建設業、約9割が下請けとの契約不適正…メモ・口頭による契約目立つ

建設業、約9割が下請けとの契約不適正…メモ・口頭による契約目立つ

令和2年度 下請取引等実態調査

国土交通省及び中小企業庁は今月19日、令和2年度下請取引等実態調査の結果を公開しました。

同省では、建設業法の規定に基づき、建設工事における下請取引の適正化をはかるため、下請取引等実態調査を毎年実施しています。

令和2年度の調査結果を見ていると、依然として下請けとの契約を適切でない方法で結んでいる業者が多いことが分かりました。

結果の概要や、問題点について、次の章より解説していきます。

調査概要

1.調査の概要
・調査対象業者:18,000 業者(うち回収業者数:13,479 業者、回収率 74.9%)
・調査方法 :郵送による書面調査(令和2年10月22日~令和2年11月30日)
・調査対象期間:令和元年7月1日~令和2年6月30日における取引
・調査内容 :元請・下請間及び発注者・元請間の取引の実態等、消費税の転嫁に関する状況、技能労働者への賃金支払状況 等

出典:国土交通省

調査は1.8万社に行われ、「元請と下請間」の取引や「発注者と元請間」の取引の実態、消費税の転嫁に関する状況、技能労働者への賃金支払状況などについて、適正な取引がなされているかを調べたものです。

※ すべての調査項目と結果については 令和2年度下請取引等実態調査結果(詳細版)(令和3年3月19日)からご覧いただけます。

下請けとの取引「すべて適正」わずか10%

工事を下請に発注したことのある建設業者(11,499 業者)のうち、対象となる28の調査項目に対し、全て適正な取引を行っていると回答した業者は わずか10.9%

つまり、およそ9割の業者は、下請けとの契約の際に何かしら不適正な方法をとっているということになります。

「すべての契約方法が適正である」と回答した業者は昨年の9.0%からは増加しているものの、依然として下請けとの取引の際、適切でない契約が結ばれていることが分かる結果です。

メモ・口頭による契約が未だ目立つ

なかでも、「契約方法」においては不適正が多く、特に知事・一般建設業ではその傾向が強く見られます。

今回の調査では、知事・一般建設業のうち約60%が不適正な契約方法を行っているという結果になりました。

その内、18.8%が「メモ又は口頭による契約」を行っていると回答しています。

契約書がないと、後に言った言わないでトラブルになることがあるため、必ず契約書を取り交わしましょう。

出典:国土交通省

契約書のない請負契約は法律違反?

結論から言うと、書面のない請負契約は法律によって禁止されています

書面によらない契約は、元請負人、下請負人ともに建設業法第19条違反になります。民法上、請負契約は口約束でも成立しますが、内容が不明確、不正確で、言った・言わないの話しになりがちで、後日の紛争の原因となります。必ず書面で、着工前に契約書を取り交わしましょう。
契約を変更する場合にも変更契約の内容を適正に書面化し、署名又は記名押印
して相互に取り交わしておかないと、同様に紛争の原因となります。

出典:国土交通省九州地方整備局 適正な下請け契約のために

民法上では口頭でも請け負い契約は成立するのですが、建設業法で書面のない請負契約が禁止されているのです

契約書のない請負契約は、元請け・下請けともにトラブルを抱えるリスクを背負うことになります。

馴染みのある取引先などでは、だんだん契約関係がないがしろになってしまうこともありますが、トラブルを回避するため、堅苦しく感じても書面による契約を結んでおくことが結果的に両者が信頼関係をもって取引を続けられることにつながります。

適切な契約は、元請け・下請け両者を守る

今回の調査で不適正な契約方法を取っていたおよそ1万の業者には指導票が送付され、正しい方法で契約するよう指導が行われました。

不適正な取引は、元請け・下請けのどちらかが得をするものではなく、互いにリスクを背負う行為です。

まだまだ古い慣習により適正でない取引が行われています。

自分の会社を守るためにも、一度立ち止まり契約方法について見直す機会が必要です。

契約方法については、 こちらに詳しくルールが記載されています。ぜひ一度、目を通してみてください。

参考資料

国土交通省: 建設業取引の改善に向けて約1万業者に指導票を発送~令和2年度 下請取引等実態調査の結果~

国土交通省: 令和2年度下請取引等実態調査結果(概要版)(令和3年3月19日)

国土交通省九州地方整備局: 適切な下請け契約のために

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