社員インタビューは採用の悩みに効果的
企業の永遠の悩み、新規採用。人手が足りず、ホームページや求人サイトに求人を出してみても全く応募が入らないというのはよくある話です。
採用難と呼ばれる時代だからこそ、採用にはテクニックが必要です。
すぐに実践できるテクニックの一つとして、ホームページや求人に「社員インタビュー」を載せるという手法があります。
この記事では、社員インタビューのメリット解説をはじめ、効果的な質問例・回答例の紹介、また合わせて掲載する写真の効果的な撮り方についても解説していきます。
社員インタビューとは
この記事で紹介する社員インタビューとは、自社の社員に普段の働き方や、会社についてどう思っているか等をインタビューし、社員の視点から求職者に会社の紹介を行う手法のことを指します。
社員インタビューは、一般的に企業の採用ホームページや求職者向けパンフレット、また求人広告など求職者の目につく場所に掲載します。
※ 実際の社員インタビュー例はこちら。
社員インタビューのメリット
社員インタビューを掲載するメリットは大きく分けて2つあります。
情報をより信用してもらえることと、入社後のイメージをより具体的に持ってもらえることです。
社員インタビューは情報の信用度を高める
人は情報を仕入れるとき、「どこの誰が言っていたことか」という、情報の発信元がわかるとその情報をより信用するようになります。
例えば、求人に会社PRを書くときに、ただ「スキルアップする社員多数!」と書くよりも、「未経験の僕でもスキルが身につきました!(入社3年目・工事部・佐藤)」と、書く方が、情報の発信元が誰であるかがわかるため、信用度が高まるのです。
入社後のイメージをより具体的に持ってもらえる
社員インタビューを読んでいるとき、求職者はその情報を「その会社に入社した場合の未来の自分」としてイメージします。入社の決め手や、入社してみてどうだったかを個人の体験談として紹介することで、入社を検討している求職者が自分が入社した場合のイメージを具体的に描きやすくなるのです。
社員インタビューに載せるべき5つの質問例/回答例
採用ページや求人に載せる社員インタビューで求職者の心を引き付けるのに効果的な質問例・回答例を5つ紹介します。また、社員からの回答を引き出しやすいインタビューのコツについてもあわせてご紹介していきます。
質問例/回答例1:入社のきっかけはなんですか?
まず掲載したいのは入社のきっかけ。求職者も、自分の先輩にあたる人がどんな動機でこの会社に入ったのかは気になるところです。ここで重要なのは、求職者の応募のハードルを上げすぎないことです。特別な理由は必要なく、ありふれた理由で入社した人が多い方が共感を生み、自分でも応募していいかもと思ってもらうことができます。
◆ 効果的な社員インタビューを引き出すコツ
何人かの社員に「そういえば、ウチの会社に応募したきっかけって何?」と聞き取りをしたうえで、親しみやすい回答を掲載することがおすすめです。
できれば、採用のターゲットにしている年齢層と近い年代の社員にインタビューすると、求職者はより自分事としてエピソードを読むことができます。
◎ 応募の増える回答例
・安定した仕事を探していたらハローワークで建設業の仕事を紹介され、未経験でも歓迎という文字を見て、自分でも挑戦できるかもと思って応募しました。
・転職サイトで求人を見つけて、写真を見たら同じ世代の人もいて、雰囲気が優しそうだったので応募しました。
・結婚を考えている彼女がいて、手に職をつけて家族を養っていきたいと考え、応募しました。
→多くの求職者は、最初から熱意をもって応募するわけではありません。とりつくろわず、正直に書きましょう。
× 応募が減るかもしれない回答例
・震災時にインフラの大切さを実感し、建設業は大変社会的意義が高い仕事であると感じ、応募しました。
・この会社の◎◎という理念に共感して、応募しました。
→素晴らしい動機ですが、求職者からすると「たいした動機のない自分は入れないかも…」と思ってしまう可能性があります。
質問例/回答例2:面接の雰囲気はどうでしたか?
少々裏ワザ的なテクニックになりますが、面接を受けてみてどう思ったか、社員が求職活動中のエピソードを入れるのもおすすめです。一見、入社後のイメージを抱かせることには関係ないように思えますが、求職者に面接の雰囲気を開示しておくことによって、面接の心構えができ、応募がしやすくなるのです。
◆ 効果的な社員インタビューを引き出すコツ
何人かの社員に「そういえばウチの面接ってどんなことを聞いたっけ?」「面接のときの人事(社長)の◎◎さんの印象って覚えてる?」「面接で印象的だったことってある?」と聞き、社員の本音を掲載しましょう。
◎ 応募の増える回答例
・面接で社長に会った時、最初は職人気質で寡黙な人かな?と思いましたが、話してみるとやさしいおじいちゃんという感じで安心しました。
・面接というより雑談という感じで、生い立ちなどをお話しました。面接を担当してくれた時社長はニコニコしていて、優しそうだなあという印象でした。その印象は今でも変わりません。
・面接の際は自分から質問をたくさんしました。昇給、福利厚生、お休みのこともきちんと聞いておきたかったので勇気を出して聞きましたが、嫌な顔せず答えてくれたので安心しました。
→面接前、求職者は緊張します。安心して面接に来ることのできるエピソードとして面接担当の人柄や雰囲気を書いておくと安心して面接に臨めます。また、求職者が気になっていることを質問しやすいようにオープンな雰囲気も打ち出せるとその後の内定承諾までスムーズに運びます。
質問例/回答例3:実際に入社してみてどうでしたか?
