求人・HPに応募が来ない!
人手が足りず、ホームページや求人サイトに求人を出してみる。
しかし、いくら待てども応募が入らない…。
採用担当さんの永遠の悩み、新規採用。
電気工事業・建設業は採用が非常に難しい業種。
そんな業種だからこそ、採用にはテクニックが必要なのです。
今回は、即時に取り入れることのできるテクニックのご紹介。
ホームページや求人に採用情報を記載する際の「社員インタビュー」の威力について、解説していきます。
社員インタビューとは
この記事でご紹介する、「社員インタビュー」とは、自社の社員に会社についてどう思っているかを聞き、それを採用サイトや求人に載せる手法のことを指します。
在籍している社員に入社を決めたきっかけや働いてみてどう思ったかをインタビューし、それを生の声として掲載します。

社員インタビューのメリット
社員インタビューを掲載するメリットは2つ。
情報をより信用してもらえることと、入社後のイメージをより具体的に持ってもらえることです。
◆ 情報の信用度を高める
人は情報を仕入れるとき、「どこの誰が言っていたか」という、情報の発信元がわかると、その情報をより信用するようになります。
例えば、求人に会社PRを書くときに、ただ「スキルアップする社員多数!」と書くよりも、「僕でもスキルが身につきました!(入社3年目・電気工事部・佐藤)」と、書く方が、情報の発信元が誰であるかがわかるため、信用度が高まるのです。
◆ 入社後のイメージをより具体的に持ってもらえる
社員インタビューを読んでいるとき、求職者はその情報を「その会社で働いた時の未来の自分像」としてイメージします。
入社の決め手や、入社してみてどうだったかを個人の体験談として紹介することで、入社を検討している求職者が自分が入社した後のイメージを具体的に描きやすくなるのです。

求職者が本当に知りたい情報って?
では、採用ページや求人に載せる社員インタビューで求職者の心を引き付けるのに効果的な情報を5つ紹介します。
入社のきっかけ
まず重要なのが入社のきっかけ。
求職者も、自分の先輩にあたる人がどんな動機でこの会社に入ったのか?というのは気になるところでしょう。
ここで最も大切なのは、求職者の応募のハードルを上げすぎないこと。
特別な理由は必要なく、ありふれた理由の方が共感を生みます。
◆ 社員へのインタビューのコツ
何人かの社員に「そういえば、ウチの会社に応募したきっかけって何?」と聞き取りをしたうえで、親しみやすい回答を掲載することがおすすめです。
できれば採用のターゲットにしている層と近い年代の社員にインタビューすると、求職者はより自分事としてエピソードを読むことができます。
◎ 応募の増える入社エピソード
・安定した仕事を探していたらハローワークの方に電気工事士の仕事を紹介され、未経験でも歓迎という文字を見て、応募しました。
・求人を見つけて、写真を見たら同じ世代の人もいて、雰囲気が優しそうだったので応募しました。
・結婚を考えている彼女がいて、手に職をつけて家族を養っていきたいと考え、応募しました。
→多くの求職者は、最初から熱意をもって応募するわけではありません。とりつくろわず、正直に書きましょう。
× 応募が減るかもしれない入社エピソード
・震災時にインフラの大切さを実感し、電気工事は大変社会的意義が高い仕事であると感じ、応募しました。
・この会社の◎◎という理念に共感して、応募しました。
→素晴らしい動機ですが、求職者からすると「たいした動機のない自分は入れないかも…」と思ってしまう可能性があります。

