建設業界で必要な新人教育とは
どんな業界でも「新人教育」は重要。しかし、建設業界には「まずは現場に出てもらわないと始まらない!」という考え方が根強く残っています。
実は若手社員は現場に行く恰好や挨拶の仕方、など、意外なところに不安を抱えています。そのため事前に新人教育をして不安を解消しておくことは大切なのです。
今回は現場に出る前に1日時間を取ればできる、建設業界で働くための新人教育を解説していきます。
【建設業版】1日の新人教育で得られる効果
入社初日から「とりあえず現場に出てよ!」と言うと、新人さんは混乱してしまいます。その理由は、入社した直後は現場作業のやりかたを覚える以外にも、一緒に働く人の名前であったり、社内のルールであったりと知っておかないと不安なことがたくさんあるからです。
そこで少なくとも1日、会社や現場のルールを知るための研修を設けることをおすすめします。
こうすることで新人さんは余計な不安を抱かずに現場での仕事に集中することができるうえ、事前に会社のルールを教えておくことで先輩たちになじむのも早くなり、円滑な人間関係を築くことにも繋がります。
【建設業版】新人教育で実践した方がいいこと
新人教育ではどんなことを教えたらいいのかを解説していきます。
現場に行くときの身だしなみ・もちものを教えておく
まず、現場に行く際の身だしなみやもちもののルールは事前に教えておきましょう。
「靴は安全靴で」「作業着は会社指定のものを着用で腕まくりは禁止」など、新人さんが建設現場に出る際に「どんな格好で行ったらいいんだろう?」と悩むことがないように、しっかりと教えておくことで不安が解消されます。
また、工具や筆記用具など現場に持っていくものがある場合はそちらも連絡しておきましょう。
「建設現場に作業着で来るのは当たり前」「工具を持ってくるなんて当たり前」と思っていても、転職してきたばかりの人にとっては当たり前ではありません。きちんと伝えることが大切です。
現場で使われているあいさつを教えておく
現場で、シーンごとに決まったあいさつがある場合は事前に教えておきましょう。
・朝事務所に入る時は「おはようございます」
・途中から現場に入る時はどんな時間でも「お疲れ様です」
・休憩に入る時は「休憩頂きます」
・現場から事務所に戻った時は「戻りました」
・帰る時は「〇〇、お先に失礼します。お疲れ様でした」
など、会社で社員たちが使っている挨拶を教えておくことで新人さんもすぐに会社の一員としてなじむことが出来ます。
特に若い世代は「自分だけなじめていない」ということに敏感で、不安を抱きやすいものです。挨拶のルールはもちろん、それ以外にも会社の独自ルールがあれば早めに教えてあげましょう。
電話応対を教える
電話応対はお客さんに気持ちの良い対応をするためにも事前に教えておきたいところです。
今の若い世代は普段電話連絡をほぼしないという人も多く、電話に出ることに苦手意識を持つ人もいます。そのため、できればマニュアルを作成して新人さんが入ってきた時に簡単に教えられるようにしておくといいでしょう。
◆ マニュアルの作成例
・電話が鳴ったら、3コール以内にとる
・電話を取ったら、「お電話ありがとうございます。●●電気の××でございます」と言う。
・お客様の要件と、つなぐ人の名前を聞いたら「ただいま△△に変わりますので少々お待ち下さい」と言って保留ボタンを押し、静かに受話器を置く。受話器を置いた後に担当の社員を呼んで、お客様の社名、名前と要件を伝える。
・担当の社員が出かけている場合は「申し訳ございません。△△はただ今席を外しておりまして、折り返しご連絡致しましょうか?」と聞く。
・折り返しの連絡が必要な場合「それでは折り返しの電話番号をお伺いしてもよろしいでしょうか」と聞き、電話番号と会社名、担当者名をメモする。
・相手が「またかけますので折り返しは不要です」と言った場合も、社名と担当者名は聞いておき、電話があったことを担当の社員に伝える。
建設業・建設現場での心構えを教える
実作業は現場で教えるのが一番ですが、現場での心構えやルールについては新人教育として現場に入る前に教えておきましょう。「こんなことがあったらどうしよう?」という新人さんの不安を、なるべく先回りして解消することで、現場に入った時により作業を覚えることに集中できるようになります。
◆ 教えるべき現場でのルール例
・現場に入って、自社の社員がまだ来ていなくても他社の職人さんがいる場合は「おはようございます、××電気です。よろしくお願いします」と挨拶をしにいく。
・作業前に私物の携帯電話は音が鳴らないようにしておく。
・見習い期間は社員の○○さんが中心となって教えてくれるので、○○さんについていくようにする。
・もしも他の会社の職人さんになにか質問されたら「責任者に確認してきます」と言って、○○さんに聞きにいく。
・作業は安全を何より優先する。任された作業でも、やり方がわからなくなったり不安がある場合は抱え込まず、担当の○○さんに確認しに行くようにする。
1日の新人教育で建設業への不安は解消される
建設業界がはじめての新人さんは、多くの不安を抱きながら会社にやってきます。そういった不安を現場に入る前にできる限り解消しておくことで、現場作業に集中して取り組むことができるはずです。
ぜひ、現場に入る前に新人教育を実施してみてください。
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