電気工事士の年収は?労働時間は?気になる平均事情
「電気工事の仕事に興味があるけど、他の仕事と比べて待遇はどうなんだろう…?」と迷っている方や、「現役の電気工事士だけど、ウチの給料ってほかの会社と比べてどうなのかな?」とお考えの方。
平均を知ることは、今後のキャリアを決めるうえで非常に重要です。
この記事では「電気工事士の平均」に焦点を当て、平均年齢、平均年収、平均月収、また平均労働時間(平均残業時間)や平均勤続年数など、あらゆる平均データをご紹介していきます。
※ 本記事のデータは2023年7月時点で最新である「令和4年賃金構造基本統計調査 」より引用しています。
電気工事士の平均年収は459万円、平均月収は30万円
①月給平均 | ②賞与平均 | 平均年収(①×12+②) | |
電気工事士 | 30万5,200円 | 93万6,300円 | 459万8,700円 |
全業種平均 | 31万7,800円 | 81万8,700円 | 463万2,400円 |
厚生労働省の調査によると、電気工事士の平均年収は459万8,700円です。月給の平均額は30万5,200円で、賞与の平均額は93万6,300円です。
2022年の調査では、電気工事士の年収は平均より3万円ほど低いですが、一年前2021年の調査では平均を4万円ほど上回っていますので、電気工事士の年収は、ほぼ日本の平均年収と同じくらいと考えていいでしょう。
データで注意すべきなのは、これはあくまで日本全国の平均額であるということです。首都圏エリアは賃金が高い傾向にありますし、地方は安い傾向にあります。
参考に、他業界で働く方の平均月収、平均年収もご紹介します!
①月給平均 | ②賞与平均 | 平均年収(①×12+②) | |
医師 | 97万800円 | 113万5,700円 | 1,278万5,300円 |
飲食物調理従事者 | 23万7,400円 | 26万8,000円 | 311万6,800円 |
自動車組立従事者 | 28万6,200円 | 94万4,800円 | 437万9,200円 |
タクシー運転者 | 24万1,700円 | 8万4,100円 | 298万4,500円 |
電気工事士 | 30万5,200円 | 93万6,300円 | 459万8,700円 |
大工 | 27万4,600円 | 37万5,400円 | 367万600円 |
建築技術者 | 36万7,600円 | 128万1,200円 | 569万2,400円 |
土木技術者 | 35万1,700円 | 109万6,500円 | 531万6,900円 |
ビル・建物清掃員 | 20万3,900円 | 21万7,700円 | 266万4,500円 |
全職種平均 | 31万7,800円 | 81万8,700円 | 463万2,400円 |
自分にとって身近な職業や、知人・友人の職業と比較してみましょう。
この記事ではいくつかの職業をピックアップしてご紹介していますが、ほかに気になる職業がある場合はe-statという政府の統計情報サイトから確認することも可能です。
電気工事士の平均年齢は42.2歳
年齢(男女計) | |
電気工事士 | 42.2 |
大工 | 43.2 |
建築技術者 | 43.0 |
土木技術者 | 45.4 |
ビル・建物清掃員 | 54.7 |
全職種平均 | 43.4 |
電気工事士の平均年齢はズバリ、42.2歳です。
比較用に、他の職種の平均年齢も掲載しています。電気工事士は、建設業界の中では比較的平均年齢が若い職種と言えます。また、日本のすべての職種をひっくるめた全職種の平均年齢は43.4歳ですので、電気工事士は日本のすべての職種の中でもやや若手が多いということになります。
このデータを見て「ウチの現場は60代の大ベテランばっかりだけど…?」と驚いた方もいるかもしれません。この統計は北海道から沖縄まで日本全体の数字で出しているので、場所によっては平均とのズレが生じる場合もあります。若者が多い地域では平均年齢が若い傾向にありますし、そうでない地域では平均年齢は高くなる傾向があります。
電気工事士の平均勤続年数は12.9年
平均勤続年数 | |
医師 | 6.2年 |
飲食物調理従事者 | 9.6年 |
自動車組立従事者 | 13.4年 |
タクシー運転者 | 10.8年 |
電気工事士 | 12.9年 |
大工 | 12.8年 |
建築技術者 | 11.9年 |
土木技術者 | 12.9年 |
ビル・建物清掃員 | 8.1年 |
全職種平均 | 11.7年 |
電気工事士の平均勤続年数は12.9年です。
日本で働く労働者の平均勤続年数は11.7年ですので、電気工事士は国内の全職種と比較しても勤続年数が長い傾向にある職業ということになります。
建設業全般に言えることですが、技術を身に着ければ安定して長く働ける会社が多いことや、定年がなく、体が元気な限り働ける会社が多いことが勤続年数が長い理由のひとつではないかと推察されます。
電気工事士の平均労働時間は168時間、平均残業時間は16時間
平均労働時間(月間) | 超過実労働時間 | |
医師 | 167時間 | 14時間 |
飲食物調理従事者 | 168時間 | 13時間 |
自動車組立従事者 | 162時間 | 18時間 |
タクシー運転者 | 165時間 | 21時間 |
電気工事士 | 168時間 | 16時間 |
大工 | 180時間 | 9時間 |
建築技術者 | 172時間 | 16時間 |
土木技術者 | 168時間 | 14時間 |
ビル・建物清掃員 | 162時間 | 6時間 |
全職種平均 | 165.4時間 | 12.2時間 |
電気工事士の平均労働時間は、月間で168時間です。
全職種の平均と比較すると、電気工事士の労働時間は月間で3時間ほど多いですが、超過実労働時間(残業時間)は平均に比べて4時間ほど少ないため、労働時間はほぼ平均的と考えていいでしょう。
なお、2019年の調査時は、電気工事士の平均労働時間は173時間でしたので、そのころと比較すると労働時間は月間で5時間短くなっています。これは、建設業の週休2日(4週8休)が推進されていることや、建設業の残業時間の上限規制が始まったことなどから、業界内で働き方改革の動きが進んだことが原因と推察されます。一昔前は週休1日が当たり前だった建設業ですが、徐々に働きやすくなっていることがデータからわかります。
ちなみに、民間の調査ですが、2021年時点での電気設備業界の平均休日数は110.6日です。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
平均を知ることは、正しい評価につながる
「業界の平均はこのくらい」「ほかの職種の平均はこれくらい」というものさしがあると、自分の現在地を把握でき、今後のキャリアプランが立てやすくなります。
ぜひ、電気工事士の平均を把握していただき、自分の将来にお役立てください!
参考データ
厚生労働省:令和4年賃金構造基本統計調査
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