クリックされなければ始まらない
職人を採用しようと思った時、インターネットの求人サイトやハローワークに求人を載せても、なかなか応募が来ないことがありますよね。
職人不足の時代、採用に時間がかかるのは仕方のない部分もありますが、自社の求人がそもそも職人さんに見られていないとしたら、それは大問題です。
人手不足の業界では常に求人を出している企業が多くあり、人材を獲得するにはまず、自社の求人広告をクリックして詳細を見てもらわなければ始まらないのです。
調査をしていると、職人が注目しやすい求人の特徴として7つの要素が判明しました。
求人を出している方やこれから求人を検討している方は、ぜひこの7要素が自社の求人に入っているかチェックしてみてください。
クリックしたくなる求人7つの要素
電工魂の兄弟サイト「 工事士.com」の求人から、クリックされる率の高い求人を分析し、どのような情報を書いた求人なら詳細が見たくなるかを調査した結果、以下の要素をクリアしていることが多いことがわかりました。◆ 注目されやすい求人7要素
① 写真:オリジナル写真かつ、人物の顔が見えている写真が載っている
② 給与:未経験者は月25万円以上、経験者は月30万円以上のハードルをクリアしている(※ 東京都基準)
③ モデル給与:モデル給与の記載がある
④ 残業時間:残業時間の具体的な記載がある
⑤ 勤務時間:残業が月平均20時間以下のハードルをクリアしている
⑥ 応募条件:資格・経験ともに不問の募集である
⑦ 休日:土日祝休みのハードルをクリアしている
項目ごとの詳細は次から解説していきます。
写真:クリックされやすい写真とは?
実は、この写真選びこそ7つの要素の中で最も重要に考えてほしいところ。
その理由は、給与や休み、勤務時間などは会社の方針もあるため簡単に変えることができませんが、写真であればどんな会社であっても撮影することができるからです。
加えて、建設業界の方は傾向として写真に写ることが苦手な方が多く、顔の載っていない写真やフリー素材で済ませてしまう企業も多いのです。
待遇に自信のない企業が、他の企業との競争を勝ち抜き多くの職人の注目を集めたいのであれば、良い写真を撮影して求人に載せることが最も効果的な作戦と言えるでしょう。
◆ いい写真の条件とは
求人に載せる良い写真の条件とは、「オリジナル写真かつ、人物の顔が見えている」ことです。
オリジナル写真とは、フリー素材でなく、自社で撮影した写真のこと。
人物の顔が見えている写真とは、社員が笑顔で写っている写真など実際にいる社員の表情が分かる写真のことです。
求人に載せがちなのが、会社の外観やロゴマークなどですが、それらの情報よりは社員の顔写真の方が転職先を探している職人に注目してもらうことができます。
◆ 以下の記事でより詳しく効果的な写真選びを解説しています!
給与:未経験者・経験者の給与額
給与では、未経験者は月25万円以上、経験者は月30万円以上のハードルをクリアしている場合にクリック率が高くなる傾向にあります。
こちらは東京都を基準にした場合ですので、地方だともう少々低くなります。
地方のおおよその目安は下記の通りです。
・大阪府:東京と同程度
・埼玉、千葉、神奈川、愛知:東京基準マイナス2万円程度
・その他地域:東京基準マイナス5万円程度
以前、電工魂で首都圏未経験者の平均給与を算出したところ、平均額は21.9万円でしたが、集計すると20万円台に設定している企業と25万円台に設定している企業が抜きんでて多いという傾向が見られました。
このグラフから言える重要なことは、給与を平均額である21.9万円に設定したとしても、多くある25万円台の求人と比べて見劣りしてしまい、求人の詳細が見られにくいのです。
給与の改定は会社の方針もあるので難しいかもしれませんが、例えば今未経験者の給与を24万円に設定しているような企業であれば、1万円プラスすることを検討するのも手だと言えます。
◆ 以下の記事でより詳しく給与について解説しています!