先輩社員の入社当初のエピソードは、求職者が知りたい重要な情報と言えます。苦労したことや失敗したことも含め、等身大の体験談を掲載することが情報の信頼性を高め、求職者の共感を生みます。
◆ 効果的な社員インタビューを引き出すコツ
インタビュー対象はターゲットと近い経歴を持った社員にしましょう。未経験者を狙っているのであれば未経験者のエピソード、経験者を狙っているのであれば経験者のエピソードを載せることが大切です。
また未経験者をターゲットにする場合、一人前になるまでに苦労した社員の方が、より深みのあるエピソードを持っているかもしれません。「一番キツかったのはどの時期?」「あの時がんばれたのはなぜ?」というような質問を展開し、苦労したことと・それを乗り越えることのできた理由が書けると求職者を引き付けるリアルなPRとなります。
◎ 応募の増える回答例
・未経験入社なので、最初は工具の名前も知らず苦労しました。でも歳の近い先輩が根気よく教えてくれて、この人に恩を返したいと思って頑張りました。
・僕は勉強が苦手で、入社半年で第二種電気工事士の資格試験に挑戦したときは仕事と勉強でいっぱいいっぱいになってしまったこともありました。でもそれをみた先輩たちが休憩中に勉強を教えてくれたりして、無事資格を取ることができました。
→綺麗事だけでなく、素直に苦労した点も織り交ぜながら新入社員のサポート体制をPRしましょう。
× 応募が減るかもしれない回答例
・仕事終わりに勉強をして、独学で◎◎の資格も取得することができました。
・何度も怒られましたが、めげずに努力した結果一人前になることができました。
→周囲のサポートを感じることのできないエピソードは求職者を不安にさせてしまう可能性があるので避けた方が無難です。
質問例/回答例4:現在はどのように活躍していますか?
入社当初のエピソードとセットで、現在の活躍についても質問しましょう。この会社で経験を積んだらどう成長できるのか、具体的に紹介することで求職者の期待が高まります。
◆ 効果的な社員インタビューを引き出すコツ
こちらは基本的に入社当初のエピソードとセットで語られるものですので、入社時のことを聞いたのと同じ社員にインタビューを行いましょう。また、近い将来やりたいことがあれば将来の展望を同時に紹介するのもいいでしょう。
◎ 応募の増える回答例
・入社して5年。工具の名前も知らなかった僕が、今では一人で現場を任されるようになりました。自分の力で現場を完成させ、お客さんから感謝の言葉をもらえたときは嬉しくなります。今後は未経験で入社した社員の教育もやっていきたいと思っています。
→現在の楽しいことややりがいのあることを聞き、明るいエピソードで締めくくるのが基本です。
質問例/回答例5:会社の制度についてどう思いますか?
魅力的な会社の制度は求人の応募条件で紹介する以外に、社員がその制度についてどう感じているか、口コミ形式で紹介するとより信頼感が高まります。
求職者は、求人票に書いてあることをすべて信用するわけではありません。求人票の条件をきちんと記載することと、社員の口コミを載せることの合わせ技で情報の信頼度を高めます。
◆ 効果的な社員インタビューを引き出すコツ
・休みが多い会社であれば、「休みについてどう思う?」「休みは何をしている?」と社員にインタビューしてみましょう。給与が高めであれば給与のことを聞いてみるなど、会社の自信のある部分について社員にどう思っているか聞くことが大切です。
◎ 応募の増える回答例1:休日が多いことをPRする
・この会社に転職する前はなかなか休みが取れなかったのですが、この会社は週休2日制なので、土日にゆっくりできるようになりました!
・記念日や子供の運動会などで休んでいる社員が多いので、休みは取りやすい環境です。自分も子供のイベントに参加できるので、満足しています。
◎ 応募の増える回答例2:福利厚生をPRする
・資格取得支援制度があるのがうれしかったです。昨年に第二種電気工事士の試験を受験したのですが、受験費用に加えテキスト代も会社が負担してくれたので助かりましたし、絶対に合格しようというモチベーションにもなりました。
インタビューを工夫をしてもなかなか採用が実現しない場合、電気設備業界専門の求人サイトの利用もご検討ください。
社員インタビューでいい回答を引き出すコツ
求職者が社員インタビューに求めているのは、リアルな体験談。どこにでもあるような言葉で綺麗に締めくくるのではなく、社員個人のホンネを飾らずに掲載することがカギとなります。
社員のホンネと、採用に効果的ないい回答を引き出すためのコツをまとめました。
・あらかじめ社員インタビューとしてどんなことを載せたいかを考え、いい回答が期待できる社員にインタビューを実施する
・インタビュー担当は、インタビューを受ける社員と信頼関係のある人を選び、社員のホンネを引き出す
・インタビュー中の雰囲気は和やかに。まじめに聞くと社員はまじめな回答を期待しているのだと感じてしまうので、ホンネを引き出すために雑談のような雰囲気で聞く
リアルな社員インタビューにするためには写真掲載がおすすめ
社員インタビューと合わせて掲載したいのが、インタビューを受けた社員の写真です。どんな人物がインタビューを受けているのか、顔写真が掲載されているとより情報の信頼度が高まります。なるべく自然な表情を写真に収められるよう、社員と仲のいい人に撮影を依頼したり、誰かと雑談している最中の笑顔を撮影するなど、写真撮影の方法を工夫しましょう。
ホンネが支持される時代
たくさんの求人情報があふれる中で、人の心を引き付けるのはありふれた言葉ではなくリアルな体験談です。
ぜひ、自社で働く社員のホンネに着目し、採用活動に生かしてみてください。
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