第二種電気工事士の筆記試験に独学で合格したOLの勉強方法備忘録。
電気の知識ゼロのOL2名が第二種電気工事士を受験した結果、84点と92点を取り、無事筆記試験に合格することができました。
この記事ではこれから第二種電気工事士を受験する人向けに、
・勉強時間
など、筆記試験の実用的な勉強方法をできるだけ具体的に書いていきます。
これから第二種電気工事士の筆記試験を受験予定の方は、ぜひご覧ください!
◆ 技能試験の勉強方法について知りたい方は、OLでも独学で受かった!第二種電気工事士技能(実技)試験|コツやおすすめ工具も紹介の記事をご覧ください!
◆ 受験記を最初から読みたい方は過去の記事もご覧ください!
※ この記事は2020年受験時の内容をアップデートし、2024年現在受験を考えている人にも参考になるよう試験情報等は最新のものを掲載しています。
第二種電気工事士の筆記試験ってこんな感じ!
まず、第二種電気工事士の試験難易度や出題方式、合格ラインについて簡単にお伝えします。
「もう知ってるよ!」という方はこのページは飛ばして、勉強方法の紹介から読んでください!
第二種電気工事士は合格率も難易度も「そこそこ」の資格
第二種電気工事士は、筆記試験の合格率が例年60%程度、技能試験の合格率は60~70%程度の試験です。
筆記試験は1~2ヶ月の勉強でも受かります。一発で合格する人もそれなりにいるので、難易度は「そこそこ」の資格であると感じました。
※ 第二種電気工事士の合格率をまとめた記事もぜひご覧ください!
出題形式は4択マークシート 合格ラインは60点
第二種電気工事士の筆記試験はすべて4択のマークシート形式です。
問題は、全部で50問。100点満点中60点以上で合格できます。
※ 第二種電気工事士の出題傾向をまとめた記事もぜひご覧ください!
勉強方法の紹介!
第二種電気工事士の筆記試験を受験し、合格した私たちOL2名の勉強方法と結果をまとめたものがこちら。
・筆者:勉強時間40時間/テキスト・過去問・ウェブサイトで勉強→84点
・筆者の上司: 勉強時間30時間/テキスト・過去問・単語帳アプリ・Youtubeで勉強→92点
詳しい勉強方法は、次の項目から書いていきます!
勉強時間は30時間~40時間
私たちの勉強時間は、筆者が40時間、筆者の上司が30時間程度でした。
2人とも試験の3ヶ月前にテキストを購入して勉強を開始しましたが、最初の1~2ヶ月は週末など時間に余裕がある日のみ勉強をしていました。
毎日コツコツやりたい方は試験の2ヶ月ほど前から、集中して勉強したい方は1ヶ月ほど前から勉強を始めても十分合格できると思います。
2人とも電気に関しては予備知識ゼロでのスタートだったため、普段から電気工事に携わっている方や電気系の学科を出た方ならもう少し短い勉強時間でも合格できるかもしれません。
【超重要】電気工事士試験の配点と合格ライン
この項目でご紹介することは効率よく第二種電気工事士の筆記試験に合格するために超重要です!
ぜひ、ここだけでも覚えて帰ってください!
勉強する順番を工夫すべし!
第二種電気工事士の筆記試験はいくつかの科目に分かれていて、科目ごとに配点が決まっています。もし最短の勉強時間で合格したいのであれば、得点しやすい科目から優先的に勉強することが大切です。
テキストの順番は無視してもOK!
使うテキストによって、どの科目がテキストの最初に来るかは変わりますが、最初が理論(計算問題)となっているものも多いです。筆者のテキストもそうでした。
計算問題は文系の筆者には難しく「この試験私にはムリかも…」と不安になる要素でもありました。同じような方には、「難しい科目はいったんさらっと読み流して、得点できそうなところから優先的に勉強してOKだよ!」と伝えたいです。
もちろん、計算問題が得意な方やテキスト通りに進めて理解を深めたいという方はそれもOKです!
「配線図記号」と「器具、材料・工具」を最優先で勉強すべし!!
