WBGT値(湿球黒球温度)とは、熱中症リスクを把握するための指標。
気温、湿度、輻射熱(ふくしゃねつ)を元に算出します。
WBGT値は国でも測定が推奨されている、新しい健康管理のための指標です。
この記事では、
について解説していきます。
WBGT値の考え方
WBGT値の算出根拠や考え方、熱中症リスクの判断基準についてまとめました。
WGBT値の算出に使う要素
WGBT値を計算するには、以下3つのデータが重要です。
・気温
・湿度
・輻射熱(ふくしゃねつ)*
*輻射熱とは:日射しを浴びたときに受ける熱や、地面、建物、人体などから出ている熱のこと。温度が高い物からはたくさん出る。
正確には、これら3要素のほかに風(気流)も指標に影響するのですが、主要な要素として上記3つを覚えておけばいいでしょう。
WBGT値は湿度を重要視している
WBGT値の計算は、気温の効果:湿度の効果:輻射熱の効果を1:7:2で計算し算出しています。
計算式は非常に複雑なためここでは割愛しますが、興味のある方は こちらからご確認ください。重要なのは、湿度が計算に大きく影響するということです。つまり湿度は、熱中症のリスクに大きく影響する要素ということになります。
湿度と熱中症発生リスクの関係
上図は、環境省が公開しているWGBT値と熱中症による救急搬送数の関係図です。
この例では、気温が全く同じにもかかわらず、湿度が高い日の方が熱中症で搬送される人が2倍近くも多くなっています。
湿度を重要視して計算するWBGT値では、危険度の違いがはっきりと分かれているので、この指標を基に熱中症対策を行えば熱中症リスクを減らすことができます。
湿度が熱中症に影響する理由
湿度が熱中症に影響する理由は、湿度が高い場所では汗が蒸発しにくくなるためです。
身体から空気へ熱を放出する力が減少するため、熱中症のリスクが高くなります。
こういったリスクは外気温だけでは把握できないため、WBGT値による熱中症対策が推奨されています。
WBGT値による熱中症の注意指標
WBGTを基準とした熱中症の注意指標は下記の通りです。
WGBT値 | 21未満 | 21~25 | 25~28 | 28~31 | 31以上 |
熱中症リスク | ほぼ安全。適宜水分補給 | 注意。積極的に水分補給 | 警戒。積極的的に休息。 | 厳重警戒。激しい運動は中止 | 危険。運動は原則禁止 |
WBGT値を確認できるサイトは?
環境省のサイトでは、各地域のWGBT値をリアルタイムでチェックすることができます。
地域別に細かく数字が出ているので、現場ごとに確認しておくとよいでしょう。
当日の数値だけでなく、今後3日間の予測や前日・1週間前との比較も見ることができます。
現場にWBGT値の導入を!
気温よりも高い精度で熱中症リスクを判断することができ、ホームページ上ですぐに情報を得られるWBGT値。
まだ現場に導入していない事業者様は、ぜひ導入してみてください。
真夏や晴天時でなくても熱中症の危険は潜んでいます。気をつけましょう!
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