また、雇った人が数カ月で辞めた!
お金を払って有料の求人サイトに登録。なんとか採用ができたけど、雇った職人がどんどん辞めて、数ヵ月後には誰も残っていない…
職人の早期離職はこの業界ではよく聞く話ですが、実は採用の段階である程度「辞める人材」「辞めない人材」をふるいにかけ、早期離職の可能性を減らすことができます。
「なんでウチで雇った職人はすぐ辞めるんだ!?」とお悩みの方は、ぜひこの記事を読み、採用の方法を見直してみてください!
職人はなぜすぐ辞めてしまうのか
職人はなぜ、せっかく入社した会社をすぐに辞めてしまうのか?
その答えはズバリ、ギャップに耐えられなくなったからです。
入社前に抱く会社のイメージと、入社後に働いてみてのイメージが食い違うと、「こんなはずではなかった!」というギャップが生まれ、「自分の居場所はここではない」「早く辞めたい」という気持ちに繋がります。
このギャップをいかに少なくするかが、職人がすぐ辞めるのを防ぐコツと言えます。
ギャップを減らす採用術
自社に新しい職人さんを迎えるまでには3つのプロセスがあります。
入社までのプロセス
① 求人広告掲載
② 面接
③ 選考→採用・不採用決定
この3つのプロセスそれぞれに、入社後のギャップをなくすため工夫できるポイントがあります。以下で、各プロセスごとのポイントを解説していきます。
求人広告のつくりかた
どんな人が応募してくるかを左右する求人広告。
求人広告のつくり方は、その後の採用にも影響するため非常に重要です。
自社のイメージを間違いなく伝えることで、入社後のギャップを防ぎましょう。
入社前後でギャップの出ない求人広告のつくりかた
◆ 求人広告でウソをつかない
あたりまえのことですが、求人広告にウソを書くことは厳禁です。
特に給与やお休みの日数など数字で表す情報は、求人とずれがあると入社後に必ず大きなギャップとなって不信感、早期離職に繋がります。
よくあるのは、ウソをついているつもりでなくても「お休みって確か120日くらいだったかな?」という憶測で情報を記載してしまうことや、「前回出した求人票をそのまま使っておいて!」と言われ掲載したが昔とは条件が変わっていたなど、結果的に誤った情報を掲載してしまうパターンです。
情報に誤りがないかどうか見直した上で、求人広告を掲載しましょう。
◆ 仕事内容はなるべく細かく書く
仕事内容は、一日の流れがイメージできるようになるべく多くの情報を掲載しましょう(工事の内容、建物の種類、新築か改修かetc…)。
また重要なのは、「朝の集合時間」や「現場は事務所からどの程度離れているのか」、「泊まりがけの出張はあるか」などの、実作業以外にかかる手間の情報です。
職人にとっては、朝自宅を出た瞬間からプライベートの時間は終わっています。
そのため、「年に数回は泊まりがけの出張があります」など 職人に課されることは求人に記載しておくことでギャップが生まれるのを防ぎます。
※ しかし、限りあるスペースに大変なことばかりを記載するとそもそも全く応募が来ないということもありえます。その場合面接時にしっかりと説明すれば、求人広告からは除外しても構いません。
◆ 会社方針や雰囲気、社員の年齢構成などを書く
社員の退職理由として常に上位にあるのが、人間関係。会社はどんな年齢層の人が働いていて、どんな雰囲気なのかということを事前に開示しておくことで、入社後にギャップが生まれるのを防ぐことができます。
◆ ポジティブなことだけではなく、大変なことも正直に書く(RJP理論)
応募を待つための求人広告ですから、基本的には会社の魅力が伝わるようにポジティブなことを書きます。しかし、大変なことも正直に書くことで入社後のギャップを防ぐことができます。
このように、現実的な仕事情報を事前に開示しておくことは「RJP理論( Realistic Job Previewの略)」と呼ばれています。アメリカの産業心理学者によって唱えられている理論で、結果的に仕事に適した人材を定着させることに繋がるとされています。
求人広告の作成に迷ったら、プロに任せてみる手段もあります。電気設備業界専門の求人サイトのご利用もご検討ください
面接の方法
求人広告作りの次は、面接です。
面接は「相手のことを知る」というイメージが強いかもしれませんが、実際には相互理解の場です。
面接の時間は会社のリアルな雰囲気を感じてもらえるチャンスです。
ここで入社後のイメージをしっかりと持ってもらうことで、入社後のギャップを防ぎます。
会社の事をよく知ってもらうための面接のコツ
◆ 自社について紹介する時間を設ける
面接では相手の経歴や人柄など聞きたい事が沢山あるかもしれませんが、相手のことを知るだけで終わりにせず、会社のことを説明する時間もきちんと設けるようにして下さい。
自社の仕事内容や、求人内に書いた待遇の再確認、また働いている社員の紹介などを丁寧に説明することで、会社への理解が深まり、ギャップをなくすことができます。
面接の際、大まかに時間を決めておいて「質問20分、会社の説明20分…」と時間を意識して面接を進めると、時間が足りなくなるのを防ぐことが出来ます!
◆ 会社見学または現場見学の時間を設ける
入社後をイメージしてもらうには、実際に会社を見てもらうのが一番手っ取り早い方法と言えます。
面接の際、余裕があれば事務所を見てもらうのも入社後のイメージがわきやすくなり効果的です。
また、業界経験がない方を採用する場合は実際に現場を見てもらうのも非常に効果的です。
現場に社員以外を連れていくのが難しいという場合は、普段使っている工具で仕事の実演をするなどでも同様の効果が得られます。
選考の方法
面接を実施したら、どの人を採用しようか選考を進めます。
自社で長期的に活躍してくれる人材はどんな人か、見極めるためのコツを紹介します。
自社で長く活躍してくれる人材を見極めるには
◆ 会社に興味をもってくれた理由を整理する
面接時に聞いた志望動機から、「もし入社したら能力を活かして活躍してくれそうか?」「毎日やりがいを感じながら働いてくれそうか?」ということを考え、長期的に活躍してくれるビジョンが見える方を選びましょう。
◆ まかせる仕事は、面接者の能力に対して過剰/過小ではないか?
面接者のこれまでの経歴と照らし合わせて、任せる仕事は適当かを考えます。
例えば現場で教える人がいない状況で未経験者を雇ってしまっては、任せる仕事が本人の能力に対して過剰になってしまうため、耐えきれずすぐに辞めてしまう事態に繋がります。
反対に、面接者がこれまで豊富に経験を積んできた方で「ウチの仕事じゃ物足りないのでは…?」と感じる場合も注意が必要です。当人が仕事内容について充分に理解しきれていない可能性が考えられる場合は「当社の仕事は◎◎で、いままでのご経験からすると少々物足りなく感じるのではないかと心配しておりますが、大丈夫でしょうか?」と、ストレートに確認してみることをおすすめします。
◆ 現場で働く 職人たちに溶け込んでいけそうか?
面接者の雰囲気や経験、年齢、人柄を整理して、現場で働いている職人たちに溶け込んでいけそうかどうかを考えます。ただ「気が合いそうか」というよりは、「目標に向かって一緒に頑張っていく事ができそうか?」という視点で判断してみて下さい。
まとめ:すぐ辞める職人さんを出さないために
せっかく採用した職人さんがすぐ辞めてしまっては、採用にかけてきた時間やお金が無駄になってしまいます。
「すぐにでも人が欲しい!」という状況になってしまうと、なかなか選考の時間を取ることができません。採用をお考えの際は、ぜひ時間に余裕を持って求人を出し、自社で長期的に活躍してくれる人を迎えられるようにしてください!
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