工事現場のクレーム対応集…現場をスムーズに進めるために

会社づくり

避けては通れない、クレーム

この仕事をしていると、工事現場でのクレームは避けて通れないでしょう。

時には理不尽なクレームを受けることもありますよね。できる限りクレームは減らし、発生してしまったら穏便に対処したいところです。

そこで、クレームを起こさないための対応と起きてしまった時の対応をパターンごとにまとめました。

よくある工事のクレームパターン

工事をしていて発生するクレームは、大まかに言って4通りに分けることができます。

◆ 作業音や作業による、お客様からのクレーム

◆ 作業音や作業による、近隣住民からのクレーム

◆ 作業員の態度や、言動に関するクレーム

◆ 工事の仕上がりに対するクレーム

各クレームの防止方法・対処方法

では、上で分類した4パターンごとにクレームの防止方法と対処方法を解説していきます。

作業によるお客様からのクレーム

クレームの例…

工事の音がうるさい、作業が営業の妨げになる、エアコンが使えず暑い など

◆ 防止策

お客様とのやり取りでクレームを発生させないためには、事前に工事内容について共有しておくことが何よりも大切です。

お客様にとって多少不便なことも、事前に説明していた場合と説明していなかった場合では受ける印象が大きく違います。工事によって発生するクレームを想像し、先回りするように説明をしておきましょう。

また、お客様が近くにいる場合は事前説明のほかに、作業直前にもう一度説明することも有効です。「今からドリルを使うため少し音が出ます」など、一声かける手間を惜しまないことでクレームは防止できます。

◆ 対応策

万が一クレームが起きてしまった場合、「事前に説明していたか、していなかったか」で対応が変わります。

事前に説明していた場合は、作業内容についてもう一度丁寧に説明を行い、必要があればできる範囲で作業時間帯の変更やお客様の不満を解消する工夫を行いましょう。

まずはお客様が何に不満をもっているのかを聞き、相手の感情を受け止めたうえで、作業については事前説明にあったことと、できる限りの対応でお客様の負担を減らす姿勢を見せることが大切です

事前説明をしていなかった作業に対してクレームが入ってしまった場合は、まずは説明がなかったことを謝り、上記の対応の後お客様の許可を得たうえで作業を再開するようにしてください。

作業による近隣住民からのクレーム

クレームの例…

作業音がうるさい、工事を行うなんて聞いていなかった など

◆ 防止策

周囲に音が響くほどの大がかりな工事は、通常は現場監督が近隣に工事の事前説明を行うかと思います。その際、口頭だけでなく紙面で工事日程や作業時間についての共有を行うようにしましょう。特に騒音はトラブルになりやすいですので、何月何日の何時~何時は音の出る作業が発生しますと周知するようにしてください。

また、多少音が出る程度の場合も周囲に音に敏感な住民がいる場合はクレームにつながることがあります。お客様との打ち合わせの際、それとなく「もしお近くに音に敏感なお宅があれば、説明してきましょうか」と確認するのもひとつの方法です。

特に、乳幼児のいるお宅は騒音に敏感ですのでご注意ください.。

◆ 対応策

苦情が入ってしまった場合は、まずはご迷惑をおかけしてしまったことに対して謝り、相手の感情を受け止めたうえで「何時ごろのどの作業がクレームにつながったのか」を確認します。改善要請があれば、作業スケジュールを確認し作業工程の入れ替えを行うなどして対応しましょう。

作業員の態度や言動に関するクレーム

クレームの例…

作業員の態度が悪い、タバコのにおいが気になる など

◆ 防止策

社員の言葉遣いや態度について一度でもクレームが入ったことがあれば、社員研修として全社員にお客様との会話の仕方を教えたほうがいいでしょう。

新入社員や中途入社の社員には、社内でお客様役と作業員役に分かれてやりとりのロールプレイングをしておくと効果的です。そのような時間が取れない場合も、必ず研修中は先輩社員が付き添い、言葉使いに間違いがないか確認してからお客様対応を任せるようにしましょう

また、喫煙についてはルールが厳しくなって来ています。どこで喫煙したらいいかは事前にお客様と確認しておき、工事工程表などの書類にも「〇〇(場所)で適宜休憩を取らせていただきます」と記載をしておくようにしましょう。

※ 喫煙ルールについては以下の記事で詳しく解説しています。

◆ 対応策

万が一作業員の態度についてクレームが入ってしまった場合は、問題となった作業員一人にクレーム対応を任せてはいけません。第三者が仲介しなければ事態は悪化してしまいます。必ず問題となった作業員+上司の2名以上でお客様に事実確認と謝罪を行うようにしてください。

工事の仕上がりに対するクレーム

クレームの例…

照明の取り付けがイメージと違う、見積もりと料金が違う など

◆ 防止策

設備の取り付け工事の場合は、作業直前に「ここに取り付けていいですか」と再度確認を行うことでクレームはほぼなくすことができます。

またお金についての問題は、基本的には提示した見積もりと請求金額が違うことはあってはなりません。とはいえ、現地に行った結果見積もりよりも足が出ることもありえます。その場合は「こういった理由でこれだけの追加料金がかかりますがよろしいですかと、お客様に必ず説明してください。お客様の中でも、支払いに関して権限のある方の確認を得ることが大切です。

※ 例えば一般家庭の場合、その場にいる奥様が了承しても旦那様が「聞いていなかった」と支払いに応じないケースがありますので、奥様にその場で確認の電話をしていただくなどの対応が必要となります。

◆ 対応策

すでにやってしまった工事にクレームがつくのはとても厄介です。万が一「聞いていた話と違う」とクレームが発生してしまった場合は、事前に提示した書類の確認や説明をしたという事実確認を行い、根気強く説明してお客様に納得していただくことが必要となります。

「こちらの説明が漏れていた結果クレームにつながった」という場合はこちらに落ち度があるため、最悪工事のやり直しにもつながります。真摯に謝る以外に解決策がないですので、このような事態にならないよう事前の段取りをしっかり行いましょう

会社を守る3つの事前確認

これらのクレームすべてに共通して言えるのは、

事前の説明でクレームはかなり防げる

ということです。

事前の説明にも3通りあり、

◆ 工事工程表など、書類による作業内容の共有

◆ 事前打ち合わせによる口頭説明

◆ 作業直前の最終確認的な意味合いでの口頭説明

この3つがそろって、ようやく安心といったところです。

特に書類による説明は「説明した/してない」で揉めた際の強い味方になります。少々手間でも作成しておいたほうがいいでしょう。

まとめ

では、クレームを減らすために大切なことをまとめます。

◆ 自社の工事で想定されるクレームをパターンに当てはめ、適切な防止策をとる

◆ クレーム防止のために書類説明+事前説明+作業直前説明の3つの説明を大切に!

◆ 万が一発生してしまったクレームはまず受け止め、事前説明通りに行われていたかを確認。できる限りお客様に納得していただけるように説明する

以上となります。

クレームを防止し、スムーズに工事が進むようにしましょう!

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