建設業の有効求人倍率
採用の難易度を知るための指標に「有効求人倍率」というデータがあります。このデータは厚生労働省から毎月発表されているもので、業界ごとや職種ごとに採用難易度を知ることができます。
直近では、2ヶ月前である2023年1月分のデータが公表されました。建設業界の有効求人倍率から読みとく業界の採用難易度を解説していきます。
有効求人倍率とは
・有効求人倍率とは…ハローワークで仕事を探している人の数に対して、ハローワークに掲載している求人の数がどれだけあるかから算出した指標のこと。
採用の難しさの指標となるデータが「有効求人倍率」です。
例えば、ハローワークに100人仕事を探している人がいたとします。これに対して、ハローワークに求人を載せている企業が100社なら、求人倍率は1.0倍。企業の需要と、働き手のバランスが取れた状態と言えます。
ハローワークに100人仕事を探している人がいたときに、ハローワークに求人を載せている企業が200社あると、求人倍率は2.0倍となります。この場合は人材を採用できない企業が多く出るため、企業の需要と、働き手のバランスが取れていない状態となります。
仕事を探している人の割合が増えれば就職難、働き手を探す企業が増えれば、採用難が起こり、有効求人倍率からその時代の採用/就職の難易度を測ることができるのです。
建設業の業種ごとに見る有効求人倍率(2022年6月~2023年1月分)
発表されたデータを抜粋してまとめました。比較のため、最新である2023年1月のデータに加えて2022年6月~12月分のデータも集計しています。
最新である2023年1月の有効求人倍率(除パート)は、建設躯体工事の職業で11.08倍、土木の職業で6.82倍、建設の職業で5.09倍、電気工事の職業で3.66倍です。参考に、建設業以外の業種も含む国内全業種の有効求人倍率(職業計)は1.33倍となっています。
データ分析~ピークは過ぎるも高難易度で推移~
まず、建設業界の職業は国内全業種の有効求人倍率(以下、職業計)に比べて倍率が全体的に高く、採用難易度の高い業界であるという傾向は変わりません。
最新データでは、職業計1.33倍に対して、建設躯体工事の職業は11.08倍。建設躯体工事の職業では、職を探している方1人に対して求人が11.08社も存在し、単純計算で11社に1社しか採用ができないということになります。
職業計の有効求人倍率は、2022年12月に最高値である1.36倍を記録しています。職業計と連動して建設関連職業の倍率も高まり、12月が直近で最高の倍率であった建設関連の職業も多くあります。
2023年1月の求人倍率は2022年12月と比較するとやや落ち着いていますが、それでも高い難易度で推移している状態です。今の時期に本気で人材の獲得を考えるのであれば、採用の場をハローワーク以外に広げるなど、網を多く張った採用活動が必要です。
参考資料
厚生労働省:一般職業紹介状況
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