【法改正済】使用禁止の安全帯と2024年も使える新規格の墜落制止用具を確認!

建設ニュース

2022年1月の労働安全衛生法改正により、これまで認められていた安全帯は一部使用禁止になりました

2024年6月現在は、旧来の安全帯のうち、胴ベルト型(U字つり)に関して使用が禁止されており、フルハーネスなど新規格の墜落制止用器具の着用が義務付けられています。

2024年以降も使える安全帯の新規格
出典:厚生労働省

この記事では、

2024年現在も使える安全帯の規格

新規格に関するルール解説

フルハーネスに関するよくある疑問を解消するQ&A

などをご紹介しています。

安全帯は「墜落制止用具」に名称変更済み

法改正により、「安全帯」の名称は「墜落制止用器具」に変わりました。

これはあくまで法令用語としての変更であり、現場で従来通り「安全帯」と呼ぶことは問題ありません。

U字つりの安全帯は使用禁止に…新規格図解

安全帯の新規格
出典:厚生労働省

2024年現在、「墜落制止用器具」として認められる器具は、下記2つの型のみです。

・胴ベルト型(一本つり)

・ハーネス型(一本つり)

従来安全帯として認められていた胴ベルト型(U字つり)は、墜落を制止する機能がないことから、2022年1月以降使用が禁止になりました

例外的に、フルハーネス型と併用する場合はU字つり胴ベルトを使用することができます。

U字つり胴ベルトのみを着用して現場作業を行わないようご注意ください。

2024年も使える墜落制止用器具(安全帯)はハーネス型と胴ベルト型(条件あり)

2024年6月現在、使用可能な墜落制止用器具は、ハーネス型(一本つり)と胴ベルト型(一本つり)ということになりますが、胴ベルト型(一本つり)は使用できる現場に条件がありますので、こちらも注意が必要です(次の項目で解説)。

【新規格ルール】原則フルハーネス、胴ベルト型は高さ制限あり!

フルハーネス図解
図:フルハーネス(厚労省出典)

墜落制止用器具は、フルハーネス型が原則となります。

2m以上の作業床がない箇所または作業床の端、開口部等で囲い・手すり等の設置が困難な箇所の作業での墜落制止用器具は、フルハーネス型をご使用ください。

胴ベルト型(一本つり)を使用できる現場には条件があり、フルハーネス型の着用者が墜落時に地面に到達するおそれのある場合(高さが6.75m以下)に限り、「胴ベルト型(一本つり)」を使用できます。*

*一般的な建設作業の場合は5mを超える箇所、柱上作業等の場合は2m以上の箇所では、フルハーネス型の使用が推奨されます。

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墜落制止用器具は体重により規格を変更

墜落制止用器具は、着用者の体重及びその装備品の重量の合計に耐えるものでなければなりません。重量の合計によって85kg用または100kg用を選定する必要があります(100kg以上の場合は特注品が必要となります)。

墜落制止用器具の買い替え基準は?

新しい規格の墜落制止用器具には、下記2つの廃棄基準が設けられています。

・墜落制止用器具の点検・保守及び保管は、責任者を定める等により確実に行い、管
理台帳等にそれらの結果や管理上必要な事項を記録しておくこと。

・一度でも落下時の衝撃がかかったものは使用しないこと。また、点検の結果、異常が
あったもの、摩耗・傷等の劣化が激しいものは使用しないこと。

特に「一度でも落下時の衝撃がかかったものは使用しないこと」という点は覚えておいていただき、本来の機能が失われた状態で使用を続けないよう注意してください。

フルハーネスQ&A

フルハーネスQ&A

以下、フルハーネスに関するよくある質問について、特に覚えておきたい回答をピックアップしてご紹介します。

高さが異なる作業場でのフルハーネス使用

Q:高さ 6.75 メートルを超える箇所での作業と、高さ 6.75 メートル以下の箇所での作業が混在するとき、常時フルハーネス型を使ってもよいか。

A:問題ありません。
フルハーネス型は高さによる使用制限はなく、「墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン」(平成 30 年6月 22 日付け基発 0622 第2号)「第4 墜落制止用器具の選定」の「1 基本的な考え方」においても、「墜落制止用器具は、フルハーネス型を原則とすること」とされています。さらに、取付設備の高さや作業者の体重に応じたショックアブソーバのタイプとランヤードの長さ(ロック付き巻取り器を備えるものを含む。)を適切に選択することも必要です。

※ 出典:厚労省 墜落制止用器具に係る質疑応答集

外国産の製品について

Q:外国で製造されたフルハーネス型や一本つり胴ベルト型は使用できるのか。

A:新規格に適合しているものについては使用可能です。
新規格に適合していないものについても使用できる場合がありますが、新規格に適合するものと同等以上の性能又は効力を有していることにつき、厚生労働省労働基準局長の認定を受け、新規格第 10 条に基づく適用除外に該当する必要があります。新規格のどの部分に適合せず、またその部分が新規格と同等以上の性能又は効力を有していることを確認の上、お近くの都道府県労働局にご相談ください。

※ 出典:厚労省 墜落制止用器具に係る質疑応答集

購入に補助金は利用できるか

Q:フルハーネスを購入するにあたって補助金が利用できるという話を聞いたことがあるが、今でも利用可能か。

A:2024年6月現在は利用できる補助金はありません。かつては「既存不適合機械等更新支援補助金」という制度がありましたが、事業が終了しています。

新規格の墜落制止用器具をつかっているか確認を!

2024年6月現在、胴ベルト型(U字つり)の安全帯は使用が禁止されています。現場で働く作業員全員が新規格に適した墜落制止用器具が使っているか、定期的に確認を行いましょう。

また、新規格に沿ったを墜落制止用器具を使用している方も、体重+装備品を合計した重さの規格に適した墜落制止用器具を使用できているかどうかや、廃棄の基準に該当していないかを再確認していただき、安全性が十分に確保された状態で作業ができるようにしましょう。ご安全に!

参考資料

厚生労働省:「安全帯の規格」を改正した新規格「墜落制止用器具の規格」を告示しました

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