建設業・電気工事業の社会保険加入率
国土交通省(以下、国交省)は今月9日、令和元年度における建設業労働者の社会保険加入率を公表しました。
調査によると、公共工事に携わる労働者のうち、雇用保険・健康保険・厚生年金の3つの社会保険(以下、3保険)に加入している割合は建設業全体で98%です。
国交省では平成 24 年度より建設業の社会保険加入対策を進めていましたが、その成果が表れ、今ではほとんどの事業者が3保険に加入しています。
労働者単位では、88%の労働者が3保険に加入しているという結果となりました。
以下は年度ごとの社会保険加入率の推移です。
さらに職種を絞ってみてみると、建設業のうち、電工のみに限定したデータでも、全体と同じく98%が3保険に加入済みという結果が出ています。
※ 全データを見たい方は こちら(国交省報道発表資料)加入率は業種や地域・職階で変動
全体のデータで見るとほとんどが雇用保険・健康保険・厚生年金の3保険に加入済みのように見えますが、職種や地域によって加入状況に多少のばらつきが見られます。
以下の表をご覧ください。
様々な要素別に、社会保険加入率の高低を表したものです。
まず、建設業と一口に言っても職種によって社会保険の加入率にばらつきがあることがわかります。
職種別の加入率を見ると、51職種中20の職種はすでに加入率が100%なのに対し、タイル工では82%、大工・内装工では89%にとどまっていることがわかります。
さらに元請け企業は加入率100%なのに対し、3次下請けの加入率は94%と、社会保険未加入の企業は下請け企業に限定されていることもわかります。
企業単位でなく労働者ごとでの社会保険加入状況を出した表では、職階別の加入業況にばらつきがあることもわかります。職長の加入率は96%なのに対し、職長・班長以下の技能者・作業員では加入率が86%にとどまっています。
技能者にも3保険加入を!!
前項の図で、職長の3保険加入率が96%なのに対し、職長・班長以下の技能者・作業員では加入率が86%にとどまっているというデータがありました。
現場の最前線で働く技能者が社会保険に加入していない企業では、技能者は安心して働くことができません。
職階での保険加入による格差をなくし、誰もが安心して働ける会社になるため全従業員の3保険加入を推進していきましょう。
社会保険はいまや当然の福利厚生
時代が変わり、「社会保険への加入は当然」という意識がすでに業界全体に漂っています。
まだ社員全員の社会保険への加入がお済みでない事業者様は、福利厚生の最初の一歩としてぜひ社会保険加入を進めてください。
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