建設業のパワハラ撲滅に向けて【パワハラ発生~解決編】

建設業のパワハラ撲滅に向けて【パワハラ発生~解決編】

もはや他人事ではない、パワハラ相談の増加

自社でパワハラが発生した時のことを想定したことはあるでしょうか。

おそらく多くの企業様が「ウチの会社は大丈夫」と考えているのではないかと思います。

しかし、実はパワハラの相談件数は年々増加しています。

労働局などに寄せられる「いじめ・嫌がらせ」 の相談は、2018年度でおよそ82,000件

10年前の2008年度はおよそ32,000件であることから、10年前と比べて2.5倍もの相談が寄せられるようになっているのです。

※ 出典:厚生労働省HP

パワハラは決して他人事ではありません。万が一の時に備えて、自社でパワハラが発生してしまったときの対応について今から考えておきましょう。

本記事では、パワハラが発生した場合の初期対応~解決までを順序立てて解説していきます。

※ パワハラの基礎知識と予防方法から知りたい方は、こちらの記事をご覧ください!

パワハラ発生~解決までの流れ

では、現場からパワハラの相談が上がってきた!と想定して、解決までにどのような道筋で進んでいくのかを解説していきます。

相談窓口の設定

相談が上がってきたら、まずは一時窓口の担当者が相談者への面談を実施します。できるだけ最初の段階で解決できることが理想ですので、気軽に相談できる窓口をあらかじめ決めておくことが早期解決に繋がります

窓口となる人の例

人事担当者:会社に人事担当がいる場合は、人事担当者が窓口を兼任することが多いです

代表:小規模の企業で人事担当がない場合は代表自ら対応しましょう

現場監理者:職人間の問題の場合は、現場を監督している人が窓口となることもできます。しかし、同じ現場にいるからこそ分かることもありますが、話しにくいこともあるかもしれませんので、できれば現場を離れた人が面談を実施することが望ましいと言えます

相談窓口を決めたら、社員全員に担当者の名前、電話番号、メールアドレスを伝達し、いつでも相談を受け付けられるようにしましょう

また、内部の相談窓口だけでなく外部の相談窓口を設けている企業もあります。弁護士や社労士の事務所、ハラスメント対策を行っているコンサルティング会社などを外部相談窓口として置いている企業が多いです。余裕があれば外部に窓口を置くという方法もあります。

面談の実施

担当者が面談を実施します。面談は、相談者の悩みや不安に感じていること聞きとることが目的です。面談の時点で解説しようとはせず、まずは聞くことに専念しましょう。

面談5つのポイント

① 秘密は厳守する。また、面談の前には相談者に「面談の内容は誰にも知らされず、評価にも影響しない」ということを伝え、安心して相談ができるようにする

② 面談場所は、相談の声が聞こえたり他の社員に気づかれない場所を設定する(会社だと難しい場合は喫茶店などでも可)

③ 相談者の話はゆっくり聴き、話をせかさない

④ 1回の相談時間は50分程度とし、時間内に終わらない場合は、次の相談日を設定して切り上げる。※ 相談者が気持ちを切り替える時間や冷静な時間をもつことになり、相談の効果を高めます

⑤ 「くだらない」「大した問題ではない」と軽くとらえずに、相談者の気持ちに寄りそい真剣に話を聞く

事実関係の確認

面談の後は相談者の同意の上、事実確認を実施します。

まずは、行為者(パワハラを行っているとされる張本人)に対して事実確認を行います。相談者と行為者の言い分が一致しない場合は、現場を知る第三者への聞き取りを実施します。

※ 相談者が面談のみを希望した場合は、この工程を含め以降の工程は全て実施しません。了解を得ずに事実確認を進めてしまうとトラブルが悪化する原因になります

事実確認のポイント

① 相談者、行為者のどちらにも肩入れせず中立的な立場で行為者の話を聴きましょう。この時点で行為者に問題があると決めつけてはいけません

② 行為者には、相談者の認識に誤解があった場合でも報復などは厳禁であることを伝えましょう。

③ 第三者に話を聞く際、守秘義務について十分理解してもらい話が外に漏れないようにしましょう。必要な人を絞り、事実確認を行う人数は最小限にするのがいいでしょう

パワハラにあたるか・あたらないかを判断する

聞き取りが完了したら、行為者のふるまいがパワハラにあたるか・あたらないかの判断を行います。

パワハラに当たるかどうかの判断軸

① 行為者の行いは、パワハラの6つの種類*に該当しているか

② 行為者のふるまいについて、行動・目的・動機は業務上の指導として適切とは言えないものであったか

③ 行為者のふるまいは、悪質で、慢性的に繰り返されていたのか

*6つの種類についてはこちらの記事をご参照ください。

上記3つの項目の全てが該当していて、かつ行為者もその振る舞いについて認めている場合、パワハラがあったとみなします。

事実確認の内容が相談者・行為者・第三者で食い違っている場合は、判断の際に注意が必要です。3つの情報を中立的に判断するようにしてください。事実確認が取れないうちに判断を急がず、再度面談や事実確認に立ち帰って情報を精査することも場合によっては必要となります。

和解策・処分を考える

処分をする

パワハラがあったと認められた場合、その後の処分について考えます。

相談者と話し、相談者が行為者の処分を望んでいる場合、処分を検討します。

就業規則等に罰則が設けられている場合は規則に沿っての処分となります。

処分の種類としては、下記のようなものが考えられます。

処分の種類:減給、降格、けん責(始末書の提出など) 、出勤停止、諭旨解雇、懲戒解雇

重い処分を検討している場合は、会社のみで判断せず弁護士や社労士に相談の上判断を進めるといいでしょう。

和解をする

当事者同士が納得できるのであれば、処分よりも和解を選択しておきたいところです。相談者が一度は処分を望んだ場合でも、和解の余地がありそうかを確認し、平和的解決の道を探して下さい。

相談者への提案例

相手がパワハラを認めて反省している。一度だけ話しあいをする余地はないか

行為者が今後態度を改めるとすれば、もう一度一緒に働いていけないか

※ 相談者へ和解を強要することはせず、あくまで提案という形をとって下さい。

行為者・相談者へのフォロー

行為者への対応決定後、その後のフォローも重要となります。

相談者・行為者の両方に、事実関係についての調査結果や、対応の内容、会社としてのその考え方を説明し、理解を得るようにしましょう。

その後も、同じ問題が起きないように継続的にフォローを行ってください。

特に、相談者にも問題があったと認められ、行為者に対して処分がなしと判断した場合は、相談者に納得してもらうため丁寧な説明が必要です。

仕事の行い方や、行動にどのような問題があったのかを伝え、それに対して行為者がどのような目的で指導を行っていたのかを細やかに説明し、今後の人間関係が円滑に進むように細心の注意を払う必要があります。

まとめ

パワハラ問題は、相談者、行為者そして第三者の意見を冷静に聞くことがなにより重要です。

誤った判断は、社員の人生を取り返しのつかないことにしてしまいます。決断を急がず、正確な事実確認を進めるため、弁護士・社労士などの意見も参考にしながら問題について取り組むことをお勧めします。

パワハラについての窓口がない企業様は、まずはぜひ窓口の開設を行って頂き、その後の対応についても担当者と一緒に学ぶ機会を設けてみて下さい。

◆ 関連記事はこちら

いいね! 2 いいね!(役に立った、いいなと思ったら押していただくと励みになります!)
読み込み中...

会社づくりカテゴリの最新記事