令和の建設業休日事情…「週休2日」は未だ4割以下

建設ニュース

最新版データから建設業の実態を読み解く

2019年10月1日に、令和元年版過労死等防止対策白書を公表した厚生労働省。これは過労死ゼロを目指す政府が業種ごとの労働状況や労働災害等のトラブルをまとめた報告書です。

建設業の、週休2日の実施割合は?

報告書によると、建設業のうち「4週8休の確保、または週休2日の推進」を実施している企業は全体の38.4%です。

2017年には、日本建設業連合会が「建設業の週休2日の定着を5年後の2021年までに目指す」という目標を掲げていました。あれから2年が経ちましたが、実際のところ週休2日の実施に至っている企業は全体の4割以下と、依然として低い数値です。

しかしながら、「週休2日の実施を検討・予定している」と回答した企業は45.9%と多くあることも見逃せません。既に実施している企業と、実施を予定・検討している企業を合わせると、全体の85.3%が週休2日について前向きに考えていることになります。

実現に至っている企業はまだまだ少ないものの、建設業界全体として休みが少ないことを問題視し、改善していこうとする認識は広まっています。

建設業の、有給取得率は?

次に、有給休暇の取得率についてご紹介します。建設業の有給休暇の取得率は38.4%でした。これは他業界と比較すると、4番目に取得率が低いという状況です。

建設業界では人手不足がまん延していることや、工期などスケジュールを重視して働かなくてはならないことなどから、有給休暇を取得しにくいのが実情です。

なぜ建設業の週休2日は実現できないか

建設業界で働く経営者や管理職の方なら、「職人さんにとって働きやすい現場にしたい」と誰もが思うでしょう。しかし、週休2日や過剰な労働を減らすための取り組みに動けないのにはこの業界ならではの理由があります。

今回の報告書の中で、特に多くの企業が問題として挙げているのは「他社、他業種と密接に関わる建設現場で週休2日を進めるには自社のみの頑張りでは不可能。業界全体で取り組まなければ実現はできない」という問題です。特に電気工事業界は仕事が他業種の工程に左右されることも多く、自社のみでスケジュール調整がしにくいですよね。

また休みが増えれば、その分作業にあてる時間も減るので工期が延びてしまうことも考えられます。その場合、顧客の理解や協力を得ることが難しく、収益が悪化することも懸念されています。

まとめ:業界の未来のために問題意識を持ち続けることから

現在、週休2日が確保できていなくても「将来的には週休2日を実現したい・導入を検討したい」と考えている企業様が非常に多いことがこの調査でわかりました。同時に、週休2日を実現するには業界全体で取り組む必要があり、自社のみでは実現したくてもなかなか実現できないという課題も浮き彫りになっています。

すぐには週休2日を実現できない企業様も、まずは業界全体の休日の少なさに問題意識を持つことから始めましょう。そして、業界全体が変わって行く流れに乗り遅れないよう、自社でも週休2日の実現に向けて業務の効率化や人員の確保などできる対策を進めていきたいところです。

参考資料

厚生労働省 令和元年版過労死等防止対策白書より 重点業種・職種の調査・分析結果

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