倒産1892件中、建設業は187件
帝国データバンクは今月17日、「新型コロナウイルス関連倒産」動向調査を公開しました。
調査によると、これまでの累計倒産数は1,892件にのぼり、業界別では飲食業について建設業の倒産が2位。これまでに187件の建設業が倒産したと発表されました。
工事スケジュールの白紙化が一因

建設業は飲食店や観光業のように、新型コロナによって直接的に客入りが減るわけではありませんが、飲食店・小売店の休業や倒産が増加し、工事が中止になる影響が大きく出ています。
他の産業が衰退すれば、別の産業の衰退する、まさに負の連鎖が起きています。
緊急事態宣言は延長が繰り返されています。時短要請を飲食店や小売店が守り続けざるを得ない以上、建設業の苦境も続くでしょう。
また新型コロナとは別に、ウッドショックによる資材の高騰・調達難の影響が出はじめているこも一因とされています。
倒産企業の4割は都市部に集中

倒産した企業の数は、1892件のうち東京・神奈川・大阪の3県の合計で745件。
全体のおよそ4割を3県だけで占めているということになります。
都市部には飲食店・小売店も集中しており、そういった業界が主な取引先であった建設業も苦境を強いられています。
小規模企業から先に消えてしまう

全国的に景気が悪くなると、資金の少ない小規模企業から倒産が増えていきます。
建設業は全体の95.9%が従業員20人以下の小規模企業であるとされています。そのため工事が中止になるとすぐに資金がショートしてしまう企業も多く、倒産が止められません。
方向転換も視野に

まだまだ新型コロナが収束する見通しは立たず、飲食店や小売店などを取引先としてきた企業は別口の取引先を開拓したり、事業転換を行うなど経営の方向転換が必要になる可能性もあります。
中小企業庁では、事業の思い切った転換を支援する 事業再構築補助金の公募など、企業が舵を切りやすくするための支援も行っています。 この補助金の これまでの採択結果を見ると、建設業と思われる企業も複数採択されており、社名に「建設」のつく会社が新たに学習塾の運営に乗り出していたり、車エビの養殖やキャンプ用品製造販売を始めようとしていたりと、事業転換に向け思索をめぐらせている様子を見ることができます。これまでのやり方が通用しなくなった場合、生き残るには組織の方向転換をするほかに道はありません。
行政の力を借りるなどして、会社の再構築が必要となります。
参考資料
帝国データバンク: 新型コロナウイルス関連倒産 中小企業庁: 小規模事業者の構造分析 中小企業庁: 事業再構築補助金-採択結果◆ 関連記事をチェック!
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