モデル給与:記載はあるか
求人媒体にもよりますが、「モデル給与」という項目を設けている媒体も多く、この情報もクリック率に大きく影響します。
モデル給与とは、例えば「未経験入社2年目25歳:年収320万円」というように、実際に働いたら給料がどのくらいもらえるのかのイメージを書く項目です。
入社してどのように昇給していくかは職人さんたちも気になるところですから、書かない手はありません。記載できる媒体では必ず記載しましょう。
社員の個人情報だからと書くのをためらう方もいますが、あくまでイメージのため正確に給与支払いの実態を書く必要はありません。
金額や入社時期を多少ぼかしてどの社員の情報なのか特定できないようにして書けば社員のプライバシーも守れ、求職者にはリアルなイメージを持ってもらうことができます。
残業時間:記載があるか/平均20時間以下であるか
残業時間は、まず「月平均〇時間」という平均残業時間が記載されている求人の方が注目される傾向にあります。
加えて、月の平均残業時間が20時間以下であれば、残業が少なめであるとみなされ、なお詳細を見たくなる人が多くなります。
残業が20時間以下である場合は、必ず記載するようにしましょう。
建設業は繁忙期かそれ以外かによって残業時間にばらつきが出ることもあります。あくまで平均の残業時間なので1年間の平均を計算しても構いませんが、その場合は補足で「繁忙期は平均30時間。それ以外は平均5時間」など分けて記載するとイメージもつかみやすく親切です。
応募条件:資格・経験ともに不問の募集であるか
応募の際に「電気工事経験必須」「第二種電気工事士の資格必須」など条件を設定することもありますが、基本的には資格・経験不問での募集にした方が注目が集まります。
応募できる人の母数が増えることも要因ですが、「少し経験はあるけど自信のない人」をはじかないためにも、なるべく間口は広めにして募集した方がいいでしょう。
休日:土日祝休みのハードルをクリアしているか
やはり休みの多い企業には注目が集まります。土日祝休みであれば積極的にアピールしましょう。
おおよその目安として、年間の休日数が110日を超える企業であれば、キャッチコピーなど目立つところに休日数を記載し積極的にアピールするといいでしょう。
あまりお休みが取れない企業であれば、ほかの要素をPRしていった方がいいでしょう。
求人に工夫をしても閲覧が増えない・応募が来ない場合はプロが原稿を作成する電気設備業界専門の求人サイトの利用もおすすめです。
自社の求人は何点?チェックリスト
現在求人を作成している方、すでにどこかに求人を掲載している方向けに、上記の「注目される傾向」が何点であるかを計算するチェックリストを作成しました。
〇=2点 | △=1点 | ×=0点 | |
写真 | オリジナル写真かつ、人物の顔が見えている | オリジナル写真かつ、人物が写っているが、顔が見えない | サンプル写真を使用している、もしくは、オリジナル写真だが人物が写っていない |
給与※1 | 「未経験月25万円以上、経験者月30万円以上」のハードルをクリアしている | 未経験者・経験者のどちらかがハードルをクリアしている※2 | ハードルをクリアしていない |
モデル給与 | 記載がある | – | 記載がない |
残業時間 | 「月平均〇時間」のように、具体的な残業時間の記載がある | – | 具体的な残業時間の記載がない |
勤務時間 | 「残業が月平均20時間以下」のハードルをクリアしている | – | ハードルをクリアしていない |
応募条件 | 資格・経験ともに不問 | 資格・経験のどちらかが必須、どちらかが不問 | 資格・経験ともに必須 |
休日 | 「土日祝休み」のハードルをクリアしている | – | ハードルをクリアしていない |
14点が満点となります。あなたの求人は何点でしょうか?
ちなみに、 工事士.comでよくクリックされている求人10社の平均は、9.1点でした。9.1点以上になる求人を目指し、作成してみましょう!
※1: 給与ハードルは東京都を基準に作成しています。地方の場合の目安として、大阪府:東京と同程度/埼玉、千葉、神奈川、愛知:東京基準マイナス2万円程度/その他地域:東京基準マイナス5万円程度でチェックを行ってください。
※2:未経験者・経験者の両方を募集している場合の判断基準。
改善しやすいところから改善を
注目されるための求人の要素について解説しました。
お給料や休日はなかなか変えることができませんが、求人に掲載する写真で会社の雰囲気を伝えることや、残業時間・モデル給与などを記載し働くイメージをつかみやすくすることはすぐに改善できる点です。
求人でなかなか効果が得られない方は、ぜひチェックリストを参考に、改善できるところから改善していきましょう!
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