2023年の調査では、建設業の年間休日数は113日です。
この記事では、
などについて解説していきます。
建設業における休日数の推移と平均
建設業における休日数の推移や他業種との比較をまとめました。
建設業の休日数推移
建設業の休日数、有給取得日数の推移は下表の通りです。
調査年 | 2015 | 2017 | 2019 | 2021 | 2023 |
休日数(日) | 116.9 | 109.1 | 110.7 | 118.9 | 113.0 |
最新の調査である2023年のデータによると、建設業の平均休日数は113日です。
建設業の休日数は、過去7年間では大きな変動がなく、おおよそ年間110日前後で推移しています。
建設業の有給取得日数の推移
建設業の休日数、有給取得日数の推移は下表の通りです。
調査年 | 2015 | 2017 | 2019 | 2021 | 2023 |
休日数(日) | 116.9 | 109.1 | 110.7 | 118.9 | 113.0 |
有給取得日数(日) | 5.9 | 9.5 | 7.8 | 9.4 | 10.4 |
最新の調査である2023年のデータによると、建設業の平均有給取得日数は10.4日です。
過去7年で休日数が横ばいなのに対して、有給の取得日数は増加しています。
2019年の法改正で年5日の有給休暇の取得が義務化されたこともあり、建設業界でも有給休暇が取得しやすい環境になってきているといえます。
建設業界と他業界の休日数比較
建設業界と他業界の休日数を調査し、グラフにまとめました。
建設業の平均休日数は113.0日です。
全業種の平均は115.1日のため、建設業は、ほかの業種と比較すると休日数がやや少ない傾向にあります。
しかし、全業種平均との差はわずか2.1日。「建設業界では週休1日が当たり前」という時代があったことも考えると、建設業界の労働環境は良くなっているといえます。
休日113日の働き方イメージ
建設業の平均休日数は113日です。
働き方が具体的にイメージしやすいように、週休制のモデルと休日数をまとめました。
2024年の休日数 | |
日曜休み | 52日 |
土曜、日曜休み | 104日 |
土曜、日曜、祝日休み | 118日 |
2024年は、土曜・日曜・祝日の全てが休みの場合、年間で118日間の休みがあります。
「毎週土曜・日曜+祝日の休みがあり、繁忙期等に年間で5日ほどの休日出勤がある」という働き方が「建設業の平均休日数113日」に最も近いです。
建設業と週休2日制
建設業界では、週休2日制を推進する動きがあります。
週休2日制の導入状況やメリット・デメリットをまとめました。
週休2日制が推進された背景
建設業の週休2日制が推進されてきた背景には、2024年4月から始まった残業時間の条件規制に関する法律が関係しています。
法律の内容は、以下の通りです。
・残業時間は原則月45時間、年間360時間を上限とする
・特別条項付き36協定を結んでいる場合、残業時間は「複数月平均80時間、月100時間未満、年間720時間以内」といった上限が設けられる
・違反した場合、罰則が科される恐れがある
労働基準法では、1日8時間かつ1週間40時間以内と定められているため、この枠を超えた労働は残業扱いとなります。
残業時間が上限の月45時間を超えないよう、週休2日制を推進する動きが始まりました。
◆残業時間の条件規制についてもっと詳しく知りたい方は、【社労士監修】建設業の残業時間上限規制撤廃2024年から…改正内容をチェック!の記事もぜひご覧ください!
4週8閉所(週休2日制)の導入状況
建設業の週休2日制の導入状況を調査しました。
この項目では、週休2日と近い指標である4週8閉所*の調査データを取り扱います。
全体 | 建築 | 土木 | |
4週8閉所の実施率 | 49.4% | 35.6% | 62.6% |
日本建設業連合会の調査によると、建設業の4週8閉所の実施率は49.4%です。
実施率は建築と土木でやや開きがありますが、平均するとおよそ半分の作業所で4週8閉所(平均して1週間に2日の閉所)が実施されています。
*4週8閉所とは:4週間のうち、作業所の閉所が8日あること。平均して週2日閉所となるので、週休2日制と近い指標として考えることができます。
週休2日制のメリット
建設業における週休2日制導入のメリットは以下の通りです。
・人材の獲得がしやすくなる
・いわゆる3K(きつい・きたない・危険)のイメージが払しょくできる
・枠組みを設けることで生産性の向上が見込める
週休2日制の導入は、主に労働者にとってメリットが大きいです。
ですが、枠組みを意識することで現場の生産性が向上するなど、企業側にとってのメリットもあります。
週休2日制のデメリット
建設業における週休2日制導入のデメリットは以下の通りです。
・工期が遅れる要因となる
・日給制の労働者の場合は、収入が減る可能性がある
週休2日制の導入によって作業者の労働時間が減り、工期が遅れることは大きなデメリットです。
また、日給制で働く労働者にとっても、稼働日数が減り、収入が減少する可能性があります。
週休2日制よくある質問
建設業の週休2日制についてよくある質問をまとめました。
建設業界で週休2日は本当に可能なのか?
建設業界でも、週休2日制を達成する企業は増加傾向にあるため、可能であるといえます。
国土交通省のHPでは、週休2日工事の好事例集が数多くまとめられていますので、ぜひご覧ください。
週休2日制の義務化はいつ?
週休2日制は義務化されているわけではありません。
2024年4月から建設業界でも施行された残業時間の上限規制に関連して、週休2日制を推進する動きが始まりました。
週休2日を実施していない企業に罰則はある?
2024年9月現在では、週休2日未満の働き方をしている企業に罰則はありません。
ただし、残業時間の条件規制に関する法律で、残業時間は原則月45時間、年間360時間が上限として定められています。
まとめ
「休みがとれない業種」として名前の挙がることも多かった建設業。
しかし、最新の調査では、年間休日数は113日であり、「他の業界と同じくらい休める」と言えるまであと少しというところまで来ています。
建設業界の休日日数の平均を知り、自社の労働環境の改善に役立てましょう。
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