東京武道館へ
11月26日、東京武道館で行われた「電気工事士技能競技大会」を見学してきました。
会場は、東京都足立区にある東京武道館。
会場付近では作業服を着た方も多く見られました。
今回で52回目を迎えるこの大会は、一般社団法人東京電業協会が主催しています。
開催式の様子
会場には選手以外にも、たくさんの観客が!
今回参加したのは、44名の社会人選手。
また、高校生や専門学校生が参加できる「チャレンジコーナー」には6組12名の選手が参加しました。
観客は、選手の所属する会社の社員や近くの高校の生徒などさまざまです。
***
開催式が終わると、選手たちはそれぞれの持ち場について競技開始を待ちます。
青、グレー、緑など、各社ごと異なるカラーの作業着を着た選手が並ぶ姿は、まるでオリンピックを見ているようです。
観客たちは間近で選手を見守ります。
選手と同じ作業着の先輩社員が、選手に応援の言葉をかける姿も見られました。
そしていよいよ午前9時半、競技開始!
競技のルール説明
では、ここで技能競技大会のルールを確認しておきましょう。
この大会には競技課題があり、施工図に示された通りに工事を行います。
課題図はこちらです。
採点の対象となるのは以下の項目です。これらと出来栄えを見て、総合的に評価されます。
◆ 法令に適合しているか
・配管の施工状況(管とボックスの接続、支持方法、曲げ半径、加工の状態など)
・ケーブルの施工方法(支持方法、曲げ半径、外装端の処理など)
・電線の接続(電線相互の接続状態および電線と器具との接続状態など)
◆ 競技課題と相違がないか
・誤結線、施工図や説明書とのずれ、施工図の寸法と誤差がないか
◆ 作業時間
・時間通りに作業ができているか(2時間40分以内で一律加点。採点が同一の場合は早く完成したものが優位となる)
◆ その他心得
・工具や免状の持参、服装、遅刻の有無など
競技の様子
競技が始まるとまずは作業板の上の材料を確認し、数量や不良品がないかを確認します。
その後の進め方は、選手によって異なります。
まず金属管を加工する選手や、先にボックスを組立てる選手など様々でした。
競技開始から1時間ほど経つと、会場全体に作業音が響き渡るようになります。
会場は白熱し、選手を見守る観客の目も真剣です。
9時半に競技がスタートし、2時間後の11時半ごろから作業完了する選手が出はじめました。
そして競技終了後、結果発表を待ちます。
結果発表
審査が入り、入賞者が発表されました。
44名のうち優秀な20名に「技能賞」が授与され、その中でも特に優秀な8名には「特別賞」も授与されます。
特別賞を授与された方についてはこちらの記事でご紹介させて頂いています。
大会の総評として、審査委員長からは「出来栄えは総じて良い。難易度の高い金属管についても良くできていて、全体的によく練習されていた」とコメントがありました。
参加された選手の皆さま、お疲れ様でした!
編集後記
今回、電気工事士技能競技大会を初めて見学させて頂き、若い技術者の方々が目の前で一心不乱に課題に取り組む姿に大変胸を打たれました。
人手不足、若手不足と言われる電気工事業界ですが、こうして若手が力を発揮できる場があると業界全体が盛り上がっていくように思います。
紙に描かれたものが技術者の手によって目の前で造りあげられていく。そんな光景を目にすることは、ものづくりの良さを知るこれ以上ない体験です。見学に訪れていた学生など、これから電気工事業界を志望する方々にも電気工事の仕事の魅力が充分に伝わったのではないかと思います。
とても素晴らしい大会でした。この大会がより多くの人に知られるよう編集部も微力ながらお力になれればと思い、レポートを作成させて頂きました。
コメント