求人に関する法律まとめ!違法にならない求人をつくろう

求人に関する法律まとめ!違法にならない求人をつくろう

その求人、違法だらけ!?

求人情報を載せる際、給与や応募条件をなんとなく決めていませんか?

実は求人を載せるには細かいルールがあり、そのルールを知らずに募集をかけてしまうと後々トラブルになる危険性もあります。

電工魂では過去にもいくつか求人のルールに関してご紹介してきましたが、「違法にならない求人の作り方」をこの記事でまとめてご紹介します。

意外と知らない求人のルールを学んでおきましょう。

求人に必ず書く必要のある13項目

2021年6月時点で、求人に最低限載せなければならない項目は13個あります。

まずは、これらの項目をすべて記載しましょう。

求人サイトやハローワークに求人を出してもらう場合も、これらの情報は必ず聞かれるはずですので、自社の待遇について確認の上提出しましょう。

出典:厚生労働省

① 業務内容:「電気工事」「施工管理」「一般事務」など業務名を記載します。

② 契約期間:有期雇用契約の場合、契約期間を明記してください。契約期間が定められていない場合は「期間の定めなし」と書きます。

③ 試用期間:試用期間を設ける場合は期間を明記。設けない場合は「なし」と記載しましょう。試用期間中給与などに変動がある場合は期間中の条件もここに記載する必要があります。 ※ 試用期間って何?という方はこちら!

④ 就業場所:働く場所を記載します。職人で社外に行く場合は、「〒 XXX-XXXX 〇〇県××市111-1(事務所)及び、県内の各現場」というような書き方がいいでしょう。

⑤ 就業時間:法令を遵守した時間を記載しましょう(後項目で解説)。

⑥ 休憩時間:法令を遵守した時間を記載しましょう(後項目で解説)。

⑦ 休日:法令を遵守した時間を記載しましょう(後項目で解説)。

⑧ 時間外労働:法令を遵守した時間を記載しましょう(後項目で解説)。

⑨ 賃金:最低賃金を割らないよう、法令を遵守した時間を記載しましょう。

⑩ 加入保険

⑪ 募集者の氏名又は名称

⑫ 雇用形態:派遣労働者の場合はその旨明記する必要があります。正社員の場合も「正社員」と記載しておくと親切です。

⑬ 受動喫煙防止措置の状況:2020年4月から記載が義務付けられました。※ ルールの解説記事はこちら!

出典:厚生労働省 平成29年職業安定法の改正について

年齢制限/経験者募集など制限を設ける場合のルール

企業側は、求職者に条件を付けて募集をかけることも可能です。

主な制限は「年齢制限」と「経験や資格保有者に限定した募集」の2つです。

制限をかける際にこれだけは覚えておいていただきたいルールとして、

年齢と、実務経験の両方を求めることは基本的にできません。

・実務経験を求めるのであれば年齢は不問での募集にすることが必須

・年齢制限を設けるのであれば実務経験は不問での募集にすることが必須

ということになります(特別な理由に該当する場合両方求めることができるので後述します)。

◆ 長期勤続によるキャリア形成

「採用するならなるべく若い人に入ってもらって自社で長く働き活躍してほしい」と考える企業は多いです。このような考え方は、専門用語では「長期勤続によるキャリア形成」といいます。この理由から募集する人材に年齢制限をかける場合は実務経験を求めることができなくなります。上でご紹介した「年齢制限を設けるのであれば実務経験は不問での募集にすることが必須」というルールもこの決まりに沿っています。

また年齢制限に関してはできる限り多くの人に雇用の機会を与えるという観点から、積極的に制限を設けることは推奨されていません。できる限り間口を広げた募集にしましょう。

◆ 制限ルールの例外

「長期勤続によるキャリア形成」以外の理由がある場合、例外的に年齢制限と経験者募集を両立することができます

建設業で適用される代表的なルールは、「夜間作業」と「定年」の2つです。

・夜間の作業は法律で18歳以上の労働者のみと決まっているため、夜間作業を理由に年齢制限を「18歳以上」とすることと実務経験を両方求めることは可能

・企業で定めた定年がある場合、定年を理由にした年齢制限と実務経験を両方求めることは可能

ただし、このルールの場合制限する年齢を自由に設定することはできません。夜間作業を理由にする場合の年齢制限は必ず「18歳以上」とし、定年を理由にする場合は定年の年齢マイナス1歳(定年が60歳であれば59歳まで)に設定しなければなりません。

補足:実務経験が必須の資格に注意!

第一種電気工事士や電気工事施工管理技士など、取得に実務経験が必要な資格を応募の条件として記載することも、実質的に実務経験を求めているのと同じになります。長期勤続によるキャリア形成を理由とした年齢制限とと同時に求めることはできませんので注意しましょう。

◆ 年齢制限・経験者募集のルールについて詳細を知りたい方はこちら!

