常識をひっくりかえす採用の新説
『すぐに試せて、お金もかからず、いい人材が入る!』
夢のような採用の新説が近年注目をあつめています。
しかも驚くことにその説は「会社の欠点や大変なことを伝えるとよい」と、今までの常識とは間逆のことを言っているのです。
いったいなぜ、会社の欠点を伝えることが人材採用の成功に繋がるのでしょうか。
他社を出し抜く新常識をここで知っておきましょう。
新説「RJP理論」とは
その新説の名前は、RJP(アールジェーピー)理論といいます。
アメリカの産業心理学者が唱える説で、RJPというアルファべットはRealistic Job Previewの略。「リアルな仕事内容を事前に見せておく」という意味になります。
良いことばかりを伝える採用への反論
このRJP理論では会社の良い部分だけでなく、入社後大変だと感じるであろうことや覚悟しておいてほしいことを事前に伝えておくべきだとしています。
一般的に、求人を出したり面接をする際は会社の良い情報を少しでも多く伝え、求職者に良いイメージを持ってもらう…という手法をとる企業様が多いです。
しかしこの理論では、そういった良いところばかりを伝える採用方法は入社後のギャップにつながり早期離職の原因になるとされています。
RJP理論が生むメリット・デメリット
RJP理論に沿って、入社前に大変なことや覚悟しておくべきことを伝えておくメリットはいくつかあります。
仮に求人をRJP理論の通りに作成したとすると、得られるメリットは以下の通りです。
◎ メリット
◆ ギャップ予防による人材定着
大変なことや覚悟しておくべきことを入社前に知っておくことで「こんなはずじゃなかった!」というネガティブなギャップが生まれるのを予防できます。入社前後で会社に対する印象が変わらなければ、結果として人材が会社に定着し長期的に活躍してくれます。
◆ 応募者の選別
会社が公開した大変なことを見て「自分は耐えられない!」と思う人は応募してきません。その結果、面接してみたら全然合わなかった…というズレを解消することができます。
◆ 会社に対する信頼感アップ
正直にネガティブな情報を伝えておくことは、求職者からすると「正直な会社で信頼できる」という印象アップにつながります。誠実な印象を持ってもらうことで「この会社でがんばってみよう!」という気持ちを引き出すことができます。
× デメリット
◆ 応募が減る
ネガティブな情報を伝えることで、「自分には向いていない、耐えられない」と思ってしまった人は応募をやめます。そのため応募の件数は減ってしまうことが予想されます。
量より質!と思ったら実践
RJP理論によって得られるのは、粒ぞろいの人材を集めることです。
もしも会社の採用方針が「会社にあった人材を厳選して採用したい!」ということなら、ぜひ実践してみましょう。
「人は選ばないのでとにかく大量に採用したい!」という考えなら、応募の減ってしまうこの手法は実践しないほうがいいでしょう。

【実践編】RJP理論を使った求人のつくりかた
では、ここからは例文を見ながら効果的な求人の作成方法を学んでいきましょう!
大変なことは具体的に書く
「辛いこともあります」「苦労することも多いです」と書くだけではただマイナスになってしまいます。具体的に何が大変なのかがわからなれば、求職者に不安を与えるだけで向いている・向いていないの判断ができません。ご注意ください!
× NG例
当社は空調工事会社です。大変なことも多いので、そこは覚悟して欲しいと思います。
◎ OK例
当社は空調工事会社です。外仕事のため夏は暑く冬は寒いので、夏冬は大変な思いをするかもしれません。 そこは覚悟して欲しいと思います。
良い情報とのバランスを考える
正直に書くとは言っても、求人に大変なことばかりを書いたらそもそも誰も応募してこなくなってしまいます。企業様の方針にもよりますが、良いこと7割~8割、大変なこと2~3割程度をイメージして作成してみてください。
× NG例:大変なことばかりが目立ちすぎる
計装工事は細かい作業が発生するため、繊細な仕事が求められます。
繁忙期は依頼も多いので残業が発生することもありますが、それでもきちんとこなすのがプロの条件。当社の理念に共感してくれる方は誰でも大歓迎!
◎ OK例:良い情報の中に、大変な情報もバランス良く入れる
計装工事は 細かい作業が発生するため、繊細な仕事が求められます。
だから当社は全員が一流の技術を身につけられるよう、1対1での指導による手厚い教育体制を設けています。繁忙期は残業が発生することもありますが、やってもらった分はきちんと残業代としてお支払いします。技術屋として、誠実にプロの仕事をする会社です。当社の理念に共感してくれる方は誰でも大歓迎!
大変なことに対する見返りの提示
大変なことをこなした先にある、相応の見返りを提示できるとより良い求人になります。
「大変でもこんな見返りがあるなら頑張ろう!」と思ってもらえるような表現を考えてみて下さい。
× NG例:見返りなし
1.公共工事がメインのため3月は繁忙期で休日出勤が発生します。
2.繊細なパーツをあつかうため集中力が必要です。
◎ OK例:見返りあり
1.公共工事がメインのため3月は繁忙期で休日出勤が発生しますが、閑散期は1週間ほど長期休暇の取得が可能です。
2. 繊細なパーツをあつかうため集中力が必要です。 このパーツは世界中のプラントで使われるものなので、身に付く技術は一生モノです。

RJP理論をマスターしてよりよい採用を!
いかがでしたでしょうか。自社に適した選りすぐりの人材を採用するために効果的なRJP理論。競争が激化している電気工事業界で採用に成功するため、ぜひともご活用頂ければと思います。
この記事が、人材採用の担当者様にとってすこしでもお役にたてば嬉しいです!
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