建設業×テレワーク、その実態は
新型コロナウイルスの感染拡大とともに聞くようになった言葉、テレワーク。
テレワークとは、自宅など会社とは離れたところで働くことを指します。
連日の報道でもありますが、現在は感染防止のため国や地方自治体がテレワークへの切り替えを推奨しています。
ここで気になるのは「実際、建設業でテレワークって実施されているの?」「よその会社はどんな風にテレワークで仕事をしているの?」ということではないでしょうか。
そこで電工魂では、建設業界で働く2名の方にインタビューを実施し、気になるテレワークの実態についてお話を伺いました。
インタビュー:中村電設工業様
まず始めに、埼玉県に本社を置く中村電設工業様のインタビューをお届けします。今回は、同社総務部の齋藤様にお話を伺いました。 WEB会議等インターネットを活用し、仕事の効率化に成功している同社の事例をご覧ください。
【会社プロフィール】中村電設工業株式会社
埼玉県に本社を置く電気設備工事会社。昭和39年に創業し、42名の従業員を抱える。一般家庭のお困りごとを解決する「住まいのおたすけ隊」から一般電気設備工事・通信設備工事まで多様な電気設備工事を行っている。
―現在のテレワーク実施状況について教えてください。
一部の社員にテレワークを実施しています。CADでの図面作成担当や現場の資料作成担当など、自宅でも仕事が可能な社員をはじめ、年齢・既往歴を踏まえ出社すべきでないと判断した社員、都心から電車で通勤する必要のある社員、新入社員などがテレワークの対象です。
―テレワークは、いつから実施されましたか?
埼玉県に緊急事態宣言が発令された日の夕方、社長から社員一斉に連絡が入り、週明けの4月13日から始まりました。
― 齋藤様自身、テレワークを実施してみてどう感じていますか?
会社として働き方の見直しができているなと感じています。例えば、これまではお客様先に訪問していたことを、ネットを活用して対応することで時間や労力が削減できることに気づきました。
私自身としても、なかなか手が付けられていなかったHP更新・マニュアルの作成・情報の環境整備等の業務に取り組むきっかけになりました。
―社員の方とのコミュニケーションはどのように変化しましたか?
直接会えず少し寂しいと感じることもありますが、コミュニケーション自体は毎日とっています。毎朝WEB会議を使用し、在宅勤務の社員・新入社員を対象に朝礼を行っています。また新入社員にも、「チャットワーク」というツールを使ったWEB会議を活用して研修に取り組んでもらっています。
―働き方の見直しのほかに、テレワークを導入してよかったことはありますか?
WEBを使用して会議をすることにより、現場から会社に帰る時間を削減できるほか、交通費の削減にもつながっています。
また、上司が社内にいないことで、部下の成長にも繋がっていると感じています。その場に上司がいないことで、これまで上司に任せていた高度な仕事にチャレンジするきっかけになるんです。嫌でも成長していきますよね。
―電気工事を担当している職人さんたちへの対応はどのようにしていますか?
有給休暇の取得を奨励しています。今まで忙しくなかなか有給が取れなかった方もいるので、現場がひと段落したらお休みを取れるようにしています。
―そのほかに、変化したところはありますか?
採用活動を行っているのですが、社員・学生の安全を第一に考え、会社説明会・選考はテレビ電話で行っています。はじめての取り組みですが、試行錯誤しながらより良いものにする為奮闘しています。
=====
【会社情報】
会社名:中村電設工業株式会社
本社: 埼玉県さいたま市岩槻区本町六丁目5番22号
業務内容:各種電気設備工事設計施工
HPは こちら会社ひとことPR: 当社は、お客様満足度と、社員満足度ナンバーワンを目標に、社員みんなが健康で明るく楽しく、いつまでも活躍できるような職場づくりに邁進したいと考えています。社員一人ひとりを大切に、チームワークで埼玉ナンバーワンの電気設備会社を目指します!
====
インタビュー:Yさん(電気工事会社勤務/CADオペレーター)
テレワークをするためにはネット環境の整備も必要です。とある電気工事会社に勤め、CADオペレーター兼事務員として活躍されているYさんにも、個人としてお答えできる範囲でインタビューに応じていただきました。Yさん自身はテレワークの話が会社から来ていたものの、現在は時差出勤の選択をされています。
複数の支社を持つ某電気工事会社勤務。Yさん自身は某工場にて、事務員兼CADオペレーターとして働いている。昨年に第二種電気工事士の資格を取得し、時々電気工事に携わることもある、電工女子。
― 現在のテレワーク実施状況について教えてください。
勤務先は複数の支社があるのですが、全国に緊急事態宣言が出されて以降、すべての支社で事務方は基本出社を見合わせるよう指示が出されています。テレワークが可能な人はテレワークに切り替え、難しい人は自宅待機です。しかし、承認が必要であったりと現実的に出社しなければできない業務もあるため、シフトを組んで交互に時差出勤している支社もありますね。
―Yさんの勤めている工場の状況はいかがですか?
私がいる現場は今の所通常稼働です。
基本的に、現場の判断は現場に一任されていて、監督さんや職人さんはいつも通りの出勤を続けています。
私自身は時差出勤をさせていただいていて、朝の7時に出勤しています。電車通勤で感染リスクが高いことと、道も混まないし空気がすっきりしているので早出を選択しました。
―Yさんには、テレワークのお話は来ていたのですか?
はい、来ていました。現場独自でWi-Fiを借りたりしてやろうかという話も出ていましたが、悩みに悩んで、取り急ぎ時差通勤で対応をすることにしました。
―テレワークに切り替えなかった理由は何かあるのですか?
一番は、自宅で今まで通りの仕事ができるのか?という不安ですね。
テレワーク自体は、CADが入っているパソコンさえ持って帰ることができればある程度なんとかできるのかなと思います。ですが、会社の共有サーバーに入れないなど、やや不便に感じる部分もあるかなという印象です。
―確かにネットワーク関係で不便なことはあるかもしれませんね。
そうですね。ですが、別の現場ではCADオペレーターがテレワークを希望しているそうで、現場独自でWi-Fiを借りたりと準備を整えている最中だと聞いています。各現場の考えと、働いている人自身の希望によって実現は可能だと思います。
―ちなみに、時差出勤やテレワークの場合、お給料に変化はあるのですか?
お給料はいままで通り、100%支給されています。自宅勤務でも、普段より勤務時間を短くする場合でも変わりません。
建設業のテレワークは一部社員で、ネット活用がカギ
今回、2つのインタビューを通して感じたことは、
・建設業でのテレワークは可能。自宅勤務のできる社員には推奨すべきだが、現場や本人の希望も踏まえ判断が必要。
・ネット環境の整備と、WEB会議などのツールを活用することがカギとなる。
・ネットをうまく活用すれば、移動時間の短縮や移動費の削減などメリットも多くある
以上となります。
テレワークを考えているものの踏み切れない方、参考になったでしょうか。
ぜひ2つのインタビューを参考に、自社のテレワーク導入についてご検討いただければ幸いです。
※ 本記事は、ウェブを活用し遠隔での取材にて作成いたしました。
◆ テレワークの導入方法とメリットについて詳しく知りたい方はこちら
◆ テレワークの助成金情報はこちら
コメント