国籍・性別を限定することはできない

性別や国籍による制限は可能か?という疑問をまれに耳にすることがありますが、その答えはNOです。

日本国憲法では全ての人に「職業選択の自由」を保障しており、これを実現するためには、雇用する側が、応募者に広く門戸を開いた上で、適性・能力に基づいた基準による「公正な採用選考」を行うことが求められます。

また、日本国憲法(第14 条)は、基本的人権の一つとして全ての人に「法の下の平等」を保障しています。採用時の選考においても、人種・信条・性別・社会的身分・門地などの事項による差別があってはならず、適性・能力に基づいた基準により行われることが求められます。

◆ 選考基準にしてはNGなものの代表例

性別、国籍、出生地や本籍

宗教、支持政党、思想に関すること

家族に関することや住宅状況、家庭環境に関すること

求人に条件として掲載することはもちろん、面接で聞くこともNGです。気を付けましょう。

参考:厚生労働省 公正な採用選考を目指して(採用選考時に配慮すべき事項についてより詳細な解説があります)

給与/時間外労働のルール

給与は、基本給が最低賃金以下にならないことがルールです。

最低賃金は各都道府県によって時間当たりの賃金が定められています。月給制の場合、最低賃金以上の時間給×労働時間(休憩時間除く)×勤務日数分の基本給をきちんと支払いましょう。

残業代は、基本給(時給換算)×1.25倍の賃金を支払うというルールが基本です。時給1,000円の社員が残業をする場合、残業代込みの賃金は1,250円ということになります。また、残業が深夜に発生した場合は残業代+深夜割増賃金で基本給×1.5倍の賃金を支払う必要があります。

ただし、給与にあらかじめ残業代を含んだ固定残業代という制度を使う場合はその限りではありません。詳細は下記解説記事をご覧ください。

◆ 固定残業代についてのルールはこちら!

◆ 残業代・手当についての関連記事

就業時間・休憩時間・休日のルール

就業時間について、基本のルールは以下の通りです。

・労働時間は1日に8時間、1週間に40時間まで (8時間に休憩は含まない)。

・休憩は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、 8時間を超える場合は60分以上。

・休日は、週1日以上か、4週間を通じて4日以上。

◆ 週休1日の場合の注意点 

建設業では週1日休みの企業もありますが、その場合、週6日勤務で8時間労働にしてしまうと48時間の労働となり、週40時間以内のルールを超えてしまいます。

週6勤務の場合、所定の労働時間を40時間÷6日=6.6時間以下に設定する必要があります。

週6日/6時間勤務に設定したとして、8時間の作業が発生してしまった場合は2時間分に対して残業の割増賃金を1.25倍で支払う必要があります。

また、週5日/8時間労働に設定して休日1日分の作業が発生してしまった場合は下記の通り割増賃金を払う必要があります。

・土曜日(所定休日※)に休日出勤した場合:労働時間×「残業」の割増賃金1.25倍

・日曜日(法定休日※)に休日出勤した場合:労働時間×「休日」の割増賃金1.35倍

深夜残業が発生した場合は、その時間分だけさらに1.25倍する必要があります。

出典:東京労働局 しっかりマスター労働基準法 割増賃金編

※ 所定休日と法定休日:法定休日は毎週少なくとも1回(もしくは4週間に4回)必ず労働者に取得させなければならない休日。所定休日は法定休日以外に会社が労働者に与える休日。本記事では土曜日を所定休日、日曜日を法定休日と仮定。

有給休暇

有給休暇は、入社から6ヶ月間継続勤務し、その間の全労働日の8割以上出勤した労働者に対して必ず付与する必要があります。

勤続勤務年数によって最低限の付与日数も決まっており、日数は下記表のとおりです。

また、2019年に有給休暇に関する法律が改正され、有給休暇が10日以上付与されている労働者については、年間5日以上の有給休暇を取得させることが義務付けられました。

補足:有給休暇を休日数にカウントするのはNG!

求人には年間休日「110日」など休日数を表記する媒体もありますが、そこに有給休暇分を含んで計算すると、有給休暇をあまり取得できなかった社員の実際の休日数と求人の記載にズレが生じてしまいます。有給込みで計算するのはやめましょう。

◆ 有給休暇について社労士の詳しい解説はこちら!

法律を守ると会社も得する

求人について、細かいルールが多くあり、なんだか面倒くさい…と感じる方もいるかもしれません。

これらのルールは労働者を守るものではありますが、会社が労働者のための法律を守って採用活動をすることによって、結果的に社員が定着し会社も得をするという側面もあります。

求人と実際の労働の実態が違う!という不満は多く、裁判にまで発展することもあります。会社を守るためにも、ルールを守って求人を作成しましょう。

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