電気工事士の試験は、合格ラインが60点です。1問2点で全50問の出題です。
そのなかで、「配線図記号」の問題は例年10問ほど出題されます。1問2点なので、20点分です。
さらに、「器具、材料・工具」の問題は例年13問ほど出題されます。これは26点分です。
これら2つの項目は、丸暗記が可能な項目です。
つまり、例年通りの出題数であれば、丸暗記できる部分をすべて覚えることで、合格ラインである60点のうち46点分をカバーすることが可能なのです。
計算問題など少々不得意な項目があったとしても、暗記箇所だけきちんと得点できれば十分カバーが可能です!
暗記の時間と過去問を解く時間の配分
第二種電気工事士の勉強は、大きく3つにわけることができます。
①テキストを読んで内容を理解する
② 配線図記号や工具の名称・用途を暗記する
③ 過去問を解く
筆者は、テキスト読みと暗記にかけた時間が10時間、過去問を解くのにかけた時間が30時間程度でした。
上司は、 テキスト読みと暗記に10時間程度、過去問・単語帳アプリが20時間程度、あとはYoutubeでの学習を少々行ったそうです。
この試験は過去問と全く同じ問題が出題されることも多いため、テキストは1~2周程度さらっと読んで、暗記と過去問に時間を割くのがいいと思います。
※ スキマ時間には無料で利用できる工事士.comの過去問クイズがおすすめです!ぜひご利用ください!
あまり勉強期間を長く設定しないほうがいい
勉強期間を長く設定しすぎると最初に勉強したことを忘れてしまう
第二種電気工事士の勉強をしてみて感じたのは、試験の半年以上前から勉強するのはコスパが悪いかもしれない…ということです。
私たちが受験した2020年は、新型コロナの真っただ中。受験予定だった5月の上期試験が中止になり、10月の下期試験まで受験が延期になりました。
上期試験の中止を知ったタイミングでそれまでの勉強を中断し、下期試験の2ヶ月ほど前になって勉強を再開したのですが、上期試験の前に勉強したことはけっこう忘れてしまっていて、勉強時間がムダになってしまいました。そのためあまり勉強期間を長く設定する必要はないと思います。
試験の1~2か月前から毎日コツコツ勉強するのがおすすめ
おすすめするのは、試験の1~2ヶ月前くらいから毎日コツコツ勉強することです。
毎日2時間ほど時間を取って集中して勉強できる方なら、試験1ヶ月前から始めても合格ラインに届くと思います。
OL的、勉強方法の最適解
個人的に導き出した第二種電気工事士筆記試験勉強の最適解はこんな感じ。
・試験2ヶ月前から勉強開始!(それ以前だと勉強しても忘れてしまってコスパが悪い)
・まずはテキストをサラッと1周~2周読む!
・移動中やスキマ時間に暗記系の問題を覚える(重要な得点源なので気合いで覚える!)
・試験1ヶ月前からはひたすら過去問を解く!
2ヶ月の時間があれば、万が一途中で勉強できない日があったとしても、余裕をもって試験に臨めると思います!
【極秘】一夜漬けで18点アップ!「正しい一夜漬け」とは
実は、筆者は試験直前の過去問演習で合格ギリギリの点数しか取れていませんでした。
筆記試験2日前の晩に初めて解いた過去問の点数は66点。合格ラインは60点なので、これでは少し不得意な問題が出るだけで不合格となってしまいます。
流石に「やばい、落ちるかも」と危機感を抱き、最後にあがこうと一夜漬けを決行。
その甲斐あって本番では84点と、1日で18点アップ!史上最高得点を出すことができました。
あなたの点数はまだ伸びる!一夜漬けの極意
一夜漬けの内容は、非常にシンプル。こちらのテキストを1日で3周しました。
テキストは分厚いので、休憩や解説を読む時間を含め16時間くらい勉強してやっと3周という感じです。
もはや一夜漬けというか、一日漬けです(こうなりたくない方は、コツコツ勉強しましょう…)。
3周やったあと、間違えたところにはふせんを付けて、当日の午前中に最後の振り返りを行いました。
理想はコツコツ勉強することですが、正直に言って一夜漬けもかなり効果があります。
もちろん、最低限の暗記などは済ませていないと1日で合格ラインには届きませんが、最後の最後に追い上げたいという方は、過去問集を解くことを最優先にしましょう!