面接時のエピソード
少々裏ワザ的なテクニックになりますが、面接時のエピソードを入れるのもおすすめです。
一見、入社後のイメージを抱かせることには関係ないように思えますが、求職者に面接の雰囲気を開示しておくことによって、心構えができ、応募がしやすくなるのです。
◆ 社員へのインタビューのコツ
何人かの社員に「そういえばウチの面接ってどんなことを聞いたっけ?」「人事(社長)の◎◎さんの印象って覚えてる?」「面接で印象的だったことってある?」と聞き、社員の本音を掲載しましょう。
◎ 応募の増える面接エピソード
・面接で最初に社長に合った時は職人気質な人かな?と思ったけど、話してみるとやさしいおじいちゃんという感じで安心しました。
・面接は質問をされることは少なく雑談という感じで、生い立ちなどをお話しました。面接を担当してくれた社長はニコニコしていて、優しそうだなあという印象で話しやすかったです。
・面接の際は質問をたくさんしました。昇給、福利厚生、お休みのこともきちんと聞いておきたかったので。嫌な顔せず答えてくれたので安心しました。
→面接前、求職者は緊張します。安心して面接に来ることのできるエピソードとして面接担当の人柄や雰囲気を書いておくと安心して面接に臨めます。
また、求職者が気になっていることを質問しやすいようにオープンな雰囲気も打ち出せるとその後の内定承諾までスムーズに運びます。
入社当初のエピソード
先輩社員の入社当初のエピソードも、入社のきっかけと並び求職者が知りたい重要な情報と言えます。
苦労したことや失敗したことも含め、等身大の体験談を掲載することが情報の信頼性を高め、求職者の共感を生みます。
◆ 社員へのインタビューのコツ
インタビュー対象はターゲットと近い経歴を持った社員にしましょう。
未経験者を狙っているのであれば未経験者のエピソード、経験者を狙っているのであれば経験者のエピソードを載せることが大切です。
また未経験者をターゲットにする場合、一人前になるまでに苦労した社員の方が、より深みのあるエピソードを持っているかもしれません。
「一番キツかったのはどの時期?」「あの時がんばれたのはなぜ?」というような質問を展開し、苦労したことと・それを乗り越えることのできた理由が書けると求職者を引き付けるリアルなPRとなります。
◎ 応募の増える入社当初のエピソード
・未経験入社なので、最初は工具の名前も知らず苦労しました。でも歳の近い先輩が根気よく教えてくれて、この人に恩を返したいと思って頑張っていましたね。
・僕は勉強が苦手で、入社半年で第二種電気工事士の資格試験に挑戦したときは仕事と勉強でいっぱいいっぱいになってしまったこともありました。でもそれをみた先輩たちが休憩中に勉強を教えてくれたりして、無事資格を取ることができました。
→綺麗事だけでなく、素直に苦労した点も織り交ぜながら新入社員のサポート体制をPRしましょう。
× 応募が減るかもしれない入社エピソード
・仕事終わりに勉強をして、独学で◎◎の資格も取得しています。
・何度も怒られましたが、めげずに努力した結果一人前になることができました。
→周囲のサポートを感じることのできないエピソードは求職者を不安にさせてしまう可能性があるので避けた方が無難です。

現在の活躍
入社当初のエピソードとセットで紹介したいのが、現在の活躍。
この会社で経験を積んだらどうなれるのか、具体的に紹介することで求職者の期待が高まります。
◆ 社員へのインタビューのコツ
こちらは基本的に入社当初のエピソードとセットで語られるものですので、入社時のことを聞いたのと同じ社員にインタビューを行いましょう。
また、近い将来やりたいことがあれば同時に紹介するのもいいでしょう。
◎ 応募の増える現在の活躍エピソード
・入社して5年。工具の名前も知らなかった僕が、今では一人で現場を任されるようになりました。自分の力で現場を完成させ、お客さんから感謝の言葉をもらえたときは嬉しくなります。今後は未経験で入社した社員の教育もやっていきたいと思っています。
→現在の楽しいことややりがいのあることを聞き、明るいエピソードで締めくくるのが基本です。
番外編:会社の制度
魅力的な会社の制度は求人の応募条件で紹介する以外に、社員がその制度についてどう感じているかの口コミも紹介するとより信頼感が高まります。
求人票に書いてあることを求職者はすべて信用するわけではありません。
求人票の条件をきちんと記載することと、社員の口コミを載せることの合わせ技で情報の信頼度を高めます。
例1:休日が多いことをPRする
当社は年間休日110日。休みが少ないことが理由で当社に転職してきた社員からは「土日に休めるようになり子供との時間が増えました!」との声も聞いています!
例2:福利厚生をPRする
手厚い資格取得支援制度あり!昨年第二種電気工事士を受験した社員からは、「受験費用に加えテキスト代も会社が負担してくれたので助かりました」との声も上がっています!

社員インタビューのコツ
求職者が社員インタビューに求めているのは、リアルな体験談です。
どこにでもあるような言葉で綺麗に締めくくるのではなく、社員個人のホンネを飾らずに掲載することがカギとなります。
社員のホンネを引き出すためには、インタビューにもコツが要ります。
◆ インタビュアーの選定
インタビューは、受ける社員と信頼関係のある人が実施するのがいいでしょう。
あまり立場の離れた人には、社員もホンネを話しにくいものです。
◆ 会社の長所が引き出せるように、事前構想とインタビュー対象の選定を!
あらかじめ、社員インタビューとしてどんなことを載せたいかを考え、いい回答が期待できる社員にインタビューを実施するといいでしょう。
例えば新人育成をPRしたいなら手をかけて育てた社員にインタビューをすればいいですし、安定して働けることをPRしたいなら一番勤続年数が長い人にこの会社で働き続ける理由を聞けば、自然と良い回答が返ってくるはずです。
◆ 雰囲気は和やかに
まじめに聞くと、社員はまじめな回答を期待しているのだと感じ固くなってしまうので、ホンネを引き出すために雑談のような雰囲気で聞くことがおすすめです。

ホンネが支持される時代
たくさんの求人情報があふれる中で、人の心を引き付けるのはありふれた言葉ではなくリアルな体験談です。
ぜひ、自社で働く社員のホンネに着目し、採用活動に生かしてみてください。
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