2022年、企業の設備投資計画
帝国データバンクは5月18日、「2022年度の設備投資に関する企業の意識調査」の結果を公開しました。この調査は、全国の大企業・中小企業計1.1万社の回答を元に、今年度の設備投資計画を尋ねたものです。
調査結果によると、2020年、また2021年の調査時に比べ設備投資に積極的になる企業は増加傾向にあるものの、円安・原料高の影響から依然として設備投資に消極的な企業が多いようです。現在の動向について知っておきましょう。
「設備投資計画がある」は58.9%
2022年度に設備投資を行う予定(計画)が『ある』と回答した企業は58.9%。2021年4月の58.0%から 0.9 ポイント増加するにとどまりました。
設備投資の予定計画が『ある』と回答した企業を規模別・業界別に見てみましょう。規模別では「大企業」が 72.0%で2.3ポイント増加したのに対し、中小企業は0.7%の増加にとどまり、小規模企業では昨年よりも1.2ポイント減少しています。業界別では農・林・水産が9.7ポイントと大幅に増加している一方、小売は5.1ポイント低下しています。
「設備の代替」がトップ・デジタル投資も増える
設備投資の内容についてのアンケートでは、「設備の代替」が 41.5%でトップでした。次点が「既存設備の維持・補修」(32.5%)です。設備投資計画ではもともとある設備を新しいものに変えたいと考えている企業が最も多いということになります。
また、デジタル投資を計画する企業が増えている点にも注目です。「情報化関連」か「DX」のいずれかを選択した、デジタル投資を検討している企業は 34.3%に及んでいます。
設備投資を「行わない」理由
設備投資を「予定していない」企業の理由上位10項目では、「先行きが見通せない」が 53.0%と最も高い結果となっています。
さらに、今年は「円安により燃料価格が高騰し、収益を圧迫させることが想定され、安易に設備投資は出来ない」(一般貨物自動車運送)、「同一作業機械設備が 10 年、20 年前と比べて非常に高くなっている。さらに原材料高騰で金額が上がっているので予算が合わない」(金属製建具工事)といった、円安や原料高などによる先行きの不透明感を設備投資を予定しない要因にあげる企業が目立ちました。
コロナ不況から円安・原料高不況へ
新型コロナによる先行きの不安感が解消されないうちに、円安や原料高の高騰が重なり、企業の設備投資への意識は慎重な状態が続いています。
客先の動向によっては、新たな客層を広げることや、設備投資に積極的な業種との取引を開拓することも重要となります。現在取引のある業種の設備投資への意識を知り、今後に備えましょう。
参考資料
帝国データバンク:2022年度の設備投資に関する企業の意識調査
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