が弱く働きにくい実情は「建設業界はおかしい」と言われる理由の一つでしょう。施工に関係ない場面で「なんとなくそういうものだから」という理由で特定の職種を不利な条件で働かせたり、特定の職種を優先するようなことは、明確に業界が抱える問題であると言えます。

施主に交渉できない風潮がおかしい

・どんな状態、状況になっても絶対に工期内に終わらせろという暗黙のルールがある

悪天候や欠員、材料の納期の遅れなどどうにもならない状況があったとしても、「工期は絶対」という前提で動くため職人に負担がかかる状況があります。他業界では納品が間に合わないため納期を遅らせてもらう交渉をすることもありますが、建設業界ではほとんどの場合工期は絶対と考え、施主との交渉すら行われない場合が多いです。

・材料費が高くなるのに施工費用は高くならないのがおかしい

原材料価格の高騰は近年の深刻な問題です。2022年8月の調査では、工事原価が上がったにも関わらず値上がりを一部自社負担していると回答した工務店は47%にも上っています

原価の値上がりを見積価格・工事価格に転嫁できない理由として最も多いのが「すでに見積書を提出していた」で、価格に転嫁できない理由の76%を占めています。値上がり以前に見積書を提出している場合、「今更お客さんに値上げを要求できない」といった事情から、値上がり分を自社で負担する工務店が多く存在しています。

また、「同業他社との競争があるため」と回答した工務店も3割近くいます。値上げをせず自社で負担する工務店が存在すると周囲の工務店も値上げに踏み切れず、結果工務店全体が利益を出すことが難しい状況になってしまいます。

労働環境がおかしい

・日当がずっと安いまま

・休みが少ない

・職人に偉そうにする監督が存在する

「昔に比べたら建設業界はクリーンになった」という意見を聞くことも増えましたが、未だ労働環境の改善が見られない企業が存在することも事実です。一昔前は当たり前だったことも、今では改善している企業が多いですから昔のまま変わらない企業は不満が続出し、存続が厳しくなるでしょう。

間違った常識が現存していることがおかしい

・振り込み手数料が相手持ち

元請けが下請けに振り込み手数料を負担させることは、下請法の第4条1項3号で禁止されている行為です。これは、発注前に書面で合意がない場合はもちろん、発注前に振込手数料を下請事業者が負担する旨の書面での合意がある場合であっても、親事業者が負担した実費の範囲を超えた額を当該手数料として差し引いて下請代金を支払うと、下請代金の減額に該当することになります

なお下請法についての詳しい解説は公正取引委員会の解説をご覧ください。

・提出する用紙の記入欄が男性が書く前提のつくりになっている(例えば緊急連絡先の間柄をチェックする欄に「妻」はあるが「夫」はないなど)

現場職は現在でも男性が多い職業ですが、最近では女性職人の活躍も目立ちます。アンケートの回答にある用紙の記入問題を大したことでないように思う方もいるかもしれませんが、労働者が「自分はこの職場で異質である」と感じてしまうことは業界を離れる理由につながり、雇用が促進されない原因となりかねません。ここでの問題は女性が働く前提がないことですが、同じように若者が疎外感を感じたり、高齢者が疎外感を感じたりと、属性によって働きにくさのある職場では「この業界はおかしい」という不満が出てくるでしょう。

用紙の記入欄であれば、フォーマットを修正することは簡単です。職場の書類が誰かにとって書きにくい内容になっていないか確認しなおしてみましょう。

「建設業界はおかしい」を脱却するために

「建設業界はおかしい」と思う人を減らすためには、意味のないルールを続けることや「昔からこうだったから」という考え方をやめ、新しい様式に変化していくことが必要です。

最近では「一昔前に比べたらマシになった」と言う声が内部から聞こえてくることも多い建設業界。これからも働きやすい業界へと変わっていくことはできるはずです。

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