「建設業は休みがない」は本当?
建設業界というと、「3K(きつい、汚い、危険)」や「休みがない」といったイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、建設業界にも労働環境改善の動きはあり、昔に比べると働く環境は良くなっています。
この記事では建設業界の年間休日数、他業界と建設業界の休日数比較、また建設業界の有給取得日数とその推移を知ることができます。
建設業の平均休日数は113日
東京都が調査した中小企業の賃金事情(令和5年版)によると、建設業の平均休日数は年間で113.0日です。
すべての業種の平均は115.1日のため、建設業は、ほかの業種と比較すると休日数がやや少ない傾向にあります。
しかしながら、他業種との差は2.1日。「建設業界では週休1日が当たり前」という時代があったことも考えると、建設業界の労働環境は良くなっていると言えます。
113日の休日数は土日+祝日休みに近い
2024年の休日数 | |
日曜休み | 52日 |
土曜、日曜休み | 104日 |
土曜、日曜、祝日休み | 118日 |
2024年は、土曜・日曜・祝日の全てが休みの場合、年間で118日間の休みがあります。
よって、建設業の平均休日数113日という数字は、働き方の例を挙げると土日+祝日休みに近い数字です。
建設業の平均的な働き方は、毎週土曜・日曜と祝日の休みがあり、繁忙期等に年間で5日ほどの休日出勤があることをイメージすると近いです。
建設業の平均有給休暇取得日数は10.4日
建設業の平均有給取得日数は10.4日です。
すべての業種の平均は10.5日のため、建設業の有給取得状況はほかの業種と比較してもほぼ平均値と考えていいでしょう。
建設業の休日数、有給取得日数の推移
調査年 | 2015 | 2017 | 2019 | 2021 | 2023 |
休日数 | 116.9 | 109.1 | 110.7 | 118.9 | 113.0 |
有給取得日数 | 5.9 | 9.5 | 7.8 | 9.4 | 10.4 |
建設業の休日数、有給取得日数の推移は上図の通りです。
休日数に関しては2015年時点である程度働き方改革が進んでいたことがわかります。
注目すべきは、有給の取得日数の上昇です。2015年では平均有給取得日数が5.9日でしたが、最新の調査では10.4日と、大幅に上昇しています。
2019年の法改正で年5日の有給休暇の取得が義務化されたこともあり、建設業界でも有給休暇が取得しやすい環境になってきていると言えます。
業界の働き方は変化している
休みがとれない業種として名前の挙がることも多かった建設業。しかし、休日数は平均マイナス2日と、「他の業界と同じくらい休める」と言えるまであと少しというところまで来ました。
さらに、有給の取得日数は増えており、着実に業界の働きやすさは向上しています。
建設業界の平均を知り、自社の労働環境の改善に役立てましょう。
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