過去問と同じ問題がたくさん出るので、過去問を解いたもん勝ちの試験です!
使用テキスト・アプリの紹介
筆者と筆者の上司が使ったテキストやアプリ、過去問集などをご紹介します!
使用テキスト・過去問は「すい~っと合格」シリーズ
筆者が使用したテキストは、オーム社様の、「ぜんぶ絵で見て覚える 第2種電気工事士筆記試験すい~っと合格」シリーズの、テキストと過去問集です。
選んだ理由は、SNSで第二種電気工事士に合格したという方にオススメしてもらったからです。
テキストを使った感想
初心者にもわかりやすく解説されていていいテキストだなと思いました。
過去に多く出題されている問題だけを集めた過去問がついていたので、試験に出やすい問題を知ることができるのもよかったです。
第二種電気工事士の試験は、問題と選択肢が、過去問とまるっきり同じまま出題されることも多いので、頻出問題を知ることは大切です。
過去問集を使った感想
オーム社の過去問集は問題の横に解説が載っていたので、いちいちテキストを探して解説を確認する手間が省けたのがよかったです。また、回答を赤シートで隠せるので繰り返し使えるのもいいと思いました。
筆者は過去問を初めて解いたのが試験のおよそ1ヶ月前。最初の点数は50点で、合格ラインである60点には及びませんでした。しかし、過去問集を2周、3周と解いていくうちにみるみる知識がついていく実感がありました。
過去問集は、答えを覚えてしまうくらい繰り返し解くことをおススメします。
過去問を8割がた正解できるようになれば、合格は固いと思われます。
中古テキストでも合格できる!
筆者は試験に合わせ最新版のテキストを購入しましたが、筆者の上司は社内に資料として置いてあった2年前のテキストを使用していました。
使用したテキストはこちらです。
年によって問題の傾向が大きく変わるわけではないので、出費を抑えたい方は先輩のお下がりのテキストや、中古のテキストで勉強することも可能であると感じました。
なるべく新しめのテキストを選んだ方がいいとは思いますが、1~2年前のテキストでも合格は可能です。
使用サイト
第二種電気工事士試験の勉強は、基本的にはテキストと過去問集でこと足ります。しかし、筆者と上司はネットやアプリを使った勉強も行っていました。
スキマ時間はネットの勉強サイトが便利!
私たちが使用したのは、ネット上にある配線図記号の一覧表や過去問をクイズ形式で解くことのできるサイトです。
ホーザンのサイトや、工事士.comの過去問クイズなどをよく利用しました。
ウェブサイトを使った理由としては、電車通勤中などのスキマ時間で勉強する際にテキストを持ち歩くのは重く、首都圏の満員電車では本を開いていると邪魔になりそうなことがあったからです。
家で勉強するときも、基本はテキストで勉強して、机に向かうのに疲れたらスマホで上記のサイトを開いてゴロゴロしながら覚えることもありました。
必ずしもウェブでの勉強が必要というわけではなく、テキストとウェブサイトを使いわけると便利という感じです。
使用アプリ(単語帳)
こちらは、筆者の上司の勉強方法。スマートフォンの単語帳アプリを使って、通勤中などのスキマ時間に勉強していたそうです。
スマホで単語帳を作るメリットは以下の通りです。
・移動中、テキストのようにかさばらない
・苦手な問題を繰り返し演習できる
・問題と解説を書き込んでいると自然と頭に入る
単語帳を使った、1週間の勉強の流れは、以下の通り。
① 土日に過去問を解き、問題を単語帳に入力。
② 平日のスキマ時間に単語帳を解く(通勤中や、テレビを見る合間など)
この方法だと、平日に重いテキストを持ち歩く必要がなく、スマートフォンさえあればどこでも過去問の演習ができるので、平日の勉強のハードルが下がります。
電車通勤など、スキマ時間のある方は参考にしてみてはいかがでしょうか。
複線図対策にはYoutubeもおすすめ
試験の中でも理解が難しい複線図。
こちらは例年数問しか出題されず配点が低いため、合格だけを目指すのであれば飛ばしてしまうという方法もありますが、複線図の知識はいずれ技能試験で必要になるため、可能であれば覚えておきたいところです。(ちなみに、筆者は筆記試験の時点では飛ばしてしまいました)。
筆者の上司は、複線図対策にあたってホーザンのYoutubeを参考にしたそうです。
丁寧に解説されているので、もしテキストを読んでもわからないという方は、こちらを見てみるのもおすすめです!
