福利厚生には会社の戦略がつまっている
従業員のための福利厚生。のぞいてみると会社の理念や展望によって非常に個性が分かれます。
独自の福利厚生を用意している電気工事会社にスポットライトを当て、ご紹介します。
インタビュー:青電社様
今回は愛知県に本社を構える株式会社青電社で広報担当を務める野々田様にお話を伺いました。 青電社の特徴的な福利厚生には従業員満足度の向上だけではない、多方面のねらいが含まれています。
【会社プロフィール】株式会社青電社
愛知県名古屋市に本社を構える電気工事会社。昭和42年に創業し38名の従業員を抱える。愛知県内を中心に電気・通信・消防・空調・管工事の設計・施工・管理を行い令和3年にはベトナム法人を設立するなど活動の幅を広げている。
青電社の福利厚生「社長めし」とは?
―(編集部)取り組みをSNSで拝見しました。「社長めし」とはどのような制度なのでしょうか?
―(野々田さん)弊社代表が社員に昼ご飯を振る舞う制度です。出勤日である毎月第1土曜日に定期開催しています。
「昼ご飯をふるまう」のは珍しい福利厚生かと思います。発案された経緯を教えてください。
社長めしというだけあって、発案者は弊社代表の北原です。代表は日頃から社員に対して何か楽しみを作ってあげたいという考えがあり、知り合いの経営者がキッチンカーの事業を始めたことがきっかけとなって「社長めし」が発案されました。お昼ご飯を振る舞う形であれば、多くの社員が企画に参加してくれるだろうとも考えました。
「社長めし」に代表が込める想い
料理も北原代表が作っているのでしょうか。
料理そのものは外部の方に作っていただいています。キッチンカー内で料理を盛り付け、社員に提供するのは社長自身が行います。
代表自ら社員に手渡しするのですね。社員や外部の方がふるまうのではなく、社長がふるまうことにはどのような意図がありますか?
「社員を家族のように大切にする」という代表の想いもあり、自らが手渡しで振る舞うことに喜びや楽しさを感じている部分があるようです。
また、社長自らが料理を振る舞うことで「社長めし」のイベント感が伝わりやすいかなというのもあります。
福利厚生は採用戦略にもなる
青電社は、新卒採用に力を入れSNSやYoutube発信も活発ですね。
はい。実はこの社長めしの取り組みも、社員に対する福利厚生ではあるものの新卒採用を主にした外部向けのアピールといった側面も持っています。
ほかの会社にはない、独自性のある取り組みを知ってもらうことで、電気工事に興味を持っている学生さんに「なんかあの会社面白そう!」「楽しそう!」と少しでも自社へ関心を持っていただくというねらいがあります。
電気工事会社の福利厚生では工具の支給や資格取得支援などがメジャーですが、確かにひとつ独自の取り組みがあると印象に残ります。
青電社でも工具の支給や資格取得支援制度の福利厚生は用意しているのですが、それだけでは他の電気工事会社と差別化が図れないと考えます。社員をサポートする基本的な福利厚生とは別に「青電社ならではの魅力」をつくり、発信することが必要だと思いました。
コミュニケーション×食事で従業員も笑顔に
「社長めし」を始めて生まれたメリットがあれば教えて下さい。
社長と社員のコミュニケーションが生まれました。食事の時間を共にすることで社長は社員の様子を確認できますし、また普段からコミュニケーションの機会を設けておくことでなにかアイデアが生まれた際、社員から社長へ、提案がすぐにできるようになります。変化の激しい時代に中小企業ならではの機動力を活かすため、経営者と社員の距離を近く保っておくことは重要だと考えます。
また、社員同士のコミュニケーションが促進されることも利点だと思います。
従業員さまからの評判はいかがでしょうか?
とても好評だと思います。
イベント当日は約8割の社員が参加してくれています。現場の都合により参加できない社員もいますが、料理を持ち帰ったりと楽しみにしてくれているようです。「次回のメニューはあれがいい!」と提案や要望もたくさん出てくるため、実施してよかったと思っています。
「社長めし」で描く未来の青電社
これまでどんなメニューを提供したのですか?
過去2回は「牛すじトマト煮込みカレー」を提供しました。電気工事業にちなんで、トッピングのハンバーグの上にイナズマ型にくり抜いたチーズを乗せています。今後は、焼きそばなどの新メニューも検討しています。暑い時期はおやつ程度にかき氷も提供できればと考えています。
カレーは現場で働く方にはたまらないボリュームですね!
ちなみに、おかわりも自由です。多くの社員がおかわりするほどたくさん食べてくれました。
今後「社長めし」の取り組みを通じた展望はありますか?
若い人達が集まる会社にして行きたいですね。変化の激しい時代に対応するには若い力が必要だと思っています。例えば建設業界はデジタル化が遅れていて、このままでは時代から取り残されてしまう。そのような状況を脱出するには、若い人達の意見に耳を傾けることが必要です。
「社長めし」の取り組みが、老若男女皆が食事というコミニュケーションを共にすることで変化しあえる一環となればと思っています。
取材協力
企業名:株式会社青電社
所在地:〒463-0066 愛知県名古屋市守山区町南3番1号
ホームページはこちら
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