建設業の女性雇用を増やしたい国交省 今後4年間の取り組み策定

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女性雇用の目標定まる

国土交通省は今月16日、建設業の女性定着促進に向けた「建設産業行動計画 」を策定しました。

この行動計画では、今年である令和2年から令和6年までの4年間をかけて通り組む女性雇用に関する目標が定められています。

国交省が定めた目標は…

◆ 4年間、前年比で女性の入職者数に対する離職者数の割合を減らしつづける

◆ 4年間、前年比で建設業の入職者に対する女性入職者の割合を増やしつづける

◆ この取り組みを周知し、全国に根付かせる

図1(出典:国土交通省)

女性の離職を減らす具体策

建設業で働く女性の離職を減らす策の中で注目すべきなのは、「働きやすい現場の労働環境の整備(図1赤枠内の項目3)」です。こちらでは、現場でも短時間勤務制、フレックスタイム制、テレワークなどができる環境を整備することが挙げられています。

社員が自由に出勤・退勤の時間を決めることのできる「フレックスタイム制」が導入できれば、子どもの送り迎えがある女性にとっても働きやすい職場に変わります。

また、会社から離れ、自宅やカフェなどで働くことができる「テレワーク」を導入すれば、例えば図面作成スキルのある女性が出産を迎えても、子どもの世話をしつつ自宅で図面を作成してもらうというような働き方も実現できます。

これらの制度は「働き方改革」でもよく取り上げられます。現場でスキルを培った女性が出産や育児・介護などのイベントによって建設業を離れてしまうことを防ぐためにとても有効な策と言えます。またこれらの制度は女性だけでなく男性にとっても企業への満足度を高め、離職防止につながります

※ フレックスタイム制について詳しく知りたい方はこちら

女性の入職を増やす具体策

【広報活動】

これから建設業界で働く女性を増やすための具体策には、建設業のイメージ向上のためのPR活動が挙げられています( 図1青枠内の項目1および4) 。

教育機関と連携し、現場見学会などによって若者へ建設業の魅力を伝えることや、女性が活躍している現場事例を発信するとされています。

なお、女性活躍事例はすでにいくつかウェブサイトが公開されています。

◆ 参考:建設産業女性活躍Cace Book (H29年予算事業)

【トイレ問題の改善】

現場で女性が困ることとして挙げられているのは「建設現場でのトイレ問題」です。電気工事業界でも、新築工事や仮設工事などの現場では仮設トイレを利用することがあるかと思います。仮設トイレは女性にとって利用しにくく、女性の技術者が定着しない原因とも言われています。

現場に「快適トイレ」を普及するなどの活動も行い、より具体的に現場環境を改善するための活動にも取り組んでいます。

図2(出典:国土交通省)

◆ 参考:国土交通省 「快適トイレの事例集」Ver.1

女性雇用促進のため現場からできること

これら新計画の内容は、令和6年までに認知度100%を目指すとしています。

電気工事業界でも「女性歓迎」という企業は増えてきています。

イチ企業として、業界の女性技術者を増やすためにできることとしては、

◆ 時短勤務やフレックスタイム制など多様な働きかたを認める会社づくり

◆ 産休・育休の実績をつくり、業界に興味を持った女性が飛び込んできやすい職場に

◆ 更衣室の整備・トイレの整備を進め、だれもが働きやすい職場環境を

◆ セクハラ・パワハラに対する問題意識の共有

などが考えられます。

女性が活躍できる現場は、女性だけでなく誰にとっても働きやすい現場です

国はこれからも女性の雇用促進に力を入れていきます。移り変わる時代、これから女性技能者の受け入れを検討している企業様は、社内環境を整備するところから始めてみてはいかがでしょうか。

国交省公式サイトはこちら

◆ 国土交通省:建設産業における女性の定着促進に向けた取組について

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