電気工事士を目指して転職する人は、どのような志望動機を持っているのでしょうか。
この記事では、電気工事未経験者の志望動機をランキング形式で紹介するほか、電気工事士になる前に経験してきた職業についてもご紹介します。
未経験者が電工になりたいと思った理由ランキング

未経験から電気工事士を目指す求職者100人分のデータを独自に集め、電気工事士になりたいと思った理由を調査しました。
志望動機をランキング形式でご紹介します。
※データの根拠:電気設備業界専門の求人サイト「工事士.com」にて、100件の電気工事未経験者の応募データを分析・集計。
第1位:手に職をつけたい(20票)
電気工事士の志望動機で最も多かったのは、「手に職をつけたい(20票)」です。
- 「手に職がつく」というところに魅力を感じた(20代・工場勤務)(20代・自動車部品メーカー)(30代・飲食業)ほか多数
- 介護の仕事をしているが、技術を身につけ手に職をつけたいと思った(40代・介護)
- 事務職や運転手など職を転々としてきたが、次は一生モノのスキルを身につけたいと思った(40代・清掃業)
- 定年を過ぎても働ける技術に魅力を感じた(40代・フォトグラファー)
- 手に職をつけて家族を安心させたい(30代・ジムインストラクター)(40代・運送業)
未経験者にとって、電気工事の仕事は「手に職がつく」「一生モノの技術が身につく」といった印象が強いようです。
安定志向・現実的な選択肢としての電気工事士
志望動機の「一生モノのスキル」「定年後も働ける」といった言葉からは、これまでの職歴や将来への不安と、「技術職」への憧れが読み取れます。電気工事士は、安定志向がある人にとって魅力的に映る職業であることがわかります。
また、30代・40代の求職者は「家族を安心させたい」という志望動機を持っています。この年代は、個人の自己実現よりも生活基盤を整えたいという現実的な志望動機を掲げる人も多く、実現するための選択肢として電気工事士が浮上しています。
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第2位:電気分野や工事の仕事に興味があった(16票)
電気工事士の志望動機で2番目に多かったのは、「電気分野や工事の仕事に興味があった(16票)」です。
- 高校/専門学校が電気関係で電気工事士に興味があった(20代・飲食店アルバイト)(30代・自衛官)ほか
- 前職の仕事の関係で防犯機器の工事に興味を持った(30代・警察官)
- 賃貸営業をしていて、マンションのことを勉強するうちに電気分野に興味を持った(30代・不動産営業)
- 前職の製造工場で、故障対応に来てくれた電気工事士さんに憧れ転職を決意した(40代・製造業)
学生時代の経験や、前職での業務経験・接点が、電気工事士に興味を持つきっかけとなった人も多くいます。
電気工事士の仕事を身近に感じ、再スタートの選択肢に
ここでの志望動機は、「完全なゼロからの挑戦」というよりは「きっかけとなる経験があり、新たなキャリアの選択肢として踏み出したい」というパターンが多いです。
実際に電気工事士という職業を身近に感じた経験によって、仕事そのものに興味・憧れを持ち、自身の再スタート先として電気工事士を選んでいます。
第3位:仕事の安定性・安心感(13票)
電気工事士の志望動機で3番目に多かったのは、「仕事の安定性・安心感(13票)」です。
- 電気の分野は今後も絶対になくならないので(30代・資材営業)
- 現在の仕事に不安を感じるため、将来性のある仕事がしたい(40代・出版業)(30代・調理師)
- 資格を取得して長く働きたい(30代・介護士)ほか
電気工事士の仕事に安定性・将来性を感じ、転職先として選択する人も多くいます。
「インフラ」「国家資格」で不安を払拭
「電気の分野はなくならない」「将来性がある仕事がしたい」という言葉から、業界の安定性や将来性を重視して電気工事士を志望している人が多いことがわかります。
また、「資格を取って長く働きたい」という表現から、資格さえあれば安心という認識があることも読み取れます。「手に職」型の志望動機とも共通しますが、「将来の不安払拭」が志望動機の核になっています。
その他志望動機
ランキングでご紹介した以外にも、電気工事士への志望動機は数多くあります。
ものづくり・機械いじりが好き
- 趣味がDIYで、仕事でもモノづくりがしたかった(30代・飲食業)(20代・飲食業)
