値上がり続く電気料金
帝国データバンクは18日、電気料金に関するアンケート調査を公開しました。
調査によると、企業の支払う電気料金は上昇傾向にあり、1年前に比べておよそ4割増加しています。一方で、値上がり分を価格転嫁できない企業は多く、「全く価格転嫁できていない」と回答した企業が6割近くを占めています。
電気料金は平均4割増加、9割が値上がり実感
電気料金の総額が 1年前と比べてどのように変化したかの調査では、「【増加】20~40%未満」と回答した企業が全体の 33.1%で最も高い結果でした。平均の値上がり率は39.4%であり、1年前と比べるとおよそ4割も電気料金が高くなったことになります。
また、企業全体の93.6%が「電気料金が増加した」と答えており、「変わらない」の回答は3.3%、「減少」は 1.0%でした。電気料金の値上げはほとんどの企業が実感していることがわかります。
企業の約6割が売価へ「全く転嫁できず」
電気料金の増加分を販売価格やサービス料金にどの程度転嫁できているかの調査では、「多少なりとも価格転嫁できている」と回答した企業は42.8%。残りの57.2%、つまりおよそ6割の企業は「全く価格転嫁できていない」と回答しています。
さらに、「価格転嫁できている」企業に関しても、「すべて価格転嫁できている」と回答している企業はわずか2.2%であり、価格の転嫁率は14.9%。これは、電気料金が100円増加した場合14.9円しか販売価格等に反映できていないことを示しています。
2022年12月の前回調査と比べると、「多少なりとも価格転嫁できている」と回答した企業の割合は 13.2ポイント増加し、価格転嫁率は5.0ポイント上昇していることから、価格転嫁の動き自体は観測できますが、多くの企業がいまだ躊躇している状況です。
LED化、エアコン入れ替えで節電の動きも
大幅に電気料金が増加する中で、節電にも注目が集まります。
アンケート回答企業の中には、「昨年に駐車場の電灯の LED 化やエアコンを入れ替えた結果として、使用量が減少し、電気料金の総額はほぼ変わらなかった」(鉄鋼卸売)と回答する企業もありました。今後はより、節電や省エネに関する意識が強まっていくものと思われます。
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政府支援も厳しい状況が続く
政府は、2023年1月より毎月の電気料金を値引きする支援策を実施しており、今後は電気の使用量が多い「特別高圧」の契約を結ぶ中小企業への支援が行われる見通しもあります。
しかしながら、値上がりを価格転嫁できていない状況は企業にとって重い負担になっており、このままの状況が続けば事業が継続できない企業が続出することが予測できます。
参考リンク
帝国データバンク:電気料金値上げに関する企業の実態アンケート
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