増え続けるコロナ破たん
帝国データバンクは今月22日、新型コロナ関連の経営破たんに関する情報を更新。これまでの累計破たん件数は4,283件にのぼり、20ヶ月連続で100件以上の企業が破たんしていることを報じています。
業界別では飲食業に次いで建設業が2位。これまでに462件の建設業が破たんしたと発表されました。
1,000社に1社がコロナ破たんへ
破たん件数は増加し続けており、2020年の年間件数が843件に対し、2021年は1,718と2倍に増加しています。さらに、2022年も8月までに累計1,400件(前年同期比33.2%増)に達しています。
本集計の対象外となる負債1,000万円未満の小規模倒産も累計で210件判明しており、負債1,000万円未満を含めた新型コロナウイルス関連破たんは累計で4,283件。国内の企業数(358万9,333社、2016年総務省「経済センサス」)を基にした比率では、コロナ破たん率は0.119%で、1,000社に1社が破たんした計算となります。
建設業はコロナ破たんワースト2位
破たん最多は飲食業で641件。次いで建設業が462件、アパレル関連(製造、販売)が301件です。
このほか、飲食業などの不振に引きずられている飲食料品卸売業が179件、インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛が影響したホテル・旅館の宿泊業が149件と上位を占めています。
建設業破たんの理由は工事スケジュールの白紙化
建設業は飲食店や観光業のように、新型コロナによって直接的に客入りが減るわけではありませんが、飲食店・小売店の休業や倒産が増加し、工事が中止になる影響が大きく出ています。
他の産業が衰退すれば、別の産業も衰退する、まさに負の連鎖が起きています。飲食店や小売店の売り上げが落ち込んでいる限り、建設業の苦境も続くでしょう。
また新型コロナとは別に、ウッドショックによる資材の高騰・調達難の影響も出始めており、建設業はさらに苦しい状況に立たされてます。
小規模企業から先に消えてしまう
全国的に景気が悪くなると、資金の少ない小規模企業から倒産が増えていきます。
建設業は全体の95.9%が従業員20人以下の小規模企業であるとされています。そのため工事が中止になるとすぐに資金がショートしてしまう企業も多く、倒産が止められません。
小規模工務店は資金繰り心配
別団体の小規模工務店に対する調査では、原材料価格高騰のあおりを受け「年末まで状況変わらないと資金繰りが心配」と回答した工務店が60%いることも判明しています。すでに融資や特別貸付を受けて何とか経営を持続させている状態の企業も多くいることから、状況が変わらない限り今後も破たんの増加は加速していくことが見込まれます。
参考資料
東京商工リサーチ:コロナ破たん、20カ月連続の100件超え 累計は4283件に 「新型コロナウイルス」関連破たん【9月22日16:00 現在】
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