- 機械いじりが好き(40代・漁業)(40代・システムエンジニア)ほか
- 家電やラジコンが好きで好きなことを仕事にしたい(40代・芸能関係)
やりがいを感じたい
- 流れ作業ではなく、自分の技術に誇りを持って仕事がしたい(30代・工場勤務)
- 本当に熱中できる仕事がしたい(40代・経理職)
- ビルメンテナンスの仕事で関わった電気工事士に憧れを感じた(30代・ビルメンテナンス)
- 家庭の事情で電気工事士になることを諦めたが、住宅の電気工事をやるのが夢だった(20代・自衛官)
その他
- 職業紹介所に勧められた(30代・販売員)ほか多数
- 知人/親族が電気工事をしていた(40代・営業職)(30代・製造業)ほか
- 体を動かす仕事がしたい(30代・営業職)
- 地方移住を機に地域貢献がしたい(20代・営業職)
- 慎重な性格を活かしたい(10代・学生)
電気工事士を目指す人の前職

電気工事士を目指す方の前職についても調査したところ、多かったのは製造業・建設業でした。
前職:製造業が多い理由
電気工事を志望する未経験者の前職で最も多かったのは製造業です。
今回の調査では、全体の3割程度が製造業に該当しました。
製造現場は、機械のメンテナンスや設備保全、電気トラブルの対応など、電気に関わる場面が日常的にあることから、「電気についてもっと専門的に学びたい」と思いやすい環境です。
また、機械の組み立てなどの細かい作業は、電気工事の仕事と共通する部分も多く、電気工事の仕事を身近に感じやすいため、転職先として選ばれるきっかけになりやすいです。
前職:建設業が多い理由
電気工事を志望する未経験者の前職で2番目に多かったのは建設業(電気工事士を除く)です。
今回の調査では、全体の1割程度が建設業に該当しました。
建設業経験のある方は、電気工事の仕事が現場作業の延長線上であるため、転職先の候補として選択肢に入りやすいです。
また、現場仕事の中でも電気工事士は資格がないとできない仕事のため、価値を理解しやすく、リスペクトが生まれやすいです。
その他の職種
その他の職種では、営業職、飲食業、IT系技術職、介護職、運送業などを経験した方が複数名いました。
電気工事士になりたい意欲的な未経験者を採用したいのであれば、電気設備業界専門の求人サイトの利用がおすすめです。
編集部解説:電気工事士のイメージと採用戦略
電気工事士の採用活動には、「求職者が電気工事士という職業にどんなイメージを持っているか」を把握し、採用戦略を組み立てることが重要です。
志望動機別、効果的なワード
今回、志望動機ランキングで多かった3つのキーワード「手に職」「仕事への興味」「仕事の安定性」それぞれについて、求人広告や会社説明時に打ち出すと効果的なワードをまとめました。
求職者のイメージ | 採用戦略のキーワード |
手に職がつく | 資格取得支援、資格手当、定年後も活躍、独立 |
仕事への興味 | 未経験歓迎、キャリアアップ、職人デビュー |
仕事の安定性 | インフラ、人材不足、国家資格、なくならない仕事 |
このように、未経験から電気工事士を目指そうとしている求職者が、何をもって電気工事士になりたいのかを把握し、その背景から採用活動時に打ち出すキーワードを決めることが大切です。
共通キーワード「不安の払拭」に応える
多くの求職者が共通して電気工事士の仕事に求めていることは「将来の不安を払拭したい」ということです。「手に職をつけたい」「安定した仕事に就きたい」という希望は、現在抱えている未来への不安を払拭したいという気持ちから生まれています。
そのため、採用活動では自社の安定性や仕事の安定性、資格の有用性などを説明した上で、自社でどのようにスキルを積み、一人前の電気工事士として活躍していけるかを具体的にイメージさせることが効果的です。
一人前になるまでのサポート手段(現場での指導方法や資格取得支援制度について)を細かく説明し、求職者が明るい将来を描けるような説明を心がけましょう。
まとめ
今は別の仕事をしていても、自分の将来を見つめ直した際に電気工事士の仕事に興味を持つ方はたくさんいます。
電気工事士未経験者の志望動機にも多くあったように、電気工事士は手に職がつき、将来も安心して働くことのできる仕事です。
未経験者が電気工事士に対して持つポジティブな面を把握し、効果的にアピールしていきましょう。
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