2022年建設業の冬の賞与(ボーナス)は平均96万円
東京都は、冬の賞与(ボーナス)支給額の速報値である「2022年年末一時金要求・妥結状況について(最終集計)(令和4年12月15日現在)」を公開しました。これは、東京都内の1,000労働組合を対象にした、2022年の年末一時金(冬のボーナス)に関する調査です。
集計の結果によると、東京都にある建設業の冬の賞与(ボーナス)支給額平均は969,079円です。
この金額について、自社では考えられないほど高い!と感じる方も多いでしょう。こちらの数字はあくまで東京都の建設業界全体の数字ですので、中小企業の実態とはズレがあります。
この記事では社員規模別に見た2022年建設業の冬の賞与(ボーナス)支給額、また直近4年での支給額推移をご紹介します。
*データについて:本記事で紹介している賞与(ボーナス)の平均は、データの集計社数を計算に加えた加重平均額をご紹介しています。
299人以下建設業は冬の賞与(ボーナス)60万円

会社の社員規模別に見た、2022年建設業の冬の賞与(ボーナス)一覧は以下の通りです。
【都内建設業 2022年冬の賞与(ボーナス)】※最終集計
社員数 | 支給額(円) | 調査件数 |
299人以下 | 606,536 | 2 |
300~999人 | 756,811 | 5 |
1,000人以上 | 986,977 | 13 |
全規模平均 | 969,079 | 20 |
(参考)全業界・全規模平均 | 779,789 | 473 |
299人以下の建設業の冬の賞与(ボーナス)平均は606,536円です。さらに、300~999人規模で756,811円、1,000人以上の規模で986,977円。全規模では969,079円という結果になりました。
参考に、建設業界以外の業界も含めた全業界の2022年冬の賞与(ボーナス)の平均額は779,789円です。
中間集計であることと、そもそもの調査件数が少ない故に実態を把握しきれているとは言えませんが、よくある大手企業だけの集計よりは中小企業の実態に沿ったデータと言えるのではないでしょうか。
2022年建設業の夏季賞与(ボーナス)は
前回、2022年の夏季賞与(ボーナス)については、すべての集計が終わり確定値が発表されています。
【都内建設業 2022年夏の賞与(ボーナス)】※確定値
社員数 | 支給額(円) | 調査件数 |
299人以下 | 600,317 | 5 |
300~999人 | 463,159 | 3 |
1,000人以上 | 1,205,424 | 11 |
全規模平均 | 1,149,557 | 19 |
(参考)全業界・全規模平均 | 763,283 | 448 |
2022年夏季賞与(ボーナス)では、299人以下の建設業の平均は600,317円です。さらに、300~999人規模で463,159円、1,000人以上の規模で1,205,424円。全規模では1,149,557円という結果になりました。
参考に、建設業界以外の業界も含めた全業界の2022年夏季賞与(ボーナス)の平均額は、763,283円です。
建設業は、夏のボーナス・冬のボーナスの両方で全業界の平均を上回っており、賞与(ボーナス)の額が高い業界であると言えます。しかし、社員1,000人以上の大きな企業が金額を押し上げているため、データを見る際は自社の規模のデータを参考にする注意が必要です。
建設業の2022年冬の賞与(ボーナス)平均は2.45ヶ月分

2022年冬の賞与(ボーナス)のデータを集計した建設業で働く人の平均年齢は37.9歳。平均給与(月給)は396,181円です。建設業全規模の賞与(ボーナス)額である969,079円を平均給与で割ると、冬の賞与(ボーナス)は月収の2.45ヶ月分が平均ということになります。
この数字も社員1,000人以上の会社が押し上げていることは否めませんが、あくまでひとつのデータとしてご参考ください。
【4年分】建設業の賞与(ボーナス)の金額推移
【建設業の賞与(ボーナス)推移】
2019年夏 | 2019年冬 | 2020年夏 | 2020年冬 | 2021年夏 | 2021年冬 | 2022年夏 | 2022年冬 | |
299人以下 | 547,370 | 531,339 | 543,554 | 482,876 | 588,686 | 623,755 | 600,317 | 606,536 |
300人~999人 | 712,984 | 778,661 | 300,000 | 782,043 | 1,055,184 | 719,922 | 463,159 | 756,811 |
1,000人以上 | 1,129,071 | 1,236,697 | 1,279,735 | 1,000,271 | 1,176,999 | 1,038,487 | 1,205,424 | 986,977 |
全規模平均 | 1,046,056 | 1,167,153 | 1,236,556 | 978,731 | 1,146,098 | 1,001,748 | 1,149,557 | 969,079 |
(参考)全業界・全規模平均 | 745,618 | 769,903 | 745,746 | 754,064 | 737,278 | 759,930 | 763,283 | 779,789 |
※ 2022年冬の賞与(ボーナス)は速報値を参照
2022年冬の賞与(ボーナス)は、全規模平均で見ると直近4年で最低額となりました。4年間、夏と冬あわせて計8回の支給のうち、6回の支給は100万円を超えていますが、2022年冬は969,079円と最低額です。しかし、全規模平均額を下げているのは従業員数1,000人以上の大企業の賞与(ボーナス)平均が下がったことが原因であり、299人以下の建設業では4年間で緩やかな上昇傾向が見られます。
2022年冬季は、企業規模によって明暗が分かれています。2022年夏季に比べ、企業規模が1,000人以上の企業は賞与額が大きく減少していますが、299人以下、300人~999人の企業は2022年夏季よりも賞与が増加しています。
賞与(ボーナス)は自社のできる範囲で決定を
依然として続く新型コロナウイルスの影響や資材の価格高騰など様々な影響があり、業績が落ち込んだ企業様の中には「ウチはボーナスを出すのが難しい…」というのが本音な企業もあるかもしれません。
このデータはあくまで建設業界を全体でとらえた参考値となります。賞与(ボーナス)の金額は自社にできる範囲で決定を行ってください。
参考データ
東京都: 2022年 夏季一時金要求・妥結状況について(最終集計) (令和4年7月21日現在) 東京都: 2022年年末一時金要求・妥結状況について(最終集計) (令和4年12月15日現在)◆ 関連記事をチェック!
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