自分に合った勉強を
私たちOL2名の勉強方法をご紹介しました。
一人一人に合った勉強方法があると思いますので、体験談の1つとして参考にしていただければ幸いです。
これから第二種電気工事士の試験を受ける方に、少し手もお役に立てば幸いです!
◆ 技能試験編もぜひご覧ください!
コメント
今年の上期に電気工事試験を控えているものです。
大変参考となる記事で、最初から最後まで読めました。
電気工事職として商業施設内におけるイベントブースの設営や、
テナント工事の際に必要となるかもしれないと思い受験を試みようとしています。
合格できたあかつきには、商業施設の展示会場設営やイベント催事などの内装設営に
携わりたいと考えております。そこで電気設備メーカー勤務での経験から店舗ディスプレイ
関係で実用的な情報発信記事もございましたら読んでみたいです。
長々ともうしわけありませんでした。
コメントありがとうございます!
上期を受験されるのですね。これから受験する方の役に立てばと思い書いた記事なので、そのように言っていただけて本当に嬉しいです!
二種があればできる工事の幅も広がりますので、ぜひ資格取得に向け頑張ってください。
記事のリクエストについてもありがとうございます。
店舗ディスプレイ関係の情報とのことで、なにかお役に立てそうな記事が書けるか、編集部内で検討させていただきます!
現在イベント施工、設置及び撤去の会社に属していましてモーターを扱う現場があります。
その為、昨年末の後期試験にて社長及び先輩上司が受け無事取得したので私も今年度後期の試験に挑みたいのですが、電気のノウハウ自体初心者の私な為何から始め手をつけたら良いか分からなく路頭に迷っている現状です。
机上講習等開催されているのでしたら是非参加したいのですがどこを調べたら行き着くのか分からないのでもしよろしければ助言頂けましたら有難いです涙
コメントありがとうございます。
後期に受験を計画されているのですね。
編集部で受験した2名は完全に独学で試験に挑んでしまったため講習は受講しなかったのですが、「第二種電気工事士 講習」などのワードで検索をすると有料ですが講習を行っている団体が複数出てきますので、その中から検討することができるかと思います。
ですが、この試験は受験自体に数万単位のお金がかかることもあり、もし会社の先輩に教えていただくことができるのであればそれが一番ではないかと思います。
電気工事士や電気工事士を目指す方向けの情報交換サイトがございますので、そちらで質問してみることもおすすめいたします。
電工タウン▽
https://denkotown.koujishi.com/
実技はその後受験されたのですか?
コメントありがとうございます!
ご質問の技能試験受験についてですが、スケジュールの都合上受験を見送ることとなりました。
筆記の免除期間でもあったので少々もったいなくも思うのですが、技能試験の独学での練習が難しかったこともあり、
再チャレンジするのであれば外部講習等受講し、確実に合格できるようにしてチャレンジしたいと考え今回は見送ることといたしました。
もし楽しみに訪問してくださったのであれば申し訳ありません。
また再チャレンジすることがありましたら記事でお知らせさせていただきます!今後とも電工魂をよろしくお願いいたします。
初めて電気工事士の受験をします。勉強を始めると複線図化や難しい公式など沢山出てきて、くじけそうでしたが、「OLでも受かった第二種電気工事士の勉強方法とは?」を何回も読んでいるとやる気が起きました。とても参考になり、そして勇気付けられました。いよいよ明後日が試験です。頑張ってきます。
まずは試験お疲れさまでした。
素人なりに編み出した勉強のコツが誰かの役に立てばと思い記事を作成したので、このようなコメントをいただけて非常にうれしく思います。
試験合格までの道のりは長く大変ですが、けんぼう様のモチベーションになったのでしたらなによりです。
他にもたくさんの合格体験記があるなか、お読みいただき、感想まで残していただきありがとうございました。
今後もみなさんの役に立つ情報を発信していきますので、建設魂をよろしくお願いいたします。