物価上昇に会社ができることは
物価の上昇が進み、労働者の実質賃金は下がっています。
帝国データバンクが今月17日に公開したレポートによると、企業の6.6%が従業員に「インフレ手当」を支給し、今後の支給を予定・検討している企業まで含めると26.4%にのぼることがわかりました。インフレ手当の支給率や金額、支給するメリットをまとめました。
インフレ手当とは
インフレ手当とは、食料品や光熱費などの相次ぐ値上げに対応するため、従業員の生活支援を目的とした「特別手当」をのことを指します。
インフレ手当の支給率
物価高騰をきっかけとして従業員に対して特別手当(インフレ手当)を「支給した」企業は全体の 6.6%でした。
また、「支給を予定」は 5.7%、「支給を検討中」は 14.1%で、すでに支給した企業の割合に今後インフレ手当の支給を予定・検討している企業を含めると26.4%となります。つまり、4社に1社がインフレ手当に取り組んでいることがわかります。
インフレ手当の支給方式は「一時金」が66%
インフレ手当の支給方式については、「一時金」が66.6%、「月額手当」が36.2%と、一時金の形式支給する企業が多数派でした。「月額で支給するとなると手当を下げたときのインパクトが大きくなってしまうため賞与に追加する形式にした」といった声もあり、企業側としては一時金という形の方が支給が容易であるためこのような結果になっているものと予測されます。
インフレ手当の支給金額は一時金1~3万、月3~5千が最多
インフレ手当の支給額として最も多いのは、一時金の場合で「1万円~3万円未満(27.9%)」、月額の場合は「3千円~5千円未満(30.3%)」でした。
なかには高額の手当てを支給している企業もあり、平均額を算出すると「一時金」の平均支給額は約5万3,700 円。「月額手当」の平均支給額は約6,500 円でした。
他社との差別化でインフレ対策を実践するという考え方
インフレ手当を支給している企業は現状少数ですが、だからこそ支給することによって他社との差別化を図るという考え方もできます。
また、基本給のベースアップを検討してはいるものの難しいという企業であれば、まず一時金の形で社員にインフレ手当を支給することは決断しやすいのではないでしょうか。
実際にインフレ手当として一時金を支給した企業は「夏季賞与、決算賞与、冬季賞与にて支給実施。社員からは感謝の声が多かった(貸事務所)」とコメントしています。社員に寄り添う対策としても、インフレ手当を支給することは有効であると考えられます。
社員の目線に立った対策を
物価上昇のニュースを目にする機会は多く、食料品やガソリンなど、非常に身近なところで社員たちは物価の上昇を体感しています。社員の目線に立った対策として、「インフレ手当」の導入を検討してみてください。
参考資料
帝国データバンク:インフレ手当に関する企業の実態アンケート
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