「マイナスドライバーで逮捕」の衝撃
11月6日、石川県金沢市にある野球場の駐車場で車の中にマイナスドライバーを隠し持っていたとして、71歳の男が現行犯逮捕された―
衝撃的なニュースが飛び込んできました。
「それで逮捕されるなら電工は全員逮捕されるんじゃないの!?」と驚いた方もいるかもしれません。
結論から言うと、電気工事目的でマイナスドライバーを所持していても逮捕されることはありません。しかし、マイナスドライバーなど一部の工具は正当な理由なく携帯していることが法律で禁止されているのです。
一体、工具を取り締まる法律はどのように定められているのでしょうか?
どんな法律に違反したの?
マイナスドライバーを持っていた男は、どんな法律に違反したのでしょうか。
本件は「特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律」のうち、第4条にあたる「指定侵入工具の携帯の禁止」 に違反したとされています。
法律をチェック!
建物に侵入されることで起こる犯罪の防止を目的として定められた法律。「ピッキング防止法」という通称があり、正当な理由なくピッキングに使用可能な工具や器具の所持・携帯を禁止している。
上記の通り、この法律は建物への不法侵入に流用可能な工具の所持を取り締まるためのものです。
ここで重要なのが「“正当な理由なく”ピッキングに使用可能な工具や器具の所持・携帯を禁止している」という言葉で、電気工事など仕事に使うための所持はもちろん「正当な理由」とみなされます。
仕事帰りに作業車からマイナスドライバーが見つかったから逮捕!なんてことはないのでご安心ください!
どんな工具の所持が法に触れるの?
様々な工具の所持がこの法律で禁止されています。
◆ マイナスドライバー
次の2つの条件に両方とも該当するものが対象。
1. 先端部が平らで、その幅が0.5センチメートル以上である
2.長さが15cm以上である(専用の柄を取り付けることができるものは、柄を取り付けたときの長さで計測)
◆ ドリル
直径一センチメートル以上の刃が附属するもの
◆ バール
次の2つの条件に両方とも該当するものが対象。
1.作用する部分のいずれかの幅が2cm以上である
2.長さが24cm以上である
違反した際の罰則は?
「指定侵入工具の携帯の禁止」に違反した場合、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が課される可能性があります。
ただ、マイナスドライバーは電気工事から日曜大工、機械いじりまで広く使われ多くの人が所持している工具です。
そのため「正当性のある所持であるか否か」を精査した上で有罪・無罪を慎重に判断することが求められます。
まとめ
繰り返しますが、電気工事を目的としてマイナスドライバーを所持していたとしても逮捕されることはありません。
ですが、例えば「ポケットにドライバーを入れたまま町をフラフラしていたら職質にあった…」というようなことがあると少々ややこしい事態になるかもしれませんので、頭の片隅に置いておいてソンはない法律です。
以上、身近な工具に関する法律のご紹介でした!
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