日建連が建設業の新型コロナ対策を公開…その内容は

建設ニュース

建設業の感染予防

日本建設業連合会(以下、日建連)は19日、「建設業(建設現場)における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」を公開しました。

このガイドラインは、日建連が大手元請事業者の団体として、下請企業を守り技能者の生活を守りながら「建設現場」を運営・管理していくことを目指し策定されたものです。

元請け・下請け問わず建設業で働く方の感染予防に役立つ取り組みについても書かれていますので、本記事ではガイドラインを抜粋してご紹介させていただきます。

※ 全文に関しましてはこちらからご覧いただけます。

建設現場における感染拡大防止のための基本的な考え方

新型コロナウイルス感染症の主な感染経路は「接触感染」と「飛沫(ひまつ)感染」であるため、それぞれについて最大限の対策を行う必要があります。

この項目では基本的な感染予防策から感染者が出た場合の対応までを抜粋してご紹介します。

接触感染について
① 他者と共有する物品やドアノブなど手が触れる場所と頻度を特定する。高頻度接触部位には特に注意
② 感染対策
・ 他人と共用する物品や手が頻回に触れる箇所を工夫して最低限に
・ 複数の人の手が触れる場所を適宜消毒
・ 手や口が触れるようなもの(コップ、箸など)は、適切に洗浄消毒する、紙コップ等を使用するなど特段の対応
・ 入口、施設内に手指の消毒設備の設置、手洗いや手指消毒の徹底

飛沫感染について
① 換気の状況を考慮しつつ、人と人との距離がどの程度維持できるか、施設内で大声などを出す場がどこにあるかなどを特定する
② 感染対策(「三つの密」の回避)
・ 人との接触を避け、対人距離を確保(できるだけ2mを目安に)
・ 入場者の整理、制限(密にならないように)
・ マスクの着用(気温が高い場合は熱中症に留意した対応をする)
・ 施設の換気
・ 人と人が対面、近接する場所は、アクリル板・透明ビニールカーテンなどで遮蔽

従業員や作業員の感染が確認された場合、元請事業者は、従業員や作業員が感染した旨を速やかに発注者に報告するなど、所要の連絡体制の構築を図るとともに、都道府県等の保健所等の指導に従い、下請事業者と連携して、感染者本人や濃厚接触者の自宅待機をはじめ、適切な措置を講じる。

※ ガイドライン「Ⅱ 建設現場における感染拡大防止のための基本的な考え方」より引用。

建設現場における具体的な対策

建設現場での感染を減らすための具体的な対策として重要な項目も抜粋してご紹介します。

◆ 現場事務所での対策

・現場事務所や休憩所、喫煙所などで一定の距離を保てるよう、スペースを確保する。

・人と人との対面配置は避け、対角、横並びにするなどの工夫をする。

・換気設備の整備または換気(2方向の開口部を確保して1時間に2回以上開放)

◆ 通勤・建設現場への移動中の対策

・車両で移動する際には、車両数を増やす、近隣に借地し駐車ス ペースを確保するなどにより、同乗・相乗りを可能な限り避けるようにする。

・同乗・相乗りの場合は、座席間隔の確保、換気、複数の人の手が触れる場所の消毒を行う。

・公共交通機関を利用する場合は、時差出勤、ローテーション勤務などによ り混雑緩和を図る。

◆ 入場制限

・入場者に対し、事前に、体温や新型コロナウイルスへの感染を疑われる症状の有無を確認させる。

・体温チェックの導入を行う。

・体調の思わしくない者には休暇制度の取得を奨励し入場を制限する。

◆ 現場における感染予防

・ドアノブ、電気のスイッチ、パソコン、タブレット、工具、手すり、エレベーターのボタン、ゴミ箱、電話、共有のテーブル、いす等の定期的な消毒。

・手洗い/消毒(特に、休憩・休息、食事スペースを使用する際は、入退室の前後の手洗いを徹底する)。

・三密の回避(朝礼や打合せ、着替え、食事、休憩など現場で多人数が集まる場面や密室・密閉空間における作業等においては、他の従業員や作業員とできる限り2メートルを目安に一定の距離を保つ )。

・現場の状況に応じ、オンライン会議、電話・メール等を活用する 。

取り組み事例

現場での取り組み事例についても引用してご紹介します。

自社の現場で導入できることはぜひ導入しましょう。

朝礼・KY 活動における取組事例
・朝礼時の配列間隔の確保
・対人間隔が確保困難な場合等の朝礼の参加人数の縮小等
・伝達事項等に即した朝礼等の時間短縮や内容の効率化
・肩もみ等の接触を伴う活動の省略
・マスクの入手が困難な場合の指差し呼称の省略
・朝礼時の体温測定等
・テレビ通話ツール等の利用による現場・事務所間の遠隔開催 など

現場事務所等での業務・打合せに関する取組事例
・事務作業時の対人間隔の確保や窓等の開放による換気
・Web(TV)会議やメール・電話による対面の打合せ等の削減
・対面での打合せ等を行う場合には十分な対面距離を確保
・時間差による打合せの分散化や、打合せ時間の短縮・人数の縮小
・現場事務所等での空気清浄機の使用 など

内装工事等、室内の現場における取組事例
・内装仕上げや設備工事等の室内の作業では、エリアを区分して作業
・狭い場所や居室での作業は、広さ等に応じて入室人数を制限して実施
・大部屋での作業等において、あらかじめ工程調整等を行ってフロア別に人数を制限
・室内には換気装置を設定し、換気を実施
・工程管理や内装仕上げの確認・是正にWebカメラや通信端末等を利用し遠隔で実施
・作業用エレベーターは3密回避のための使用方法をルール化 など

食事・休憩時における取組事例
・休憩室等の窓・ドア等の常時開放や常時換気の励行
・車中における食事・休憩の励行、休憩時間の分散化
・更衣室や休憩室等での一定の対人距離の確保
・簡易なパーティション(アクリル板等)による密接の防止
・手洗い時のタオルの撤去(ペーパータオルの利用等) など

※ ガイドライン「Ⅲ 建設現場における具体的な対策 」より引用

第二波防止のため、現場で出来ることを

5月21日現在、緊急事態宣言が多くの都市で解除され日常を取り戻しつつありますが、ここで感染予防を怠ると第二波、第三波の感染拡大が起こることも十分に考えられます。

建設現場は複数の会社が集まって動いていることも多く統率を取りにくいですが、複数事業者がいる場合は元請けが率先してこのガイドラインに沿った対策を実施していただき、さらに下請けや一人親方の方も、それぞれできる予防策を講じていただくことが感染拡大を防止するため必要不可欠です。

一日でも早く日常を取り戻すため、より一層感染予防に気を付けましょう。

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